戦後の教育ではGHQ(連合軍総司令部)の検閲によって「愛国」という言葉は禁止されました。これは、物資が少ないながらもアメリカの侵攻に対して私たちの御先祖様の抵抗が思いのほか強かったからと言われています。
したがって、「日本の愛国心」はずいぶん誤解されています。國を愛することはどこの國民にとっても実は美徳です。
古代ギリシャやローマ帝国、ゲルマンの社会などにも、國のために尽くした人々の物語が数多く語り継がれています。今も昔も人々が祖国を愛する想いというのは変わりません。
自分が生まれ育った國・地域の先人が築いた業績や伝統文化、歴史などを深く知るにつれて、「我が國は素晴らしい」とか「この國の國民であることを誇りに思う」という自然な気持ちが湧き出ます。これが万国共通の愛国心です。
愛国心を英語で言うと「パトリオティズム」です。パトリは故郷・郷土という意味で、日本では広く愛国心と訳されています。「祖国愛」「郷土愛」と言っても良いでしょう。
ナショナリズムという言葉もあります。こちらはフランス革命以降に誕生した国民国家を支える理念で「国民主義」「民族主義」「国家主義」などと訳されます。パトリオティズムの方が「おらが國」的な意味合いが強いです。
GHQの呪縛が解けていない人は「愛国心なんて教えると軍国主義になるぞ!」と主張する人もいますが、本当でしょうか?
このことについて国内面と対外面で考えてみましょう。
國を大切に思わない国民が多数派を占めるようになると、
國内の様子はどうなるでしょうか?
ーー想像力を働かせてみましょう。……
國民からよりよい國にしようという気持ちが失われると、「社会秩序の崩壊」をもたらします。やがて無法地帯が拡散していくと、私たち國民の自由と権利が保障されなくなってしまいます。
こう考えると、「愛国心」と「國民生活の安定」「國民の自由・権利の保障」の間には密接なつながりがあることがわかります。このことはこれから生まれてくる子どもたちにも関わることでしょう。
対外的には、「自國を愛するものこそ共感的理解を持って他国を尊重できる)」という考え方が国際社会の常識です。
愛国心を喪失したものは、真の意味で他国を尊重することができないので無意識のまま外国を侮辱する行為をしてしまうケースがままあります。
愛国心は、これが愛国心だとガンガン教え込む必要はないということです。理屈をいろいろいってもあまり効果があるとは思えません。歴史の中の勇者の生き方にたくさん触れる事が大切なのです。
子どもたちは学ぶにつれて、色々な愛国の形があることを理解していくでしょう。