輸入羊肉、中国の大量消費で高止まり | ボルタのブログ

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要旨

輸入食肉は、新型コロナウイルスの影響で、軒並み値下がりしている中で、価格が落ちるどころか上がっている輸入肉がある。羊肉だ。輸入羊肉の価格は10年で1.9倍に増加しており、特に1~2月の輸入羊肉価格は前年同月比1割増しとなった。そして、日本は羊肉の多くをオーストラリアとニュージーランドに依存している。

価格上昇をもたらしたのは、中国の需要増加だ。中国では近年羊肉を使う火鍋などが人気であり、その需要は増加した。そして、中国の食肉需要は国内生産分のみでは賄えなくなり、輸入量が増加していっている。さらに昨年以降、アフリカ豚コレラの影響で、豚肉の代替肉として羊肉が脚光を浴び、さらに需要が増加し、値上がりに拍車をかけた。

中国の買い付けは、新型コロナウイルスの影響で今年に入り鈍っていたが、中国で新型コロナウイルスの感染が収まりつつある状況で再び高まりつつある。

価格高止まりの要因は、輸出先である豪州からの供給が減少したこともある。大規模な干ばつや、森林火災で羊肉の生産量は減少傾向にある。また、天候要因もある。羊の生産農家は干ばつになると餌になる牧草が育たないため出荷を早め、雨に恵まれると羊を肥やすために出荷を遅らせる傾向にある。18年から続いた干ばつから一転し、雨に恵まれた結果、出荷量は減少している。新型コロナウイルスの影響で世界的に外食需要が弱い中、羊肉が値下がりする気配がない背景にはこうした事情がある。

 

コメント

・原材料が値上がりし、新型コロナウイルスの影響で客足が伸び悩んでいる現状、ジンギスカンなど羊肉を取り扱う業者は窮地に立たされている。

・アフリカ豚コレラの影響や、肥育飼料高騰などで中国国内の豚の価格はいまだに高いままだ。中国の豚肉価格は中国人の懐事情に直結する。羊肉供給価格低下のためにも、一刻も早い中国国内での安価な豚の安定生産が待たれるとともに、中国国内での火鍋ブームが過ぎ去ることも必要である。

・オーストラリアでの火災は記録的な大雨で鎮火された。オーストラリアの火災の爪痕はいまだ大きく、今後数年は羊肉生産量の上昇は厳しいのではないのだろうか。