初めて私の生活エリアにいきなりステーキが出店した時は、勝手に名付けさせてもらうと、第二期展開期だ。立ち食いスタイルからテーブルレストランに、価格も初期のような安さではなくなり、高くなった。
しかし、まだ客はついていた。肉マイレージもまだきちんと運用されていた。
ここから瞑想期が始まる。
元々アーバンで客の回転率を極限まで上げる立ち食いで始まった業態なのに、テーブルレストランにしてルーラルに大量出店をするという有り得ない戦略でどんどん店舗を増やしていった。
テレビなんかで特番組まれたりして有頂天になっていたのだろう。怖いもんなしで怒涛の出店は独裁者に何も言えない。歯向かったり意見したら粛清されるという環境下、ブレーキが壊れた暴走列車と化していった。
気が付いたら赤字店舗ばかり、さらに既存店も値上げにつぐ値上げ、マイレージなどのサービスの改悪により客足が遠のいていった。さらに社長のイキリメッセージの檄文ポスターなど客を敵に回すような事をして更に加速させた。
数年前にこんなとこに出して大丈夫かよと思ったルーラル立地の店舗は先日通りがかった時に見たら、歯医者に変わっていた。
もう1年くらい行ってないのだが、最近ワンダーステーキという店を見つけた。まだ店舗数はそう多くないようだが、匂いとしては、草創期のいきなりステーキだ。
安くて速く、そこそこ満足のいく肉を提供するという点が同じ匂いがする。
システムはフードコートのようなセルフ式で、ごはんと味噌汁、漬物、キムチはおかわりし放題。
肉が出来上がれば呼び出しベルが鳴るというもの。肝心の肉はというと色んな部位が選べる。
アメリカ産の牛肉のフィレ、ロース、はらみ、赤身などが選べる。これで税込1100円、チキンならもう少し安い。
また追い肉で肉だけを追加する事もできる。
同じ180gなら770円プラスだ。
という事は360gで1900円しないって事だ。
肉の方は米国産で和牛なんかと比べると安いが、低音調理で非常に柔らかくなっている。
また私が食べた2回とも筋や脂身なんかは上手くトリミングされており、とても美味しくいただく事ができた。
いきなりステーキのワイルドステーキはマジワイルドでなかなか噛みきれないスジやブヨブヨの脂身がいっぱいついていたりと、評判は良くない。
これより安い価格でワンダーステーキがいきなりステーキ草創期の精神のまま提供しているのだから、近くにこの2店舗があったら迷わずワンダーステーキに行くだろう。
大量閉店したらしいが、残っている店舗もこういう店が出店加速してきたら、マジで消滅するんじゃね?
と思った次第だ。
あの社長が経営から降りんとV字回復は絶対にないわな。