イタリア北部の町トリノは、 一帯を支配していたサヴォイア家が16世紀にここを都と定めたことから、繁栄が始まりました。サヴォイア家はその権威を見せつけるために、数々の大規模な建設事業に着手しました。サヴォイア家がその名を高めたのは19世紀のことです。当時のイタリアは小都市国家が乱立し、オーストリアやスペインなどに支配されていました。サヴォイア家はそんなイタリアをまとめ、独立運動の先頭に立って戦いました。1861年にイタリアが独立を達成すると、トリノは最初の首都となりました。
サヴォイア家の狼と言われ、王家の基礎を築いたヴィットーリオ・アメデオ2世と、イタリア料理にはつきもののパンの一種「グリッシーニ」との知られざる物語があり、ヴィットーリオ・アメデオ2世は幼少時代、病弱でした。心配する母親に王宮の医師は、食生活の改善を指示しました。そこで、サヴォイア家御用達のパン屋は、消化の良い練粉で発酵したパンを作りに試みました。そして生まれたのがグリッシーニだったのです。グリッシーニはたちまち評判を呼び、貴族たちの間に広がっていきました。グリッシーニのおかげか、王子は立派な王へと育ち、18世紀トリノの都市整備と社会改革に乗り出しました。王は貴族から土地を没収し、それを医師や実業家などに売り、新たな中産階級を育てました。貴族の一族はひとつの建物に住むことになりました。4階建ての住居が続く整然とした現在の街並みは、ヴィットーリオ・アメデオ2世によって作られたのです。