となの部屋 My dear various disturbing movies

となの部屋 My dear various disturbing movies

大好きな映画について書いています

Amebaでブログを始めよう!

The Lobster

2015 Ireland, UK, Greece, France, The Netherland, USA

 

監督・脚本:ヨルゴス・ランティモス

出演:コリン・ファレル、レイチェル・ワイズ、レア・セドゥ

 

****************************

舞台は近未来

妻と離婚したデヴィッドは、ホテルへ連行される。そこには独身者が集められ、45日以内にパートナーを見つけなければ、自分の選んだ動物に変えられてしまう

****************************

 

近未来、ちょっとゾッとするコメディー

もうこれはコメディー、と言ってしまおう。笑わないと怖すぎる

 

満足度マックス!

ヨルゴス・ワールドへぐいぐい引きずり込まれる

小説、漫画・・・フィクションの世界はいろいろあるけど、身じろぎできない暗闇で、次々映し出される映像に、ひたすら浸れるのが映画。この「ロブスター」、どっぷり溺れられる

 

奇妙な世界、けど現実と紙一重・・・みたいな映画、たまらない
ホラーは苦手で、この手の映画で見られるものが少ないのが悲しいけど、待ってました!

 

冒頭から不穏な幕開け

犬を連れたデヴィッド

「ロブスター」を選ぶデヴィッド。理由は「100年以上生きるし、生殖能力も衰えない。貴族みたいに由緒ある」

独身者たちが集められるホテル

自由を選び、森で生きる独り者たち

 

現実にスルリと紛れ込む奇妙な世界。日常を、固定観念を、予想をことごとくひっくり返される

とんでも感もありながら、「ないない」と笑って構えていると、「ないことも、ないか。数十年後・・・いやいや、数年後には」、とじわじわと迫ってくる

 

圧倒的なリアル感。感傷の入りこむ余地すら与えられない、無駄の無い完璧な世界観

 

この絶妙なシチュエーション、何かに似てる。そうだ、『汚れた血』(1986年)

愛なきセックスで発症する伝染病「STBO」が蔓延する近未来を描いたレオス・カラックスの大好きな映画だ。信じていた愛が、発病することで言葉もなくゆるぎない裏切りを突き付けられる。行き場のない悲しみが漂う世界

 

もしも。そのときどうする?

っていうか、デヴィッド、ロブスターを選ぶ理由!

諦めと、執着。人間はこれの連続。かわいいっちゃかわいい

 

どんなときでも一端、笑い飛ばそう。それが光も闇もある未来を生きる人間の最強の武器な気がする。アリストテレス曰く、動物の中で笑うのは人間だけ、らしいし

The Favorite 2018

2015 Ireland, UK, USA

 

監督:ヨルゴス・ランティモス

出演:オリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン、ニコラス・ホルト

 

**********************

舞台は18世初頭。アン女王の統治下、英国はフランス王国と戦争下にある英国王室

通風もちで心身が不安定なアン女王のそばにはいつも、側近マールバラ公爵夫人・女官サラの姿があった

そこへサラの従妹で没落貴族の娘アビゲイルがやってくる。二人はいつしか女王の寵愛を奪い合うようになり・・・

**********************

 

宮廷で巻き起こる「お気に入り」争奪ドラマ

「ロブスター」に続き、コメディー、と言ってしまおう。だだし、笑うにはエネルギーがいるかも

 

名声、愛、それゆえの憎しみ。まさに生きるエネルギーのオンパレード

いわゆるただの「泥沼」ドラマにならないのは、全編に漂う強烈なエロスと、ヒリヒリとしたシーン展開。感情の置きどころに迷う余地もないまま120分が過ぎる

無駄の全くない完璧な映画。いや~、すごい!

 

主要キャストはアビゲイルを除くとほぼほぼ英国人

 

アン王女の心の機微を演じるのはO・コールマン。そう、「ホットファズ」のあの警官!

サラを演じるのはレイチェル・ワイズ

当初はケイト・ウィンスレットの名もあがっていたらしい。それはそれで是非とも見てみたかったけど、R・ワイズでこそのこのじっとりした湿度の高さはまさに適役

そしてニコラス・ホルト

え?これがニコラス・ホルト?モッコモコの鬘と白塗りにブルーアイズが映える映える。あまり好みじゃない細い顎も、鬘のボリュームとレースたっぷりのジャボに包まれ、気品が漂う

 

最高のキャスティング、だね!

 

驚いたことに、サラもアビゲイルも、映画では脚色されいているだろうけど、実在の人物らしい

England is Mine 

2017 England

 

脚本・監督:マーク・ギル

出演:ジャック・ロウデン、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ

 

*********************

 

舞台は1976年、マンチェスター

スティーヴン・パトリック・モリッシーは、ライブに通っては辛らつな批評を投稿する日々。家計のために就職しても馴染めず、抜け出しては詩を綴る毎日

が、美大生リンダーと出会い、行動派のリンダーの言葉でバンドに加入する。初ライブで今まで感じたことのない恍惚と刺激を感じ、ライブも成功するが・・・

 

**********************

 

ザ・スミス結成前夜の物語

 

公開予定の映画の中に、「England is mine」という文字が

Still illだ!英国映画かな~、っと思ったら、なんとザ・スミス結成前夜の物語!

 

英国英語を習ったのも、英国留学したのも、‘モリシーを訪ねて3万キロ’を書いた‘増井修がいるRocking' onを受けたのも(落ちたけど)、「The smiths」を聞いたから

聴いて聴いて聴いて、聴いていないときも、読書中も口ずさみ、たぶん血液中に流れる程聴いた。1番とか2番とかじゃなく、「The Smiths」だけが好きだった

その物語

期待と不安いっぱいで観に行って・・・

 

良かった!

マーク・ギル監督が、インタビューで「伝記映画ではなく、あくまで青春映画だ」という通り、自信家で、弱虫で、輝きを秘めた青年の青い青い物語。昂然と輝きを放つリンダーに出会い、初めて呼吸をするように会話を交わし、刺激を受け、外への一歩踏み出す

 

リンダーとの出会い、ギターリスト・ビリーとの出会い、そしてジョニーとの出会い・・・

詩は孤独の中で生まれたけれど、バンドは出会いがなければ生まれなかった。たった一歩、大切な大きな夢を叶える一歩

 

ビジュアルもいい

セックス・ピストルズのライブ・シーンも、再現ではなく、ぼんやりとした映像。ここでシドとか写っちゃうとついつい「おっ~」となっちゃうけど、批判半分、嫉妬半分のモリッシー目線はぼんやりがちょうどいい

モリッシー役もジョニー役も、本人に似ていないのがいい。ポスターで見たとき、「全然似てな~いっ!」と思ったけど、変に似てたりしたらきっと興ざめかも

ファン心理は難しい

 

ラストシーンも素晴らしい

なんでも映しちゃうのは簡単だけど、観る人ひとりひとり、それぞれのこころにそれぞれのシーンが浮かぶような、こういう映画が一番好き

 

マーク・ギル監督、ありがとう!

The Nightmare before Christmas

1993 USA

 

原案・製作: ティム・バートン

監督: ヘンリー・セリック

 

.**************

舞台はハロウィン・タウン

今年のハロウィンも、いつも通り住人たちは驚きと恐怖で大盛り上がり

が、パンプキン・キングこと、ジャック・スケルトンは、同じことの繰り返しに虚しさを感じていた

ふとしたことからクリスマス・タウンへの扉を開けたジャック。そこには見たことのない素晴らしい世界が広がっていた

すっかり魅せられたジャックは、ハロウィン・タウンで「クリスマス」を再現しようとするが・・・

***************

 

ミュージカル・ホラーチック・ファンタジー・アニメーション

ティム・バートン・ワールド全開な、オドロオドロしくてかわいい、好きにならずにいられないキャラクターたち大集合

不動の「マイ人生の指標」映画ベスト1!

 

公開以降、寒くなると必ず繰り返し聞いちゃう至極のサントラ

部屋中あちこちで顔を出すフィギア

すったもんだして、ジャックが「ジャックにしかなれない真のパンプキング・キングになる」、という物語は、どんな人間ドラマより、どんな感動の実話より、20年以上たった今でも真っ直ぐに力づけられ、魅せられ続けている

 

現状に飽き飽きし、別の世界に全力でチャレンジ、失敗、自分らしく一から全力投球!

誰もが通る道を、パンプキン・タウンのキングが無垢な心で突き進む

住人を巻き込み、さらにはサンタ・クロースを誘拐し、「クリスマス計画」に全力を注ぐ。行き詰り落ち込むジャックが自信を取り戻していくシーン(サントラ「Poor Jack」)が秀逸!

これぞキング!

自分以外の何者にもなれないんだから、最高の自分で!

 

今日もハロウィン・タウンのジャックは誰よりも怖く、みんなを驚かしている

それとも、また別の世界の扉を開いちゃったりしてるかな?

SPY

2015  USA

 

監督: ポール・フィエグ
出演: メリッサ・マッカーシー、ジュード・ロウ、ローズ・バーン、ジェイソン・ステイサム、ミランダ・ハート、ボビー・カナヴェイル、ピーター・セラフィノーウィッチュ

 

*******

 

おでぶなアラフォースパイが活躍するアクション・スパイ・コメディ

 

CIAエージェントのブラッドリー・ファインは自他ともに認めるいい男。彼の目と耳となりサポートするのはおデブな分析官クーパー。二人は息ピッタリで、次々と軽やかに任務を遂行

 

核爆弾の行方を追う重大な捜査で、敵に主なエージェントたちの顔を把握されてしまうという事態に

そこで顔を知られていないクーパーが立ち上がる

 

親友分析官のナンシーのサポートを頼りに、はじめての任務をこなすクーパー

が、行く先々で、任務を外されたエージェント、フォードが退職してまで首をつっこんできて・・・

 

*******

 

豪邸、パーティ、美女たち、タキシード姿のアンダーカバー・エージェント、華麗なアクション、クルーザー

舞台はブルガリアのヴァルナから、パリ、ローマ、ブタペストとワールドワイド

と、気持ちいいくらい思いっきり007

 

主人公はCIA分析官スーザン・クーパー(メリッサ・マッカーシー)

クーパーが、単にだめキャラのドタバタコメディじゃないところが、いい

 

10年前は訓練でトップクラス、頭の回転も判断力も抜群のまさにできるエージェント。が、憧れのファインの一言で分析官になったという、恋する乙女

アンダーカバー用の「いかにも」IDが笑えるけど、復讐と使命感に燃え次々と任務をこなす姿はまさに「プロ」

エージェントのファインやフォードより、よっぽど優秀

 

そのクーパーを取り巻くのは、眩し過ぎるファイン、暴走し過ぎるフォード、イタリアンが過ぎるアルド、酷すぎるCIAオフィス・・・・

一癖どころか癖だらけの面々

 

★ブラッドリー・ファイン(ジュード・ロウ)

タキシード姿のジュード・ロウは、歴代ボンドをしのぐエレガントさとセクシーさ

登場した瞬間、スクリーンが「太陽がいっぱい」(アラン・ドロンの)的な「格調高い名画シーン」に染まる

 

キメッキメに敵との格闘アクションをこなし、乱れた髪をかき上げクーパーの賞賛を待つファイン

エレガントで傲慢なナルシスト、かつ稚拙

 

これこれ!このジュード・ロウを待っていた!

「真夜中のサバナ」「ガタカ」「オスカーワイルド」と、ヘルムート・バーガー以来の映画映え100万点のルックス&佇まいで、その姿にめまいすら覚えたものの、長らく輝く姿を見ていない

ここで来たね~!

ブラッドリー・ファイン、名前もいいね

 

★リック・フォード(ジェイソン・ステイサム)

「Crank」でコメディもいけるのは証明済み。そしてこのフォード役でさらに極めたね

 

ひたすら一途に、ひたすらハードな任務を愛する一匹狼リック(狼というよりフェレット・・・・)

回想シーンはないものの(っていうかほぼ映像化不可能!あ、ピアノのやつだけは可能か)歴代の激烈任務を聞かれてもいないのに披露しまくる。アンダーカバーの扮装のズレ具合も秀逸

 

一番おいしい役だけど、過激な捜査を「実際」やってる感を出せ(出ちゃう?)、かつ死なず、かつわりとポンコツなのに憎めないキャラは、J・ステイサムだからこそのリアリティー

今まで凶悪犯モンク(「ミーン・マシーン」)役がNO.1だったけど、フォード、抜いたね

 

★分析官ナンシー(ミランダ・ハート)

ちょっとロッシ・デ・パルマ(ピカソの絵のような顔のペドロ・アドモドバル監督の常連女優)似の英国女優

このナンシーがいい!

いつも好奇心たっぷり&抜群のノリの良さ(50セントの曲にすぐさま乗る。その後さらっと「マイケル・ブーブレの方がいいわ」とか言っちゃう)

クーパーとナンシー、自由で幼くて楽し気なのがまるで女子高生のようでかわいい

 

★在ローマのエージェント、アルド(ピーター・セラフィノーウィッチュ)

フォードとおいしさを競うのがこのアルド

恐ろしい運転、見境ない女好き。こってこてのイタリア男のノリでぐいぐいくる

誰もCIAとは思わない。優秀なのかじゃないのか謎な、これぞアンダーカバー

 

わりとカッコいいのに、カッコよく感じないこのヌボー感

どっかで見覚えが・・・と思ったら、な・な・なんと、ヘビロテ映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」のピート!!!

こんなところで再開できるなんて!また「ショーン・・・」見よっ

 

★デ・ルーカ(ボビー・カナヴェイル)

口数が少ないながら裏社会感とフェロモンが溢れ出す。唯一ふざけない役

敵役に抜かりがないのがいい

 

予想に反して優秀なクーパー vs ナイスな敵との笑いなし(ゼロじゃないけど)の空中での対決シーンはスリル満点。締めるところはきちっと締める、スパイ物はこうこなくっちゃ!

 

このド・ストライク感、キャスト、UK映画にありがちなお下劣シーン、てっきりマシュー・ボーン監督辺りの英国映画かと思っていたらアメリカの監督さん

そういえば、マシュー・ボーン監督「レイヤー・ケーキ」続編(噂)にジェイソン・ステイサムの噂も・・・

 

続編といえば、SPY 2といううれしい噂もうっすらとちらほら・・・

そのときは一気に1、2映画館でプリーズ!