お笑いはじめたての人にとっての二パターンの障害。

一、「人前にたったことが少ない・演技経験がない」

二、「演劇をやっていて一生懸命演技をしてるつもりだがなぜか笑いが起こりにくい」
前者にも後者にも共通して緊急で改善となる技法が

昔から俺も頼りになりっぱなしな
「1.5」倍理論というやつだ


お笑いと演劇演技の最大の相違はお客さんの受け取る感覚にある

お笑いならば
「安心」「親しみやすさ」「わかりやすさ」を重視して

演劇ならば

「正確さ」「尊敬の感情」「写実的表現力」が必要である


すなわち

「演劇演技」そのまんまで「お笑い演技」に入ってしまうと

お客さんが「かしこまってしまって」
笑いたくてもつい躊躇してしまったりする


演劇は「自然」な演技がほしいが

お笑いはときとして
「自然」な演技よりも優先される事項がある

それを簡単に解決する技法が
「1.5」倍理論



まずネタの作り方の時点で個人的には三パターンあるのだが

そのうち一番の主要な作り方
やりたい「設定」を決めてから 作る場合の 1.5倍理論

すなわち
やり方は
いたってシンプル

「実際に目にする現実のアクションよりげさに演技する」

ということ。


そのときの注意点 は
ただやみくもに
「声を1.5倍」にする とか

というわけではない


選んだ設定
選んだ設定に出てくるキャラクターの中からとりわけ

「多くの一般人が連想」しやすい ものを

「抽出」して
そこを1.5倍理論にするわけだ



例でいえば

石原慎太郎都知事のものまねをしたピンコントだった場合

「石原慎太郎=まばたき多い」と浮かぶ

だとしたら
これを真似するときは「本人の1.5倍」すると

「物真似芸」から「物真似コント」へと変化することができるのだ


ラップを使ったコントをやりたいとする

しかし
そのままラップをやってしまっては

それは
「ラップコント」ではなく
「少し剽軽な表現をするラッパー」のラップ披露となってしまう


だとしたら
ラッパーのコモンファクターとは、

「韻を踏む」
「ヨー」
「チェケラッチョ」

ぐらいはすぐに浮かびますかな?


そうしたら現物のそれより
「ヨー」
「チェケラッチョ」 「韻を踏む」
回数を1.5倍にしたり、韻を踏んだ箇所の声量を1.5倍にしたり

することで
「ラッパー」から
「ラッパーコント」への飛躍が可能になるのである


もちろん!
1.5倍というのはあくまで数値の目安であり
すなわち
「異常」とならない範囲であれば微調整は自由なわけだ

もちろん 3倍理論、6倍理論という技もあるがそれはかなりマニアックな技なので ここは割愛して


たとえば
$10さんのギャグ
「すいますいません」とハイキングウォーキングさんの
「かしこまりましたかしこ」

とか見ても偶然
「1.5倍」くらいだし
物真似芸人さんでちょっと「お笑い」系の人はみんな
「大袈裟」かしてますよね

特に物真似四天王とかはね。しみずあきらさんのセロテープみたいにね


プロレスの試合なんかも1.5倍理論使ってますね

ラリアット食らったら1.5倍以上回転しますからね

普段なら2回転する人が3回転以上するわけです

個人的に印象残ったのは エニグマの視力検査やら 二年前の学園祭で確かアンケート1位だった

ムラチと大田のコンビの「レストラン」のやつな~
あれは理想だったなぁ
元々がっしりして巨漢な二人が 1.5倍膨れ上がってみえるし 1.5倍大食いにみえるんだから
理想的だわな


シンプルかつ伝わりやすいし

「演劇芸術」と「お笑いコント」の狭間を往き来することができるこの調整

便利な概念

それが
1.5倍理論なんだわな


もちろんアルバイト先とかでは 「演劇芸術」のほうが活躍するだろうなぁ(笑)

じゃないと
いちいち気になっちゃうし

接客
じゃなくて

接客コントみたいになってしまうわけだし
俺もこの「コント演技」癖が抜けきらず

昔のアルバイト先でよく 「不審でコントみたいな接客だね」といわれた経験があるので油断は大敵ですな


なんにせよ





役に立つ技です

3倍演技
6倍演技などは

プラン9のなだぎさんがすごいですが

それはそのうち



だね