書籍「頭痛が治る、未来が変わる!」を出版しました。4月出版

 

これまでブログで綴ってきた「頭痛は、人生を守るガードレール!」を詳しくまとめています。頭痛に悩む方にぜひ読んでいただきたいと思っています。

 

今までの頭痛の本とは異なり、頭痛を4層に分類し、その新しい頭痛分類とともに、頭痛の深層に迫っています。

この本の最終章は、なかなか治らない頭痛に悩む方に様々なヒントを書いています。

 

 

(本書より)

頭痛は「今のままの人生ではいけない。人との関わり方も、このままではいけない。なんとかしようね・・・・」というメッセージを伴って現れます。頭痛は自分を見直す大切な機会。もしそのように捉えることができたら、頭痛に悩む方にとって大きな救いになると私は思うのです。「頭痛は、人生を守るガードレール」というのは、そういう意味を込めた言葉です。

 

横に逸れそうな人生の道行きのときに発生する頭痛。なんとかしなければ、と頭痛が人生を守る役割をしている、すなわちガードレールとして存在することを感じさせる患者さんを報告します。

 

患者さん④ 46歳 男性 

 

17歳ころから頭痛があります。大学は通学できず中退しています。2013年の夏頃からさらに強い頭痛に悩まされています。他院で鎮痛薬をもらっているがよくならず、連日の頭痛に悩まされています。いいようのない、いらいらの後に激しい頭痛が来て、性格が変わり狂ってしまいそうになるなどの訴えがありました。2013年10月25日に当院に来院されました。この患者さんは不妊治療の目的で医療機関を受診されたことがあり、このときにクラインフェルター症候群と診断され、現在男性ホルモンの注射を受けておられます。

 

この患者さんを要約すると、鎮痛薬、予防薬が効かず、長期間にわたり連日生じている難治性頭痛で、そのストレスの内容として遺伝子異常のクラインフェルター症候群による不妊により男性ホルモン注射をうけていること、その他関節リウマチ、土地の売買、仕事などのストレス、性格が変わってしまうのではないかと思う程の強いいいようのないいらいら、そしてそのあとの激しい頭痛ということでした。診断としては慢性緊張型頭痛に加えて薬物乱用頭痛の状態であると考えられました。

 

この患者さんに対しては、予防薬の投与と同時に、この患者さんが抱えている苦しみに想いを馳せながら、ひたすら患者さんの訴えを聞くことに徹しました。

 

何回かの診察後、患者さんは来院された後に、こんなに聞いてもらったことはなかった、と涙を浮かべられて話されました。同時にこんなに強かった頭痛が本当によくなったと言われ表情も変わってこられました。

 

10月15日に初診で、その後の頭痛の経過を書いておられます。連日の激しい頭痛でしたが、翌月には本当に頭痛回数が減っていました。

 

このケースは診察時にどうしようもないいらいらがあること、そのこれまでのストレスをお聞きすることで、患者さんの想いが癒され、同時に頭痛も癒されたのではないかと思いました。

 

この患者さんはこのまま何もせずに経過を見ていれば、ますます頭痛が強くなったことでしょう。いいようのないイライラを、人生の苦しみを徹底して聞いてあげることで、ストレスが一気に解消し、同時に頭痛も一気に改善しました。頭痛はこのように鬱屈したストレスの解放を求めて現れます。これも頭痛のガードレールとしての役割を果たしている一つの表れと言えるでしょう。

頭痛が横に逸れそうな人生を守る役割、すなわちガードレールとして存在することを感じさせる患者さんを報告します。

 

患者さん③ 31歳 男性 KN

 

昨年12月に当クリニック初めてこられた方です。2年前の28歳の時から頭痛が始まりました。当初は県外に病院にかかっておられ、デパケンを処方されていました。MRI検査もされ、異常はないと言われています。当クリニックへ来院する3ヶ月くらい前から毎日の頭痛となっていますが、それまでは週に1回くらいの頭痛でした。

来院時は肩こりも強く、まぶしさで頭痛が誘発されるとのことで、目を開けていることができず、閉じておられました。受け答えは問題なく普通にされるのですが、目をつぶったままのやりとりでした。さらに様々な音が耳ざわりで耳鳴りも強い状態でした。さらに自分の話す言葉がツンとくる、ということ、車の音が嫌、寝ると胸が苦しくなるなどの症状がありました。このように音と光に極めて過敏な状態でした。

一般に片頭痛の人は、眩しさによって頭痛がくるということはよく見られますが、この方は診察室でも目をつぶり、わたしと目を合わすことはなく、少し雰囲気も異様な感じがしていました。

 

28歳まで頭痛がなかった方が、頭痛を訴えるようになり、目を開けておれないという症状をともなった頭痛を訴え、音にも過敏となり、それにはきっと何か頭痛を発症させる誘引、原因があるはず、とお話を聞かせていただくようにしました。

 何かストレスとなるような出来事がありませんでしたか、頭痛はその出来事と深く関係することがあります、というと、頭痛が始まる前にかなりショックな出来事があったことをお話ししてくださいました。詳しくはおっしゃいませんでしたが、知人との争いで刃物で殺されそうになったこと、その方を許せないこと、今は思い出すと苦しいので、何事もなかったようにしていること、などを話してくれました。その後から頭痛が始まり、音光過敏となっています。

 

頭痛と事件のタイミングや、もともと頭痛はなかった方でもあり、おそらくこの出来事が誘引となって強い頭痛が生じたものと考えられました。そして頭痛は決してただ単に頭痛としてあるわけではないこと、そのような心の傷を負った出来事をそのまま放置してはいけないこと、この心の疼きが頭痛となって現れていること、などを話しました。

 

 この人の頭痛は頭痛分類の第5層の頭痛と言え、頭痛が人生に呼びかけています。

 今の状態を放置してはいけない、この状態を乗り越えろ、と頭痛が現れたのです。人とに関わり、今抱えている思い、これらを乗り越えて解消し、新たな人生を始めなさい、とのメッセージを携えて頭痛が現れたのです。もし頭痛がなければ、この状態を改善もせず、そのまな人生を送ろうとしたでしょう。

 

このように頭痛は、よりよい人生への導き手、ガードレールとしての役割を果たしているのです。

難治性頭痛が横に逸れそうな人生を守る役割をしている、ということをお話ししてきました。今回も一人の辛い頭痛に悩む方の人生について見てみたいと思います。

 

患者さん② 36歳 女性

小学生の頃からズキズキする頭痛がありました。担任の影響があり、担任が変わってから頭痛が改善しました。27歳で臨時教員をし、このころから締めるけるような頭痛が2日に1回あったようです。その後病院の事務職員として働き始めました。28歳で結婚。29歳から、立つ座るなどの動作で頭痛が悪化、また光や音に過敏でよく寝込んでいました。少しでも痛いとイブを服用しています。31歳で離婚。離婚後はイブを毎日服用し、このころから子供に手を挙げることがありました。33歳で再婚。職場のストレスが強く、日曜日はほとんど寝ている状態でした。近くの病院で予防薬を含めて投与され、頭痛の回数はある程度減った状態となりました。昨年8月には頭痛は弱いものも含めると毎日ある状態でした。昨年暮頃は、職場で人に何かを言われるとイライラして眠りが浅く、子どもに手をあげるなどあり。様々な安定剤なども使用しながらみています。現在は月に15回くらいの頭痛となっています。このような状態で私どものクリニックに紹介されました。これまであらゆる鎮痛薬、予防薬を処方されておられましたが、なかなか頭痛はよくならないという状況で紹介されたわけです。

 

頭痛が何を呼びかけているのか?

このような状態で、私は初めて診察させていただきました。もうすでにありとあらゆる薬が処方されているので、この方の人生をしっかりと把握し、頭痛との関連を見てゆきたいと思いました。

担任が変わったり、職場が変わったりすると頭痛が悪化していました。環境がその方の気持ちに大きく影響し、頭痛を誘発してきたことが伺われます。

この方の頭痛は、離婚や職場のストレス、子どもへのイライラなど、本当に辛い頭痛ですね。ストレスの増加と頭痛の悪化が結びついた状態です。大変でどうしようもないように思われますが、しかし道はあるものです。

私は、まずひたすら患者さんの言うことを聞かせていただきました。本当にこれまでの人生は大変だっただろう。その気持ちで聞かせていただいていると、患者さんがこれまでの人生を話しながら涙ぐまれました。そこで、一般に難治性頭痛の患者さんはしっかりされておられ、あるべき価値観を持っておられます。そこからはずれると怒りや責めの思いを持ちやすい傾向にあり、まずは第一歩として子どもさんに対して接するときに、おおらかに、大きな気持ちで接するように努力してゆくことが大切であると述べました。切羽詰まった暗い気持ちから、おおらかな気持ちになってゆくことが大切な事なのです。

今のままの人生ではいけないよ。きっと人生を変えることができるよ、という呼びかけが、頭痛として現れ、この方の人生を守ろうとしているのです。

頭痛は人生を守るガードレールなのです。

頭痛はガードレール

 

患者さん① 12歳 女性

2013年2月に、他県から高知県の当クリニックこられた小学6年生の女の子で、母親と一緒に来院されました。もともと頭痛はないのですが、前年の5月から突然頭痛が始まって連日の頭痛となり、今に至っているということでした。大学病院を始め、さまざまな病院を巡られ、薬を処方されましたが軽快せず、当クリニックに来院されました。

 

お話を詳しく伺ってゆくと、学校で担任の先生がいやで仕方がない、ということが浮かび上がってきました。子どもさんに席をはずしてもらって、お母さんに話を伺うと、母親も先生に対する不信感が強く、あと数ヶ月で小学校を卒業するのに転校を考えているということでした。

 

前年5月から突然頭痛が始まったことを考えれば、新学期になってこの先生に対する親子の否定的な感情が頭痛の原因になっていることが推測され、このことが頭痛の原因となっている可能性が高いとお母さんにお話ししました。

先生と直接話をすることもなく今に至っていることがわかり、一度先生と率直に十分に話をすることをすすめました。転校よりも残りの小学校生活を先生とのお話によって現在の状況を転換してゆくようにし、先生に対する子どもさんの感情が変わったら頭痛はよくなる可能性が高いことをお話ししました。そして子どもさんと一緒になって先生の悪口を言わないようにして、残りの学校生活を過ごしてゆきましょう、ということを話しました。

 

その後来院がなかったので、1ヶ月以上経ったころにどのような状況か、お電話で伺いましたところ、ちょうど卒業式が終わったところでした。転校はせずに、担任の先生と話をして、一旦は学校を休むようにしたということで、卒業式は参加したとのことでした。頭痛は以前よりだいぶ軽くなったということでした。

 

この患者さんの場合、連日の頭痛で、頭痛分類で言えば、高頻度グループ:第5層の頭痛です。頭痛が担任の先生との間に生じたストレスが原因と考えられたわけですが、この患者さんの場合、頭痛のガードレールとしての役割は何でしょうか?

 

頭痛が患者さんに投げかけた言葉

担任へのいやな感情をそのままにしておいてはいけないよ。 そのままではこれからの人生においても何回も同じことを繰り返すことになるよ。「この人が嫌だ」と言ってただ逃げるのではなく、嫌なことにもぶつかって、乗り越えてゆこうね。これからの人生でも大切なことだよ。
 
転校などの横道にそれていかないように、頭痛が人生を考えさせるようにガードレールの役割をして、女の子の人生を守ったのです。

 

「頭痛はガードレール・・・」

 

そう、回数の多い難治性の頭痛は

あなたの人生を守ってくれる「ガードレール」の役割を果たしていたのです。

 

ガードレールは、横へ逸れていこうとするときにぶつかることによって、崖から落ちてゆくのを防いでくれます。

ガードレールとぶつかる時に発生するのが頭痛!!

 

ストレスが強い時:今のままではダメだよ!

夫や子どもたちへの責めの気持ち:今のままではダメだよ!

同僚や上司、部下への責めの気持ち:今のままではダメだよ!

仕事場などで人間関係に悩まされているとき:今のままではダメだよ!

・・・・・・

 

頭痛という警告を発し、今のままじゃダメじゃない?と語りかけてくれている。

そしてあなた本来の人生、生き方「おおらかに、明るく、元気に」導こうとガードレールの役割を果たしている・・・

 

そんな頭痛の意味、真意というものが透けて見えてくるのです。

 

これまで述べてきたことは、とくに難治性頭痛においてその傾向が強いのです。


難治性とは、様々な治療をしても良くならない頭痛のことをいいます。つまり頭痛の6層分類の第5層、6層にあたる頭痛です。

何をしても治らない、ただひたすら薬を飲む。もう薬が効く効かないは関係ない段階。薬を飲んでいないと不安で仕方がない。飲んでも効かないのに、手放せない。薬を飲んだら安心できる。このような頭痛に悩んでおられる方が、実はかなり多いのです。また、頭痛が人生そのものとなっており、頭痛がない人生はどんなに素晴らしいだろう、と想像する。
 
このような頭痛に悩まれている方:すぐに頭痛がなくなるというわけにはゆきません。
でも、頭痛はただ単に偶然、頭痛としてあるわけではないことを思い出してください。
頭痛の深層に掘り進んでゆきましょう。なぜこんな辛い頭痛が私にある?

頭痛があなたに呼びかけている、その頭痛の声を聞く時間を持ちましょう。

「頭痛はガードレール・・・」

頭痛にはこんな意味があった!

 

 

 

さて、頭痛回数の多い人には、精神的に、あるいは気持ちの持ち方の上で、ある一定の傾向があることを述べてきました。「ぼーとして、のほほんとしている人」に、頭痛に悩む人はいません。しっかりと気持ちが張って、びしっと生きている人に多いのです。長年、頭痛外来で頭痛の患者さんをたくさん見てきた者にとって、これは間違いのない事実と言えます。しかし過剰な緊張が逆に頭痛を生む可能性があることを述べてきました。つまりここに治療の可能性の一つが見出せます。つまり「頭痛をこれまでの生き方に対する警告として捉え」自分の生き方、習慣、心の傾向を振り返り、見直してみるよすがとする、ということなのです。

誰もが経験するありふれた症状である頭痛に、かくされた大きな意味を見いだすことができるのです。次に具体的にそのあり方を見てゆきましょう。

以上、述べてきたように、回数が多い頭痛に悩む方には、心にある一つの傾向があることを知っていただきました。そしてそのポイントは、一言で言うと「頭痛人は一般に精神が緩んでいない、張っている」ことが多いということです。ギターやバイオリンの弦に例えると、ピンと張っている。ですから音色は綺麗で、だらしない音は決して出しません。これが頭痛人なのです。このことは、人間として大切で素晴らしい資質です。ですから社会の発展においてはなくてはならない存在であると言えます。一方で自分の能力を出しすぎることによって、弦が張りすぎることがあるわけです。弦は張りすぎると切れますよね。つまり頭痛は弦が張りすぎていることへの警告」であると捉えることができます。

 

このように頭痛を捉えてゆくことによって、頭痛治療に新たな道が開けてきます。では具体的には日常どう対処し、どう考えて日々を送ればいいのでしょうか?

頭痛の多い方は何事もてきぱきとよくできる人がほとんどであることを述べ、だからこそ陥りやすい傾向があることをお話ししました。

そして、気持ちが強く外に向かう場合、前回述べましたように「他者への責め」という言葉に代表されることが多いことです。一方で同時に、気持ちが外に向かわずに、内に向かう場合があります。その場合はどのような傾向を取るのでしょうか。ストレスがあった場合に「逃げ」の気持ちに入ることになります。

「あーいやだ」「もうこんな会社に行きたくない」「毎日が憂鬱」というように消極的な気持ちに冒されて、毎日が暗い気持ちになるということが起こります。いわば「自己逃避」ですね。本来は強い方ですが、このように逃避の傾向が強く出た場合、外に向いたり、内に向いたりと、両方の気持ちが混ざって、複雑な状況を起こします。

 

いずれにしろ、外側のさまざまな環境を「苦」として受け取りやすく、「責め」や「逃避」という気持ちと行為になりやすいということです。

このように頭痛の回数が多い方は、真面目でしっかりものの人たちですが、しかし一方、その裏返しで「こうあるべき」価値観の強い方が多いのです。

これらの傾向は長年の頭痛外来の経験から導き出されたものです。

 

では、頭痛の回数の多い方々のこれらの特徴は一体何を意味しているのでしょうか?

これらの傾向を基に頭痛の治療や、頭痛が存在する意味について考えてゆきましょう。