「いい人」をやめれば人生はうまくいく

午堂登紀雄

 

日本実業出版社

1,400円(税別)

 

 

【ひとことでまとめると】

 

人は最悪、ひとりでも生きていける。

 

誰しも自立して、

誰しも対等である。

 

そういう態度でいれば、

急に生きやすくなる。

 

それは身勝手とは異なる。

素直かどうかということとは関係がない。

 

誰より、自身を大切に。

 

 

【読んでみて】

 

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大人の「ケンカ」は上等

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何か誤解があった時に、

 

「自分がわかっていればいいや」

「わかってくれる人が他にいればいいや」

「いつかわかればいいや」

 

そんなふうに主張を飲み込みがちだけれど、

 

それは言わない限り、

 

永遠に相手に伝わらないことだ。

 

 

不満を飲み込むことは美徳でもなんでもない。

 

感情に任せず、

 

上等に「ケンカ」ができる。

 

それこそが大人だということなのかもしれない。

 

 

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「恥ずかしい」がなんぼのもんじゃ

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よくよく「恥ずかしい」という感情を考えてみると、

 

そう感じたところで何のメリットもないよな

 

と、冷静になる。

 

 

日本は「恥の文化」だという。

 

「恥だから~してはいけない」という気持ちが働く。

 

だけど昔と違い、恥だからって切腹を命じられるわけでもないし、

 

それはあらゆる行動のストッパーにならないだろうか。

 

「恥ずかしいから」と、一切の自己表現ができなくなるのではないかと思う。

 

そんなの、不自由でとても生きていけない

 

 

突き抜けて自由に自分を表現できる人間であれ。

 

誰だって、他者のそんな表現を観たり聴いたり読んだりして、

 

感動したことがあるはずなのだ

 

 

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迷惑を掛けることを恐れない

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「魅力的な人」というとどういう人を想像するだろう。

 

わたしは規律正しく、清廉潔白な人というよりは、

 

とにかく自由な人というのを思い浮かべてしまう。

 

「成功者」と呼ばれる人は、

 

意外と身勝手で横暴で、むちゃくちゃで、

 

ただ憎めないという人が多い。

 

 

「人に迷惑を掛けてはいけません」と

 

わたしも口を酸っぱくして両親に教えられた。

 

しかし、それは極端に言えば

 

「人とは協力するな」と

 

忠告しているようなものなのではないだろうか。

 

 

生きていれば失敗する。失敗をすれば迷惑を掛ける。

 

逆に、自分もそうやって迷惑を掛けられることがあるだろう。

 

その時、どうふるまうか。怒るだろうか。

 

 

人は、もっと周りを信頼して生きていいように思う。

 

 

【最後に】

 

「あなたは常識人だから」

 

と言って、人に線を引かれたことがある。

 

この本を読むと、それも考えもの。

 

 

「いい人だけどつまらない人」

 

と思われること自体、つまらない。

 

それだけで終わってしまっては、

 

何も残らない。

 

人の記憶に残る人間になりたいものだなあ」と

 

しみじみと思う。