「コーヒーとカレーの店SUZU」 
初老の方々が喫茶を経営されていたと思うのですが最近、通過するとお店はしまっています。
ちょっと心配。



60年以上続いているとご近所さんから聞いた手仕上げの貴重なクリーニング店。
「クリーニング 東京社」

この建物がなんとも言えない色合いに風化しており、何度見ても飽きない。
店名のフォントや玄関部分のガラス引き戸、横に続く水色も木造部分も素敵だ。

こういうチェーンの看板がないクリーニング店はだいぶ減った。
私の父がとても気にいっていたある町のクリーング店も50年以上続いていた丁寧で実直なお店だった。しかし、私の父が倒れる3年ほど前に引退された。

そのクリーニング店は、父の急な海外出張のときは早朝までにスーツなどを仕上げてくれて、時には母の目が届かなかった取れかけたボタンを補強などしてくれた。

決してわたしは、ブランド信仰主義ではないのだけど……CHANELやGUCCIのコートやジャケット、ワンピースを幾つか持っている。(昔、買って未だに丈夫な上に、とても暖かいから着ているだけ。私のポンコツな身体同様、既にヴィンテージだが。)

本来は白洋舍なら安全とCHANELブティックのかたに言われていたが、父の贔屓の店も、責任もって素材を確かめ、ボタンを傷めないよう銀紙をかぶせドライクリーニングしていた。(仕事は丁寧なのに、値段も低く申し訳ないくらいだった)



教会通りから一筋入ると、香港の下町にもありそうな細い道が続く。

こういう風景は都会であるのに、なぜか自分にとっては郷愁が湧いてくる。
山や海、森も安らぎをくれるが、こういう何気ない町の風景にも安らぐ私がいる。

幼い、記憶もないときに、母と私が西荻に住んでいたからだろうか!?
(父は当時、貧乏大学院生のため、ひとりで渡米していた。)