「ネットっていろいろあるな、ふっ」

と思える出来事が、某SNSでありました。

そして、そのことで30年程前の出来事を思い出したので、ちょっと書いてみます。

 

当時私はまだ院生で、修士論文のテーマにスウェーデンの移民政策を選びました。

国勢調査のデータを読み込んで統計処理をするんですが、スウェーデン語が多少なりともできた方が良いかと思い、日本語とスウェーデン語の交換授業をしようと思いついたのです。

ウィーンにいた時にはウィーンで日本語学を専攻している学生と日独語の交換授業をしていたので、いいアイデアだと思いました。

そこで、日本にいる外国人がよく読む英語のミニコミ誌に

「スウェーデン語を習いたい日本人学生が、日本語とスウェーデン語の交換授業の相手を探しています。」

という無料広告を出しました。

 

最初に連絡をしてくれたのは日本人の大学生でした。

 

「僕、スウェーデン語を習いたいです。教えてください。」

 

と。

いえ、スウェーデン語を習いたいのは私の方ですが?真顔

 

 

 

次に連絡をしてくれたのは、ノルウェー人の男性でした。

ノルウェー語とスウェーデン語は近い言葉なので、まずは話をしてみることにしました。

阪急電車で梅田まで出て、どこかの喫茶店で待ち合わせをした記憶があります。

お互いにまずは自己紹介と、交換授業をしたい理由を話すことにしました。

私は、◯◯大学で△△を専攻していて、修論で云々、英語とドイツ語はわかる、というようなことを伝えたと思います。

相手の話を聞く番になりました。

以下( )内は私の心の声です。

 

「電話でも話したように、僕はノルウェー人だが母はスウェーデン人だ。

 でもスウェーデン語も問題なく話せるし、そこは問題はない。」

 

(お互いスウェーデン語とノルウェー語で話してもそこそこ通じるくらい似てるしね)

 

「僕はノルウェーに住んでいた時に、一人の日本人女性と知り合ったんだ。」

 

(ん?)

 

「彼女は素晴らしい人で、彼女のいない人生は考えられなかった。」

 

(・・・ん?)

 

「僕たちは結婚し、かわいい娘も生まれた。」

 

(良かったね、おめでとう)

 

「しかしある日突然、彼女は僕を置いて日本に帰ってしまった。

 僕たちのかわいい娘を連れて・・・(涙」

 

(あら〜!)

 

「僕は何とかして、よりを戻そうとしてみたんだ。

 でも彼女の意志は固く、僕たちは離婚してしまった。」

 

(それはお気の毒に。でもスウェーデン語の交換授業の話はどこへ?)

 

「離婚はしたけれど、僕は彼女と愛する娘の側にいたい。

 だから日本にやってきたんだ。」

 

(ああ、日本にいる理由はそれでしたか。)

 

「しかし僕が日本にいられる時間はもうあまりない。

 僕は就労できるビザもないし、仕事も見つからない。」

 

(う〜ん、まあそうなるよね、普通は)

 

「でも僕は日本に残りたい! 

 愛する家族の側にいたいんだ!

 だから合法的に日本に滞在できるよう、

 僕と結婚してもらえないだろうか?」

 

はぁっ?!無気力

 

交換授業はできなさそうというか、それどころじゃない感じだったので、その場でお断りして帰りました。

 

と、この調子でスウェーデン語を習い始めるまでに様々な事件があったのでした。

 

最近、郵便局のことやらSNSのアレやこれやとかでちょっと疲れているので、今週は心穏やかに過ごしたいです。