以前から興味のあった奈良交通が運行している「日本一長い路線バス」に乗って来ました。
橿原市にある近鉄電車 大和八木駅から和歌山県のJR新宮駅をつなぐ全長166.9キロ、停留所数167個所の路線。
所要時間は6時間29分で、料金は5,350円(168バスハイク乗車券で通常だと6,730円)
30分じゃなくて29分って何か拘りがあるんでしょうね。
この日本一長いって言うのは高速道路や専用道路を使わず、一般道のみを走行する路線で一番長いってことです。
本来なら新宮まで乗りたいところですが、それをすると時間的、費用的に厳しいため、今回は途中の上野地(うえのぢ:谷瀬の吊り橋のバス停名)まで行くことに。
大和八木~上野地までは約65Kmですから、全行程の1/3ちょっとなんですけどね。
現在、友人が吊り橋の近くまで仕事で通っており、帰りはそいつに拾ってもらえるってのもあって途中で折り返すプランが実現可能となりました。
まずは電車で、京阪寝屋川市駅から京橋でJR環状線に乗り換えて鶴橋駅へ。
鶴橋からは近鉄の五十鈴川行き急行で大和八木へ。
地元の京阪に比べて近鉄の急行はたくさんの駅を止まらずに走るって印象を受けましたよ。
営業路線が長く、多いからですかね?
にしても、近鉄急行の乗客は少なかったなぁ・・・
大和八木へは以前にバイクで下見に行きましたが、改めて電車で行くとワクワク感が高まります。
バスの便数としては9:45、11:38、13:15の一日3便。
今回は友人の終業時間から逆算して11:38の便に乗ることに。
谷瀬の吊り橋には15時前に到着予定なので、2時間半は遊べる計算です(^^)
右が新宮まで走る急行バス。
左は関空リムジンです。
ほんと、見た目はちょっとポップな普通の路線バスです。
バスは定刻に大和八木駅を出発しました。
「自治体の協力を得て運行しているため、今後も本路線のご利用をお願いします」
と途中にアナウンスがあるぐらいなので利用者は少ないんでしょうね。
この便も大和八木から乗り込んだ乗客は私を含めて6名でした。
それでは車内をご紹介します。
至って普通の路線バスですが、シートは観光バスみたいな感じでした。
ハーフのシートカバーもあって、奈良交通のシンボル?の鹿のイラストが。
路線バスとわかるものが
停車ボタンです。
観光バスには付いてませんからね(^^;
この路線を走るバスは一般のバスに比べてホイールベースが1m短く、トルクの大きなエンジンを積んでいるそうです。
紀伊山地の曲がりくねった山坂道を走るのに適した仕様になってるんでしょうね。
さて、しばらくは街中を走る普通の路線バスでした。
街を出て郊外を走っていると山や田んぼなどのどかな風景が車窓に広がります。
正面の山は金剛山です。
途中の五条バスセンターで一度目のトイレ休憩です。
路線バスで休憩ってだけでも普通じゃないですけど、そりゃあれだけの距離を走るとなると休憩は必要ですね。
運転手さんは全ルートを一人でドライブするので一番休まないといけないのはバスの運転手さんでしょう(笑)
168号線から一旦JR五条駅に入って乗客を乗せてまた戻りました。
この路線、こういうパターンが多かったですけど、これも乗客確保のひとつなんでしょうか?
五条駅を出てすぐに吉野川(紀ノ川)を渡ります。
一月ほど前、モンキーで渡って白崎海岸まで行きましたよ。
川を渡るといよいよ紀伊山地に突入です!!
一車線の曲がりくねった道、おまけに勾配もきついためバスのスピードは上がりません。
避けるスペースがある度に後続車を先に行かせます。この辺は運転手さんの気遣いなんでしょうね。
当たり前のように抜いていく人、クラクションを鳴らして謝意を表す人、それぞれですけどこういう場所でバスやトラックなど大型車に遭遇したら苛々せずにノンビリ走る方がいいかも。
焦るとろくなことないもんね。
私がバイクやクルマでウロウロしだした頃は、この道(国道168号線)はまだまだ整備されていない箇所が多く、すれ違うのも困難な場所が多数ありましたが、令和の時代になり、新道整備が進んでます。
それでも「路線バス」は地域の足として新しい道では無く、昔ながらの狭い道を走ります。
そのため一旦バックして対向車をやり過ごすことも。
大和八木を出てから3時間弱、バスは2回目の休憩地点であり、今回の私の終着地点である上野地(うえのぢ)に到着しました。
停留所の奥がトイレ&待合所になってます。
バスを降りて、来た道を100mほど戻ると谷瀬の吊り橋です。
はじめて谷瀬の吊り橋に来たのは20代前半の頃、その際に対岸まで渡ろうとチャレンジしては返り討ちにあい、またチャレンジを繰り返して今回で4度目の挑戦でしたが・・・
高いところが苦手なおっちゃんにはどう頑張っても無理です(>_<)
潔く諦めよう、この橋を渡れなかったからと言って給料が下がるわけでもないしなぁ・・・
渡橋を諦め付近を探索しようとバス停方向に戻りました。
乗ってきたバスは既に新宮目指して出発した後。
集落の短いメインストリートを歩き、168号線まで出てきましたが、道中にあったのは郵便局と駐在所、理髪店ぐらいでコンビニはもちろん、休憩できる喫茶店なども皆無。
吊り橋のたもとの食堂も閉まってたしね。
河原まで降りてみましたが、川面には近寄れず・・・
まぁ、ここで一日過ごす人ってキャンプに来ている人だけで、あとは吊り橋を見たら次の観光地に移動してしまうんでしょうね。
結局、友人と落ち合う時間まで奈良交通のバス停付近をウロウロしたり、もう一度吊り橋を見に行ったりして過ごしました(^^;
ほんと、ここはキャンプや川遊びが目的なら別ですが、観光だけでは長居出来ないかも。
これはせっかちな庶民の感覚なんでしょうかね?(^^;
で、17時30分ぐらいに仕事を終えた友人がバス停まで迎えに来てくれました。
五条市を出た辺りでスーパー銭湯のような大きな風呂に入り、車で20分ほど走った道沿いの王将で夕食を。
自宅には21時過ぎに到着しましたが、単にバスに乗ってただけなのに案外疲れました。
それに想像していたより楽しくなかったですよ。
そりゃまぁ路線バスに3時間ほど乗って、行った先で吊り橋を見てビビってただけですから(^^;
日本一長い路線バスって響きにそそられて実行したけど、2回目は無いでしょうね。
とにかく送ってくれた友人に感謝です(^^)/