手紙 | TONOオフィシャルブログ「TONOログ」Powered by Ameba

手紙

ふとしたことで蘇る記憶ってあるよね。


どこからともなくやってきた香りに、なぜか

幼い日のことを思い出したり。


突然の雨に、昔の彼氏や彼女のことを思い出したり。


たまたま目に入った夕日に、ダメダメだった頃の

自分の気持ちを思い出したり。


人それぞれに、生きてきた時間の分だけ、

普段は心の奥のほうにしまわれた記憶って

やつがあるもんです。


今回事故で骨折して、

たまたまこのタイミングと唄う機会が重なって、

ボーカリストとしては恥ずかしく情けないことだけど、

あまりイケテない記憶が蘇りました。


数年前だったかな、11-A.REPUBLICはツアーの真っ最中。


ツアーファイナルはワンマン。


なかなかハードなスケジュールだったということは

言い訳にはならないのだけど、僕は声帯を患い、

咳が数か月止まらないという事態に陥りました。


そして、肋骨を疲労骨折。。。。


まさかのツアー中の骨折。


まぁ落ち込みましたね。


体調管理もろくに出来ない自分の不甲斐なさと、


そんな状態だということをみんなに感じさせない

ライヴをすることのプレッシャーと、


そして何よりもメンバーにかけ続ける迷惑に。。。


楽器や機材は何一つ運ぶことも出来ず、

ライヴハウスの重たいドアは一人で開ける

ことすら出来ない。


常にメンバーの誰かに一緒にいてもらわないと、

痛くてなんにも出来ない状態でした。


もちろん、痛みをこらえればドアを開けられないことはない。


でもそうすることは、治るのを遅くし、その日の

ライヴにより支障をきたすことになるだけ。


ぐっとこらえて、ひたすらメンバーに迷惑を

かけ続ける日々でした。


ただメンバーの誰一人として文句のひとつも言わずに

僕のことを気遣ってくれましたよ。


本当に感謝。


そのときのことは、この『TONOログ』にもワンマンが

終わってから書きましたね。


今回、上野BRASHにて同じようなことが起こったんですよ。


重たいドアを開けようとしたとき、


んぬーーーーっ


ってくらい痛かったわけです。


その瞬間、数年前のことが溢れるように

鮮明に蘇ってきました。


決して褒められる記憶ではないんですけどね。。。。


そして、


強烈にひとりになったことを実感しました。


今の僕にはもう、こういうときにドアを開けてくれることも、

声をかけてくれるメンバーがいないんだってことをね。


もちろん、いつでも心はそばにいるつもりです。


前日の夜にはnatsukoからお叱り&激励のメールもきましたし。


ちなみに、


「ほんっとにTONOは変わらないねー。」


って。笑


「活動休止しててもヒヤヒヤもんですよ。」


って。笑



活動を休止してもうすぐ2か月が経ちます。


なのにまだ、ひとりになったことをあらためて実感してる

ような自分が情けないのと腹立たしいのとで、心の中が

ぐちゃぐちゃです。


自分のポテンシャルを信じられなくなったりとかさ。


きっと、


僕はまだまだ精神的にメンバーに依存してんだと思う。


ひとりでやるって決めたのに。。。


胸を張ってメンバーに会える日は、まだまだ遠そうだな。




BRASHでのライヴの日、


大丈夫ですか?ってお見舞いやお手紙をいただきました。


なんだろうね、


とても心にしみました。


いただいたお手紙、2回も3回も読み返しました。


今の僕は、そんなみんなの気持ちに応えられてないよねぇ。


頑張ってないつもりはないんだけど、

何もまだカタチに出来てない。


それじゃぁ何も伝わらない。


思うだけなら誰でも出来ます。


考えるだけならいつでも出来ます。


でもそんなのは意味がないんです。


カタチにしなきゃ、何も伝わらない。


言葉に、声に、行動にしなきゃね。


そして僕は、何よりも唄うことで伝えなきゃなのに。。。


なんとなく、時間が過ぎてゆくことで命を削られてる気分。


焦っちゃダメだって思いながらも、焦っちゃってる。


忘れられるのも一瞬だからね。


お手紙やお見舞いをくれる温かいみなさんが、まだ

存在してるありがたい状況であることを大前提に、

それでも活動休止した途端に忘れられていくんだなって

いうのもすごく感じているのが正直なところ。


だから、激励の声に応えたいという気持ちと、

過ぎ行く時間に対する恐怖。


そんなのが気持ちの焦りに拍車をかける。


でも!


そんくらいでちょうどいい。


ただでさえぐうたらなんですから。


そんくらい焦ってないと進まない。


そう思いつつも、歩みが遅いのが僕ですから。笑


ふぅー、


やっと「笑」って気持ちになってきたぞ。笑





「そんなんじゃ伝わらない!」





もし僕を見かけたら、その度に言ってください。


きっと、


頑張りますってくらいしか言えないけど、


そんくらいでちょうどいい。


そうやって言ってもらえることがどれだけ幸せなことか、


今強烈に理解出来てます。


だって、それって伝えに行こうと思わなきゃ出来ないじゃん。


出来るかどうかはわからないし、約束も出来ない。


不真面目でぐうたらな人間だけど、でもその気持ちだけは

裏切りたくないなって思ってます。


ありがとう。



との