鶏胸肉のフライ、キャベツ、ポテサラ、蜆の味噌汁。
久しぶりにきちんとご飯を作った気がする。やはり料理は好きだ。
幸せを感じられる。

永遠に会うことのないだろう人を思う。
あんなに愛したのにだとか、あのぬくもりを感じた時のとてつもなく幸福な安堵感。
守らなくてはとか相応しくとか嫉妬とか考えはじめる前の事。
ただ会えるだけで幸せだったのではないか。
いつのまにかそばにいない。

あの頃より少し痩せた。
年を経るたびに自分が考えた事を実行にうつすことも簡単になった。
しかし不器用でかんじがらめに自分を縛りつけていたあの季節たちを懐かしく思う夜もある。

石鹸のあわにまみれて古い歌をうたう。
確かにいまを生きているのだ。