となの部屋 My dear various disturbing movies -2ページ目

となの部屋 My dear various disturbing movies

大好きな映画について書いています

FRANK

2014  U.K., Ireland

 
監督: レニー・アブラハムソン
出演: マイケル・ファスベンダー、ドーナル・グリーソン、マギー・ギレンホール
 
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サラリーマンの傍ら、日々曲作りに勤しむジョン。が、そこには才能の「さ」の字の影もない・・・
そこへThe soronprfbsというインディーズバンドがやってきて、ひょんなことから急遽、その夜のライブに参加することに
 
そこには、頭に張りぼてを被った(!)ボーカルのフランク、そして彼が生み出す詩・メロディーに導かれるように自由に演奏を奏でるメンバーたちがいた
戸惑いつつも徐々にキーボードを叩くジョン。先細りになっていた夢への道に光が差した瞬間だった
 
その後、メンバーに誘われ山小屋でアルバム制作に参加。SNSにUPしたレコーディング風景が話題になり、テキサスの人気フェスに招待されることに
喜んだジョンだったが・・・
 
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ジョンと、フランクと仲間たちのはじまり終わりと、そしてはじまりの物語
 
学生のとき観てたらハマり過ぎてやばかったであろう、心の真ん中にド・ストライクな映画
 
大好きな本『鴨のアヒルのコインロッカー』で、
「君は彼らの物語に飛び入り参加している」
というセリフがある
 
すべての人は自分の人生の主人公で、すべての物語はそれぞれ進行中で、それぞれの物語の途中に様々な登場人物が加わり、離脱しながら物語はさまざまに変容しながらそれぞれ進んでいく
 

ボーカル、フランクの才能に魅せられ集う、個性的な面々のインディーズバンドThe soronprfbs

そこにやってきた、夢にみた「ミュージシャン」な日々に張り切る、ジョン

 

最初はとにかくフランクの、「四六時中被ったまま、食事はストローから流動食」という徹底ぶりの、奇異でコミカルな張りぼて姿に釘付け

 

物語が進むにつれ、「張りぼてを被ったフランク」は、フランクに。張りぼてはファッションみたいなもので、一個性に過ぎなくなってくる

メンバーに自分の顔を指さし、「今、笑っている」「喜んでいる」とか説明するとこなんてカワイイ

 

素顔が気になるジョンがメンバーに聞いて回ると、一様に興味なさげで「見たことない」と答えていたシーンにも納得がいってくる

人と人がつながるとき、本質でない部分は些末に過ぎなくなる

メンバーたちは、もう同じ物語を生きている

 

モリッシーの詩(The Smith 『Queen is dead』)に、Life is very long when you loneryというのがあるけど、フランクは手を伸ばして伸ばして伸ばした先に、同じ物語を紡ぐ人たちを見つけた

そしてそれにはジョン、という登場人物も不可欠だった、のだろう

 

フランクのモデルになったのは、英国のカルト的人気を誇った音楽コメディアン、フランク・サイドボトム

 

そして演じてるのは、な・な・なんとマイケル・ファスベンダー!!!

 

終始張りぼて姿、という勿体なさ過ぎる配役。だけど被っても被っても溢れ出すセクシーさと寂寥感(S.ホームズのチャールズ・アレンしかり、Xmenのマグニートしかり)は、マイケル・ファスベンダーならでは
 

一時はメヴィ・メタを目指していたというのも納得な、唸るような低音ヴォイスがラスト心に沁みる

★祝!アサシン・グリード公開

 
Sherlock Holmes and the Case of the Silk Stocking
2004 BBC U.K.

 

監督:サイモン・セラン・ジョーンズ
出演:ルパート・エヴェレット、イアン・ハート、マイケル・ファスベンダー
 
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テムズ川で、ストッキングで首を絞められた若い女性の死体が発見された。身なりから娼婦と思われていたが、ホームズは家柄のある淑女だと推察
依頼を受け捜査を進めるホームズだったが、そこへ第二の殺人が・・・
 
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TV、映画で繰り返し映像化されている世界一有名な探偵、シャーロック・ホームズの事件簿
 
ホームズといって真っ先に頭に浮かぶのは、BBC製作TVドラマのリチャード・ロクスバーグ版
クールさ、痺れるスノビッシュさ、ワトソン(どんな時代もばっちりはまるイアン・ハート)との対等なとの絶妙&軽快なやりとり、と、惚れ惚れするシャーロックぶり
 
これはシリーズ化間違いなしでしょう!
が・・・忘れたころにやってきた2作目のホームズ役は、な・な・なんとルパート・エヴェレット
(とうわけでR・ロクスバーグ版といっても、「バスカヴィル家の犬 The hound of the Bakarvelles」(2002年)の1本きり・・・)
 
ルパート・エヴェレットがどうこうじゃなく、ただただがっかりで未見のままになっていたのがこれ
前作「バスカヴィル家の犬」で登場の瞬間から怪しすぎるリチャード・E・グラント同様、謎解きよりもホームズと犯人との対決が見どころ
 
ルパート・エヴェレットのホームズは、あの拗ねたようなしゃべりが意外とマッチ
ただ、白塗りフェイスと切れのない身のこなしがちょっと・・・
と、集中力が切れかけた頭と目に、ちらっと映った彫像のように立つ、端正で氷のような瞳をしたフットマン(従僕)
 
脇役にしては存在感あり過ぎ・・・マ、マ、マイケル・ファスベンダー!!!
一気にテンションマックス
もう出てこないのかな~、っと思ったらそんなことをあのルックスが許すはずもなく、白塗りホームズを霧に霞ませ、クールに残酷に寂しげにチャールズ・アレン役を演じきった
 
変態性に満ちつつ、絶対的な階級制・格差社会が若いエネルギーをジリジリと歪めていった悲劇をも醸し出す
こういうセクシャルで複雑で残酷で悲しい役、M・ファスベンダーが演じると光る光る
 
クリストファー・ウォーケン、ルトガー・ハウアー、マイケル・ケイン、ジュード・ロウ・・・と、出てきただけで、ついつい歪んだ裏の顔(爽やかに笑っていても、家に帰ると床の下には・・・みたいな)を勘ぐりたくなる雰囲気を身にまとった俳優さんがいる
 
M・ファスベンダーもまさにそんな系列
 
ちなみにワトソン君役は続投のイアン・ハート
相変わらず、隙のない味のある演技をキメていてうれしくなる
 
そういえばダン・ブラウン著「ロスト・シンボル」の映画化はどうなったのかな?
「インフェルノ」が先になったし、ないのかな~
もしやるならマラーク役はマイケル・ファスベンダーでプリーズ!

★祝!T2公開決定!

 

Trainspotting 

1996 UK

 

監督:ダニー・ボイル

脚本:ジョン・ホッジ

原作:アーヴィング・ウェルシュ

出演:ユアン・マクレイガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、ケヴィン・マクキッド、ロバート・カーライル、ケリー・マクドナルド

 

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舞台はエジンバラ

仲間とヘロインでハイじゃないときは、ドラッグのために盗みを働く日々のマーク・レントン

このままじゃいけない!と、ドラッグ断ちしては、もとに戻る生活の繰り返し

今度こそと、ロンドンに出て職に就くが、仲間のシック・ボーイとベグビーがやってきて部屋に入り浸るようになり・・・

 

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ヘロイン中毒な仲間たちの最低最強ライフ
 
イギー・ポップの「Lust for Life」を背に、追っ手から必死に逃げるマーク・レントンとスパット

盗品が振り落ちるのもかまわず全速力で走るレントン。が、曲がり角で車に衝突

ヒヤッと息を飲んだ瞬間、起き上がったレントンがにっこり笑う

 

あれ?この人・・・目がイッちゃってる・・・

 

30本に1本くらい、始まって数分で「やばい!この映画、面白い!」って前のめりになる映画がある

そういうのに当たると全身の歓び細胞がフワフワフワ~っと泡になって上昇する。まさにこれがそう

 

「かっこいい」のひとことに尽きる、痺れる映画

楽曲、キャストはもちろんポスターにしたいシーンだらけの映像、色彩

単純にドラッグ=かっこいい、危険だっていう映画ではもちろんなく、冒頭の独白

「Choose life、Choose a job、Choose a carrear、Choose a family、Choose a fuckin big television.....(中略)Choose your future、but what would I want to do the thing like that? 」

や、

「手に入るドラッグはなんでもやった。もしビタミンCが違法なら、やった」

と、哲学すら帯びる思想

かつての「sex、drug、rock'n roll」とは一味も二味も違う、快楽も地獄も自らの水かきで泳ぎ渡る、これぞ90年代の退屈からの脱却物語

 

グラスゴーが舞台の前作「シャロウ・グレイブ」も大好きだけど、ユアン・マクレイガーといえば、やっぱりマーク・レントン

 

一見、賢そうな好青年。笑うと一転、人懐っこさ満開と同時に、危ない橋を躊躇なく渡り続けそうなアホっぽさを兼ね備えたルックス

有名なトイレシーンも、まさに「ハマリ役」

監督はここでデヴィッド・ボウイの「Golden Years」を使いたかったって話もあるけど断られたらしい。う~ん、惜しいね~

 

レントンの仲間も曲者揃い

007オタクのおしゃれなジャンキー、シック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)

ちょっと気弱でお人よしなスパット(ユエン・ブレムナー)

アル中で喧嘩中毒。目が合ったら最後、敵にも仲間にもしたくない男NO.1のベグビー(ロバート・カーライル)

レントンのビデオすり替えのせいで彼女に振られる、唯一ヘロインをやらないトミー(ケヴィン・マクキッド)

魅惑の少女ダイアン(ケリー・マクドナルド)

 

オープニングの衝撃的なかっこよさが忘れられず、繰り返し見たくなる、まさに中毒映画

まずヘロインに陶酔するレントンに痺れ、スパットのヘタレキーパーぶりに笑い、トミーの青さに微笑み、シックボーイの優男ぶりにうっとりし、ベグビーの切れっぷりにドン引きしつつ、ダイアンの魅力に驚く

なんだかんだで毎回捨て犬みたいなスパットが愛しくて一番好きになって、幸せに幕を閉じる

 

スパット役のユエン・ブレムナー、MI5(TV映画)では元工作員のジャーナリストをクールに演じてばっちりハマっている

T2、楽しみ!

The Three Musketeers
2011年 USA、France、UK、Germany
 
監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ルーク・エヴァンス、マシュー・マクファディン、クリストフ・ヴァルツ、マッツ・マイケルセン
 
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17世紀、フランス
銃士に憧れ、パリにやってきた青年ダルタニアン
パリでは実権を握ろうとするリシュリュー枢機卿、謎の美女ミレディ、そして英国バッキンガム卿の陰謀が渦巻いていた・・・
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原作はデュマの「三銃士」
キャストも展開もてんこ盛りの超エンターテイメント
 
スタイリッシュなアクション、次々と登場する豪華な衣装、ノートルダム・ド・パリでの決闘etc、etc、時代物好きとしてはたまらないシーンが満載
 
キャストも欧州の演技派俳優がずらり
アトス役のマシュー・マクファディンがちょっと頼りなさげだけど、何の役をやっても文句なしなクリストフ・ヴァルツ演じる狡猾なリシュルー枢機卿は、もう完璧。
マッツ・マイケルセン、ティル・シュヴァイガーのコスチュームもののはまりっぷりも、さすが。
アンヌ王妃役のジュノー・テンプルもいい!ミラ・ジョヴォヴィッチもさすがヴァイオ・ハザードの監督、伸び伸びと輝いている。
 
そしてそして、アラミス役ルーク・エヴァンス
恋多き、血気盛んな腕の立つ銃士であると同時に、聖職者に憧れるもと神学生。ジュレミー・アイアンズも演じた(「仮面の男」)、かなり魅力的な役。
待ちに待ったコスチュームもの!だけど、ん~、端正過ぎるのかな。端正過ぎるショーン・ビーンもそうだけど、もう少し下った時代の方が似合いそう。
 

La famille Belier 2015 フランス 

 

監督:エリック・ラルティゴ

出演:ルアンヌ・エメラ、カリン・ヴィアール、フランソア・ダミアン、エリック・エルモスニーノ

 

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フランスの田舎。酪農を営むベリエ家は、高校生の長女のポーラ以外、全員耳が聞こえない。

ポーラの歌声を聴いた音楽教師は、才能を見出しパリの音楽学校へ進むことを勧める。家族の「声」として、ポーラは迷いつつ・・・

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心温まる最っ高の人間ドラマ

 

熱血漢で口(手話?)が悪い父、美しく天真爛漫で少女のような母ジジ、おませな弟。そしてシャイで真っ直ぐなポーラ。

ポーラはもちろん、両親の魅力が半端ない!

 

「最強のふたり」といい、この手のドラマはやっぱりフランスが秀逸。いとも簡単に耳が聞こえないのは、ハンディキャップではなく、個性(それも魅力的な)にしてしまう。

 

誰もが幸せになるために生きている。そんな当たり前のことが、宝石のように輝きだす。

見終わった後、幸福な感動に満たされ、そして一歩前に歩き出したくなる素晴らしい映画!