こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。

 

台風が去ったかと思えば、また次の台風と、その合間を生きているような気持になります。

3年に一度の瀬戸芸なので、晴れの日が多くなると良いですね。

 

さて、瀬戸内国際芸術2019の秋会期も残り2週間ほどとなりました。

なるべく瀬戸芸に行ったことは早めに仕上げて掲載しようと、帰宅直後から懸命に書いています。なるべく行き方や船に乗った話なんかは控え目にして、作品そのものを多めにと思いますが、なかなか「書いていくリズム」のようなものがあって、読み返してみると、やはりこれが足りない、あれが足りない、なんて思うことが多めです。

しかし、ぶつぶつ思っていても前に進まないので、もし瀬戸芸秋会期から会場の一つとなった高見島の作品や、高見島の様子について、もしご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。

 

 

週末の高見島

さて、週末の瀬戸芸、本当は二日続けて行きたかったのですが、天気がよくないのと、少しお疲れ気味なこともあって、一日のみに変更しました。奥さんのお休みにあわせて、今回は高見島へ2人で行きました。子どもにも「来る?」と誘ったのですが、お友達と遊ぶから、というのでお弁当を作ってお留守番に。
二人で高見島行きのフェリーが出る多度津港へ出発です。
あ、そうそう、高見島ですが、読み方は「たかみじま」です。他のサイトを見ていると、「たかみしま」と「しま」と濁らないで発音しているところもあるようですが、多度津町にお尋ねしたところ「たかみじま」が正しいとのことでした。
そして、「多度津」はそのまま「たどつ」です。
 
さて高見島の場所ですが、ご興味がおありでしたら、詳しくは2016年の瀬戸芸高見島をご覧ください。
高松から多度津港までは、車で約1時間。平日は多度津港周辺に車を停められますが、土日祝日の臨時駐車場は、場所が前回2016年から変わっていました。
 
 
海岸に停めていたけれど、今度は多度津の街の中へ入るような感じになるので、なかなか慣れていないと大変かもしれません。
慌てずにゆっくり行ってください。シルバー人材センターが臨時駐車場になっていまして、無料送迎のシャトルバスもありました。
帰りに撮った写真ですが、こんな感じです。
 
多度津港瀬戸芸の土日祝臨時駐車場とシャトルバス(2019年10月)
 
案内所で聞いたら、「台風の後の日800人来たけれど、収容できた」というので、大丈夫そうです。シャトルバスに乗っていたら、多度津駅で降りる方がたくさんいました。西の島々を一日で2つ、3つまわろうと思えば、電車でないと難しいものね。
 
さて、多度津港に着き、船に乗るところからまた話を進めましょう。
 
 
僕が乗ったフェリーは11時の便でしたが、港には長い列が出来ていました。帰りには臨時便も出ていたけれど、積み残しが出るような感じではありませんでした。しかし、券売り場前の自販機では、「水」と「お茶」のペットボトルは売り切れでした。
高見島には自販機がないので、ペットボトルの水やお茶が要る方は、先にコンビニなどで調達されることをお勧めいたします。
フェリー代は往復で950円でした。
 
 
伊吹島のように、激しくはないけれど、きちんと見送りしますよ!という雰囲気です。伊吹には伊吹の良さが、多度津には多度津の、しみじみとした良さがありますね。
 
 
桃陵公園を見ながら、あっという間に港からフェリーは離れていきます。船内、毎回同じになりますが、こんな感じです。
 
 
 
二階に屋外デッキがあって、ここには秋の海風が気持ちよく吹いていましたので、船酔いが心配な方はそちらをお勧めします。
 
 
約25分で高見島に到着です。
 
 
張り切って早めに前に来てしまいまして、本来はお客さんの賑わいぶりなんかを表現できる下船時が「海の男」的な画像となってしまいました。まあ、フェリーらしいと言えばフェリーらしいです。

高見島「海のテラス」

僕が一人で行っているのであれば、おにぎりなんかを買って持って行くのですが、奥さんが一緒なので、お昼の心配をしなければいけません。瀬戸芸の作品を観に来ているのか、お昼ご飯を楽しみに来ているのか(たぶん後者)、よくわかりませんが、とにかく高見島ではお昼御飯です。
 
 
ふうふう言いながら、坂を上っていきます。今回はこの先あまり島の坂や路地なんかは載せていないけれど、高見島では全てこんな感じの路地が続いています。
 
 
わかり難いようで、作品のある場所はまとまっているので、わかりやすいです。
 
奥まったところにありました、海のテラス。
 
海のテラス 野村正人
 
最初は少し列になっているかと思っていましたが、すんなり入ることができました。しかし、一つの立て札がありまして、「料理指導の方がガイドとは違います」とのこと。あらら、中野さんのお料理かと思っていましたが、何か事情があって、変わったみたいです。中野さんのイタリアン、少し楽しみにしていたので、やや残念なところです。
 
 
 
ボロネーゼとバジルのパスタにしました。
それぞれ税込1300円で、アイスコーヒー(300円)をつけました。ここではPayPayが使えました。14時くらいに再度この辺りに来たのですが、ビールと白ワイン以外は売り切れることなく料理の提供がされていました。
高見島でお昼ご飯の心配をしなくてもよくなった、ということはありがたいことです。
綺麗な景色と、吹き抜ける風に食事、それだけあればもういいんじゃないかと思えるような場所でした。
 

過日の同居、除虫菊の家、家の"メメント・モリ"

さて、お昼ご飯も食べたところで、近くのところから作品を観ていきたいと思います。
結構この日は混みあっていたため、奥さんは「効率よく空いているところからまわりたい、そして上りがすくなく…」なんて言っているので、その意見は却下して、見かけたところから巡りました。大体皆さん同じフェリーで来て、同じ時間を島で過ごすのだから、同じ時間に作品を観ていくことになるのです。作品がまとまっている場所ほど、このことは色濃くて、ほぼ同じメンバーで中に入って、出て行きますので、どうぞ効率的に、なんて思わず、のんびり行ってください。
 
 
高見島の作品のほとんどが、古い家屋を再利用したものでした。
 
 
過日の同居 藤野裕美子
 
おお、きれいだね、と思わず声を上げてしまうような、色とりどりで光の差し方もよい作品でした。
 
 
 
続いては、少し山の上に歩いて行きます。
 
 
高見島は映画「男はつらいよ 寅次郎の縁談(第46作平成5年12月)」のロケ地の一つになっていて、またここに来たら寅さんがひょこっと座っているのではないか、そんな趣ある石階段です。
歩いていたら、子どもの声で「ヤッホー!」だって。
 
 
受付のところで、少し係の方とお話しします。
 
「中は少し変えたのですか?」
「ええ、1階と、上のところともに変わっていますよ」
 
何だかよくわからないけれど、ここに来ると少し話をしたくなるのですが、除虫菊のせいでしょうか。
 
除虫菊の家/静かに過ぎてゆく 除虫菊の家/はなのこえ・こころのいろ 
内田晴之 小枝繁昭 高見島プロジェクト
 
字数の関係でコラージュにしてしまいましたが、どれもとても華やかで、インパクトのある展示でした。
 
 
二階に上がるには、スリッパをはいて上がらなければなりませんが、なかなか混みあっていました。
 
 
下に降りる際に「お茶のお接待」をしてくれていて、そこでも少しお話をしました。
振り返ると、前回展示されていた写真のパネルが飾ってありました。
この畑でもう栽培するのはやめてしまったのだとか。
これが最後の貴重な一枚になっているそうです。
 
 
外には潜水服が展示してありました。
タイラギなんかの貝類を、海に潜って捕るのに用いる潜水服だそうです。
とても重くて頑丈ですが、これを被って海に入るというのは、やはりすごいなあと思います。
下のお家の方が潜水漁をされていて、そちらの方からお借りしたものだそうです。
 
 
まあ、誰が何を思い出しても構わないのですが、僕が思い出したのはこのアルバムのジャケットでしたが、
 

 

決してこれを被ってコーヒーを飲めることはないかなあということが、とてもよくわかりました。

 

その場所から、少し横に移動するように歩いて行くと、路地には少し列が出来ていました。

 

 

並んでる。そうか、並ぶのか、週末は、と言う感じですが、およそ30分並びました。

 

家の"メメント・モリ" ロサナ・リオス

 

 
入って行くと、ブラックライトなのか、綺麗な文様が浮かび上がっています。
そして、この瀬戸芸一番の(!)狭くて急な階段を上ります。
 
 
おお、こちらも明るい中に、細々とした模様が浮かび上がって、とても幻想的な作品になっています。
 
 
この後にもいくつか並んで観た作品がありましたが、好みから言うと、僕はここでは並んでよかったと思います。
急な階段が怖くなければ、是非並んで観に行ってください。

うつりかわりの家、KIRI、内在するモノたちへ、

さて、徐々にここから下って行きます。
前回も観ましたが、写真でその光を表現するのがとても難しい作品です。
 
うつりかわりの家 中島伽耶子
 
 
続いては、先ほどの海のテラスに戻ります。
驚くほど長蛇の列が出来ていまして、この日最大の約50分待ちでした。
いや、瀬戸芸でこんなに並んだのは、はじめてだったのかもしれません。
 
 
KIRI 梶井照陰
 
人気がある作品なのかどうかは知りませんが、映像作品なので10人くらいずつ交代で入っていました。
特に制限時間があるわけではないので、最初から終わりまで、皆さん黙々と見ておられました。
なるほど、見始めたらずっと見たくなる気持ちもわかります。
 
続いては港に少し戻る道の途中にありました。
若い作家の方も現場にいらっしゃっていて、解説のパウチを渡してくれていました。
あんまりその作品の前に作家の姿を拝見することはないので、ご本人がいるとまた見方が変わりますね。
 
 
係の方が「扉を開けて見るところから作品ですので、前の回の方が退出する時には後ろを見てください」というので、そうします。
 
 
石がたくさんある作品なので、子どもさんは石を拾って投げないように、などの注意がありました。
 
内在するモノたちへ、
山田愛
 
高見島の作品は、古い家屋の中、光の少ないものが多かったですが、こちらも同じように暗めですので、足元のご注意ください。
 
 
 
少し鑑賞の時間が足りなかったですが、迫力があって、力強さを感じる作品でよかったです。

まなうらの景色、keep a record、時のふる家

結構たくさんの作品を次々に見ていくで、徐々に疲れてきますが、もう一息頑張ります。
 
まなうらの景色 村田のぞみ
 
いやあ、これは列なんかは出来ていなかったのですが、後々からジワジワとすごかったなあと思う作品です。
細かいあれは何だったのだろう、どうやって作ったのだろう、という雰囲気が漂っていました。
 
 
ステンレス線というものらしいのですが、蜘蛛の巣のようにも見えるし、銀河や自分たちの細胞なんかにも見えてきまして、もっと時間をかけてゆっくりしてもよかったです。
 
ちょうど上下の家に連なるようにして次の作品がありました。
 
keep a record 大石いずみ
 
 
昔の風景を描いた作品のようです。
 
 
華やかだったり、迫るような作品だったりと、こうした少し情景を思い浮かべるような作品が混じりあっていて、なかなか見応えがあります。
この作品で、山手のエリアは全て見終わりましたが、時間は15:20。
多度津行きの臨時便が一本出ると言っていました。僕は17時台の便でもよかったのですが、奥さんは15:50で帰ると譲らないので、最後はやや駆け足で港に戻ります。余裕をもって来たつもりでしたが、週末は結構並ぶ作品も多かったので、時間が必要ですね。
 
前回も観た後、とてもよかった時のふる家。
時のふる家 中島伽耶子
 
先ほどの「うつりかわりの家」と合わせて、高見島のシンボル的な作品になっていますね。高見島の古民家に、3年間変わらず光が注いでいたのだと思うと、少し作品の印象も変わってきます。他の方が入口手前で立ち止まっておられたので、中に入っても大丈夫ですよ、と一緒に作品の傍に行きました。僅かな光で、暗いのでどうぞお気をつけて。

Long time no see、積みかさなる白と空白

最後の屋外作品は、西側の浜の方へ向かいます。
 
Long time no see PARANOID ANDERSONS
 
家屋の中にあったものを再構成しているというので、前に観た船「錆色の旅」を思い出しました。
 
 
 
途中の道沿いで、海産物を焼く良い匂いがしていまして、その通り沿いに同じ作家の作品がありました。
 
 
さて、港に着くと、ちょうどフェリーの列が出来はじめていまして、奥さんは並ぶと言って向こうに行ってしまいました。僕は最後に何とか作品だけは観る、という気持ちです。
 
積みかさなる白と空白 鎌田祥平・並木文音
 
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港にあるし、結構大きく目立つ建物なので、高見港の目印になっていけばよいなあと思います。高松、土庄、男木など、一つでも港にシンボリックな作品や建物があると、瀬戸芸のイメージを共有できますよね。高見には、あの白いのがある、という感じで。
 
何とか船に乗り込み、島からフェリーが離れていきます。
 
 
男の方が大きく手を振って見送ってくれました。
そうか、今年の瀬戸芸で、この風景を目にするのもあと何回かだなあ、と少ししんみりしてしまいました。
 
 
 
多度津港に到着です。
高松から来た僕らでも、やはり日常とは何か違う感覚を持って帰路につくので、他県から来た方はもっとだろうなあと思います。
男木と同じく作品が多めで、全て観るとなると時間がかかりますが、坂を除けばこちらもコンパクトにまわって行くことができます。
美しいもの、華やかなものに加えて、驚きや迫力のあるもの、懐かしさを感じるものなど、高見島の瀬戸芸はいろんな良さが揃った作品群でした。
繰り返しになりますが、暗い中に入ることと、靴を脱いで鑑賞する作品が多かったので、その点だけ注意してください。
どうぞ皆さんの瀬戸芸が、心に残るものになりますように。
 
それでは、今日はこの辺で。
 
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
 

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