こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。
台風の影響で、各地で大きな被害がでています。
被災された方に心よりお見舞い申し上げます。
少し秋らしい晴天が続いていましたが、再び曇り空になりました。
これから再び雨が降るというので、また心配なところです。
さて、3年に一度瀬戸内海の島々を中心に開催されている瀬戸内国際芸術祭2019のことを書いています。
その会場の一つ、大島で開催されている瀬戸芸に関しては、何となくブログなどで書くのは難しいなあと思います。
しかし、同じ高松市で開催されているのだし、大島へ行く機会には芸術祭以外ではなかなか恵まれないということもあるので、是非行って書いてみたい、という気持ちもあります。
そんな中、今回は子どもも一緒に(というかそういう企画で)、大島の瀬戸芸を観ることができました。
高松市庵治町の大島への行き方や、展示されている瀬戸芸の作品なんかに、もしご興味がおありでしたら、どうぞお読みください。
大島へは官用船で
大島で僕がまず思い出すのは、2016年に小さな船で行った際のことです。
高松と大島を結ぶ官用船にて一般の観光客が往来するのはいけないということになり(いろんな背景があったようですが)、小さなプレジャーボートに乗っていきました。
それはそれで、なかなか思い出に残ることだったのですが、2019年の春からは一般の方も官用船に乗って往来ができるようになりました。
今回は他の方が団体で申し込みをしてくれていたので、そのまま港へ行きますが、もしかしたら、個人で大島へ行く際には、最初に案内所へ行って確かめた方がよいのかもしれません。
女木・男木へ行く「めおん」の船着場のすぐ横の桟橋です。
左に見えるのが、大島行の船「せいしょう」です。
少し来てみて驚いたのですが、急に季節が進んだのか、この場所に吹く風が冷たくなっていました。
もう半袖は無理で、上着を着ていないと寒いです。(しかし、あとで陽が出たら暑くなった)
時間が来たので乗りますが、官用船は無料なので、料金は要りません。
入っていくと、中はお客さんでいっぱいです。
しばらく座っていたので、みるみる子どもの顔色が変わり、ぐったりしてしまったので、いつものめがねをかけ、風の当たるデッキへでました。
【国内正規品】乗り物酔い止め 眼鏡 果物の香り 乗り物酔い対策 車酔い止め メガネ 不変性 持ち運びやすい 安全 使用簡単 小型 軽量 車酔い止め メガネ
<スポンサードリンク>
個人差はあると思いますが、乗り物酔いをしそうだ、酔った、と言う時には藁にもすがる思いになりますよね。
元気にはならなかったけれど、やはりこれをかけることで、ひどくはなりませんでした。
現在再びというか三度というか、ドラクエを子どもとしていまして、お互いに知っている呪文やとくぎなどを言いながら25分間を過ごしました。
僕は船酔いしないので、景色を写真に撮ったり、動画を撮ったりしますが、少し風のある日には船酔いする方はご注意ください。
2人で巡るリングワンデルング
午前中は島内の施設見学と入所者の方の講話がありました。
僕も何度か大島に来ていますが、実際に入所者の方からお話を聞く機会ははじめてだったので、とても印象に残りました。
どういう経緯で島に来たのか、島での生活はどんなものなのか、戦中や戦後の状況など、大島の歴史を詳しくお話されていました。
子どもたちには学習の場があるけれど、なかなか大人向けの機会は限られているので、お聞き出来て本当によかったです。
風の舞をはじめとする大島の施設見学ガイドツアーについては、2016年の記事に詳しくまとめていますので、そちらを参考になさってください。
大島を巡る際の注意点が公式サイトにもありましたので、掲載しておきます。
こえび隊の大島案内
- [ルート] 社会交流会館→納骨堂→歴史的建造物保存対象施設→アートエリア
- ・会期中毎日実施します(荒天時中止)。
- ・参加される方は、社会交流会館入口付近にツアー開始時刻5分前までにお集まりください。
- 1回目 10:00-10:30
- 2回目 12:00-12:30
- 3回目 14:40-15:10
その他
- 2019年10月17日・20日・24日は休島日です。
- 大島は大部分が療養所になっています。案内版等を確認して入所者の生活区域に入らないようご注意ください。
- 高松行きの最終便は大変混雑が予想されますので、余裕を持った行動をお願いします。
- 自転車の持ち込みはご遠慮ください。
- 大島青松園内は禁煙です。
- 砂浜や堤防などでの釣りはご遠慮ください。
午後になると、雲がなくなり、強い日差しが出ていました。
蝉が泣き出すようなこともあり、朝と昼、晴れと曇りの気温差が激しいなあと感じます。
島の北側に向かう道沿いですが、桜並木が続いていました。
春にはきれいに咲くということですが、その時期イノシシが下を掘ってしまうそうです。
この先が新しい作品になっているとのこと。
20分ほどのゆるやかな登山道とあります。
どうする?と子どもに聞くと「行ってもいいよ」というので、行くことにしました。
行った後なので言いますが、結構急な坂もあったのでシューズでないと危ないです。
また虫(蜘蛛、蜂、蚊)がたくさんなので、長袖、帽子が要ります。
入山届けに名前や連絡先を書いて、中へ入って行きます。
「旧相愛之道」という石碑がありました。
今回他の場所にも設置されていましたが、「大島青松園の史跡めぐり」という案内板が建てられていました。
前回はなかったよな、と思っていましたが、この内容に「2017年」のことが書いてあるので、2017年以降に出来たもののようです。
全部は撮れなかったのですが、こうしたものがあるとそれぞれの場所の解説が読めるので、僕はとてもよかったと思います。
さて、登山道に戻ります。
少しぶれているのですが、それが大事なところでして、ちょうどカメラを構えると、蚊が手の甲にとまりました。
「ぷーん」という羽音がわかったので、シャッターを押して払おうとしたところ、というのが上の写真です。
そして上の方なんて見上げてはいけません、蜘蛛の巣だらけ。
しかし、少し上に登ったところで、島の南側が見渡せる場所がありました。
左の突き出た形は八栗さんで、真ん中右寄りは屋島です。
南北を山で囲まれた地形を見ながら、ここに立った方はかつてどんな思いで向こうを見ただろうか、と考えました。
僕とはまた違う発想を持つ子どもは、この道を歩きながら、ドラクエの世界にいるみたいだね、なんて言っています。
ムムム、確かに言われてみればそのとおり、と思っていたら、地図が出てきました。
すごいね、世界観がすごいね、と言いながら、歩いて巡っていきます。
気をつけてね、なんて言っておきながら、自分が滑ってバランスを崩した坂道です。
滑りやすいので、ご注意ください。
「東の遠吠え」と呼ばれる場所です。
小豆島や大串半島の方面が見えていました。
元のルートに戻り歩き続けますと、前方に何か大きなテントのようなものが見えました。
「何かある」
「本当だ、何かある」
もしかしたら魔物に出会った主人公たちが最初に言葉にするのは、こんな声じゃないか、という感じでしたが、大きなオブジェがありました。
リングワンデルング 鴻池朋子
昭和8年の山の散歩道を復活
タイトルは悪天候で方向を見失い、無意識に円を描くように歩くことをいう登山用語。昭和8年青松園青年団によって北の山につくられた全長1.5kmの周路。長い間閉ざされていたその旧道を順次復活していく。
なるほど、昔の散歩道を復活させる作品だったのですね。
これは大きくて、なかなか良くできています。
子どもと一緒に行ったから、ということもあるけれど、島の雰囲気や森の中の気配、その背景など、ああ瀬戸芸ならではの作品だなあと感心します。
これ、青白く光るアイテムみたいだね、なんて言いながら「何だろう、これ、何だろう、不思議だね」という感じ。
こうした案内板がずっとあるので、一つずつ読みながら進みます。
島の歴史や入所者の方の声を、静かな森で聞くような雰囲気です。
男木島、先日行った「歩く方舟」が小さく見えました。
そうか、その時には気が付かなかったのですが、この時に大島のリングワンデルングを見ていたのですね。
男木、女木、庵治、屋島、それぞれに行ってみることで、気がつくことも多いのも瀬戸芸のよいところです。
その先には竹藪があり、そこにも何かがありました。
もしかしたら、他にもいろいろ展示してあって、気が付かなかったものもあるのかもしれません。
そして、地上へ。
山道をまわっていて、一つ驚いたことがあるのですが、子どもの歩くスピードが僕とほとんど同じくらいになっていました。
僕は歩くのは早い方なので、奥さんとまわる時には「はやい、もっとゆっくりで!」と言われるのですが、子どもはそんなことは言いませんでした。
3年前の瀬戸芸では、まだ手を引いて歩いていたのですが、もうそんな心配は要らないようで、そのうちすごいスピードで追い越していくのでは、と思うほど。
嬉しいところもある反面、少し寂しいところでもありますが、3年ごとに成長を実感できるのも、瀬戸芸のよいところの一つかもしれません。
是非大島へ行かれるのであれば、リングワンデルングはとてもお勧めです。
坂があって、虫がいて、森の中ですが、ここでしか体験できない何かがありますよ。
青空水族館、やさしい美術プロジェクト
さて、山道を下り、作品の展示が集まっているエリアへ向かいます。
青空水族館 田島征三
「泣く人魚」ですが、前回は気のせいかと思っていた「カタン」というビー玉が落ちてくるような音がしたので、二人で少し驚いていました。
この辺りの展示は同じだと思いますが、今回は子どもがいるので、オブジェを動かしてもらいました。
この奥を抜けた通路にピンクの部屋があります。
続いて森の小径です。
今回とてもよかったのは、森の小径の木々が大きく成長していたところです。
森の小径 田島征三
2016年9月撮影
見比べると、以前はそうでもなかった木々が、一つの森になり始めているような印象を受けました。
何かが変化している様子を直接見られてよかったです。
次も田島さんの作品なのですが、結構刺激的な作品となっていまして、誰もいない部屋で観るのは少し怖かったです。
「Nさんの人生・大島七十年」-木製便器の部屋- 田島征三
子どもは大丈夫かな、と思ったけれど、全く平気な様でした。
美しい作品もあれば、直接的なメッセージに胸を突かれるような気持ちになる作品もありますね。
稀有の触手 やさしい美術プロジェクト
全面が青の部屋に、写真のパネルが飾ってありました。
写真や動画を撮ってよいかわからなかったので、何となく雰囲気だけの画像にしておきます。
{つながりの家}GALLERY15「海のこだま」 やさしい美術プロジェクト
こちらの船のオブジェも、前回見たような気がします。
一番奥に新しい作品が展示してありました。
海峡の歌/Strait Songs 山川冬樹
大島から庵治まで2kmほどを泳いで渡ってみた様子が映像として流れています。
また子どもたちの声が流れてきました。
ちょうど車いすに乗って入所者の方が観に来られていました。
一番奥の部屋には映像の作品がありました。
しばらく見ていたいところでしたが、時間が迫っているので、ここからは駆け足で観ていきました。
ニュースなどで大島に交流会館ができたということは知っていましたが、中に入るにははじめてでした。
大島の歴史をパネルやジオラマなどを使って紹介するコーナーに加え、カフェ・シヨルもこちらに入っていました。
(この日はカフェはお休みでした。)
{つながりの家}カフェ・シヨル やさしい美術プロジェクト
本当はこの奥に「物語るテーブルランナー in 大島青松園」という作品が展示してあったのですが、ぎりぎりの時間になってしまい、写真もこの一枚のみとなってしまいました。
最後は島の南側、今は休校となっている庵治第二小学校の体育館の作品です。
もうほとんど集合までの時間がなかったけれど、僕はどうしても行ってみたかったところです。
作品が、というよりは、庵治第二小学校に行ってみたかったのです。
不定期ですが、時折かがわでは大島を扱ったテレビドキュメンタリーが放送されています。
子どもが入り、学校が再開した様子、入所者との関わりあう様子や、最後の子どもが卒業して島を離れる内容を見ました。
その様子がとても印象に残っていて、いつか訪れてみたいと思っていました。
歩くこと約10分。(ほとんど小走り)
ここです、ここ、テレビの中で見たことがあります。
大切な貨物 クリスティアン・バスティアンス
中は映像作品なので、撮影はNGでした。
暗い中なので、子どもは少し怖がっていました。
もしかしたら、僕だけであれば船の時間をずらして全て見たかもしれません。
11月にイベントがあるようなので、どんな感じになるのか、楽しみですね。
日中あんなに晴れていた空が、再び雲に覆われてしまいました。
駆け足で集合場所に戻り、船で高松に戻ります。
もしよろしければチャンネル登録してください
もしかしたら、子どもは船に少し酔ったことや、ドラクエに似た森の中を歩いたことなんかが一番印象に残っているのかもしれません。
しかし、見聞きしたこと、体験したことは、何となく頭の片隅に残り続けるものだから、ふと大人になって瀬戸芸のことを思い出す機会があったら、是非今回の大島のことも思い出してほしいなあと思います。
さて、今回の瀬戸芸で行けていない会場は5か所。間に合うだろうか、とも思いますが、この後も出来る限り行ってみたいと思います。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただきありがとうございます。