ユーロヴィジョンソングコンテスト(ESC)がスウェーデンのマルメ(Malmö)で開催され、信じられないことにスイスが優勝してしまいました!
前回スイスが優勝したのは1988年で、歌ったのはセリーヌ・ディオンでした。
ESCの詳しい説明はウィキペディアにお願いするとして、一言で言うならヨーロッパの国をあげての音楽のお祭りでしょうか。
年々派手になっています。
そして今回はイスラエルの参加に対するデモや、それに加えて、セミファイナル後に(ネットにはいろいろ流れているものの)まだ詳細が明らかにされていない理由によるオランダの失格など、パフォーマンスとは直接関係のないことでも話題になりました。
ウクライナ紛争が始まった当初もそうでしたが、政治的な思惑で視聴者票が特定の国に流れるというのはよくあります。
スイスの場合、審査員による特典が365点、視聴者による一般投票が226点、合計591点です。
審査員の点と視聴者の票がかけ離れているのはよくあることで、これはもちろん好みの問題もありますが、政治的な問題や気持ちの問題も大きいです。
また、自国には投票できない決まりにはなっていますが、スイスに住んでいるイギリス人がイギリスに投票することはできますし、パフォーマンスに関係なく好きな国に投票することももちろん可能です。
こういう時に、仲良しが少ないぼっちのスイスは票がなかなか伸びません。
それでも今回は審査員票が満遍なく多くの国から投じられたように、諸々の思惑とは関係なく投票してくれた人も多かったのでしょう。
これで、優勝したスイスが2025年の開催国に決定したわけですが、ESCは数十億円の費用がかかる一大イベントです。
スイス国営放送がどこまでコストを負担できるのかもわかりませんし、それに対して政党から規模縮小のための圧力が既にかかり始めているそうです。
私たちが生きている間にスイスで開催されるESCはこれが最後だと夫と話していて、それなら見に行こうかとも思いますが、チケットもおそらくかなり高額になりそうです。
今年特に印象に残ったパフォーマンスとしては、
の二つを挙げておきたいと思います。
アイルランドはケルト音楽好きからすると、「思ってたのと違う・・・」となるでしょう。
フィンランドはこういうのとかヘビメタ系を出してきますよね。
ムーミンやマリメッコのイメージが強い日本ではこちらも「思ってたのと違う・・・」でしょう。
あと、投票結果を集計する間のショーで、ABBA優勝50周年記念のABBA Tributeがありました。
赤いドレスのコンチータ・ヴルストさん(オーストリア代表)が優勝したのが2014年でした。
当時はLGBTQへの批判が今より強く、嫌悪感から投票しなかった人も多かったと聞きます。
今ではLGBTQが目立たないくらいになってきています。
出場者のカラーも変わってきていますが、残念なのは昔()に比べて英語の曲ばかりになったことです。
英語の方がメッセージが伝わって各国で票が伸びやすいということでしょう。
それに加えてクラブミュージックのような流行りの曲ばかりになって、お国柄とか感じられなくなってきました。
国名を隠したら、どこ出身か当てあられないでしょう。
せめて「民族楽器を必ず取り入れる」とかの縛りを設けてみてもいいなと思いました。
それと、ファイナル開始時刻が中央ヨーロッパ時間で21時というのも視聴者層を限定してしまうと思います。
投票結果が出るのは翌日午前1時頃ですし、国によってはもっと遅いです。
朝刊の締切にも間に合いません。
そこまで起きていられる元気があるのは若い人たちだけでしょうから、若い層向けの選曲になるのかもしれません。
かと言って19時から始められると子どもに見せるのを躊躇うようなパフォーマンスもあったりするので難しいところです。
以上、ユーロヴィジョンソングコンテスト2024雑感でした。
P.S. オランダの審査員票の発表ですが、やる気のなさが伝わってきました。
失格になったのに納得していなかったんでしょうね。
過去のスイス代表をまとめた動画を見つけました。
ESCの変遷が伝わるかと思います。