親友の条件 11 | そばにいるから ~YJ妄想小説~

そばにいるから ~YJ妄想小説~

ゆっくりしていってくださいね


高校に通うことになっても、今までの中学校と反対の方向になるだけで、大して違いはないと思っていたジェジュンだったが、真新しい制服に身を包むと、どこか少し背筋が伸びるような緊張感があった。


それは何となく想像がついていたし、きっとそれだけだろうと。


しかし緊張感とは別に思いもよらない感情が湧き上がっていた。


僅かに胸が踊るような気分。


未知の高校生活への期待。


そう思う理由をジェジュンはちゃんと分かっていた。


できたばかりの友達のせいだと。


数日前出会ったユノとは、性格が全く違うのに変に気があった。


多少図々しいとも取れるユノの行動。


それがユノだとユノらしいと取れて、あまり気にならない。


初めて会った日にコンビニの帰り、ジェジュンはユノに自分の家を教えた。


高校は駅とは逆方向で、ジェジュンの家を通り過ぎたその先にあったから。


これから通う高校までの道案内のつもりではあったが、初対面の相手に自宅を教えるなんて普通はしない。


けれどその時既に、ユノが朝迎えに寄ってくれて、ユノと肩を並べて学校へ向かう自分が想像できてしまった。


まるで幼なじみのように。





そして入学式当日。





想像した通りに約束した朝八時きっかりに、家の前で待つジェジュンの視界にユノが姿を表した。


ジェジュンに向けて大きく手を振り、おはようと言いながらの満面の笑み。


清々しいその笑顔は、柔らかな春風を一緒に運んで来た。


少し緩んだネクタイと、まだ折り目の残るブレザー姿が眩しくさえあった。


まるでファッション雑誌から抜け出してきたかのように、ネイビーカラーの制服はユノによく似合っていた。




「外で待ってなくてもよかったのに。
チャイムで呼ぶよ」




「うちの父親夜働いてるから、まだ寝てるんだ」




「あっ、そうなんだ。
これから気をつけるな」




自分が声を大にして挨拶してしまったことを気にするように、ユノが口を塞いだ。




「外でまで気にしなくて大丈夫だよ」




「じゃ、行くか。
って、俺道わかんないから」




「それも調べてないの?」




無頓着な性格もここまでくると、とジェジュンは思ったが、たとえどんな高校だろうと、ユノはすぐに馴染むだろう。


きっとすぐにクラスの人気者になって、友達が大勢できて。


自分など瞬く間にその大勢の中の一人になってしまうに違いない。


何故か胸が痛む。


それは嫉妬に似ていてジェジュンを戸惑わせた。




「俺さ、ここに越してきてよかったと思う」




「どうして?
まだ高校生活も始まってないのに、いいことなんかあった?」




「ジェジュンと会えたから」




「僕……と?」




「そう、それが一番。
俺たち凄く気が合うと思わない?
そう思うの俺だけ?
ジェジュンとはずっと仲良くやっていけそうな気がするんだけど。
俺さ友達は多いけど、ジェジュンには特別なものを感じるんだよね、理由はよくわからないけど何故かな」




ユノの特別と言う言葉がジェジュンの胸にじんと響き、途端に沈みかけた気持ちが上向いてくるのを感じた。


頬が自然と緩んでくる。




「俺なんかおかしい事言った?」




「ううん……僕もユノと友達になれて……嬉しい」




「そっかー」




ユノはさも嬉しそうにジェジュンの肩を抱いた。


楽しい高校生活が目の前に広がって見えて、ジェジュンはなんとも言えない幸せな気分になった。