あけましておめでとうございます。

ハイ・パイン・サンキュー!です。
今年もとなりのかがわさんをどうぞよろしくおねがいいたします。

 

2019年は年末の寒さが幾分和らぎ、かがわは暖かく穏やかな雰囲気のお正月でした。

暖冬かもしれないね、と会う方とお話していましたが、そんな言い方がぴったりの新春です。

 

さて、概ねとなりのかがわさんは1月から3月にかけて、あまり書くことがなくなります。

もちろん書くことがなかったら、書かなければよいことなのだけれど、今年は何とかこの時期にもかがわの楽しいこと、変わったことなんかを見つけ、細々と書いていきたいと思います。

春からは瀬戸芸が始まるので(何と4月末の連休から!)、秋口まではそんな感じの記事を、そしてまた食べ物や郷土料理なんかもたまに記事にしていきたいです。

 

さて、いくつか書きたいことが残っている中で、どうしても先に書いておかないと行けないのは旅の記録です。

ふと気がつくと季節が過ぎてしまって、季節感がなくなってしまいますので、出来るだけ早めに書いておかねばなりません。

お正月の食べ物(お蕎麦にうどんにあん餅雑煮など)のことなんかも候補にあったのだけれど、お出かけの記事だけは順番に書いておきたいと思います。

 

今年の年始は忙しい、ということなので年末に少し旅行に行きました。

本当は最初東海の方へ行ってみる予定だったのですが、計画していたら、これは春先でも、ということになって、今回は九州の大分別府へ行くことにしました。

僕は一度八幡浜のフェリーに乗りたくて、奥さんは温泉、子どもはハーモニーランド(ややこじつけですが…)と、三人の行きたいところがそれぞれあったので、行くことにしました。

特に航路やフェリーにも詳しいわけではないのですが、高松から出発して宇和島運輸フェリーの八幡浜から別府に行く航路のこと、乗船した「えひめ」のことなんかに、もしご興味がありましたら、どうぞお読みください。

 

四国・高松から九州へ

皆さんは船に乗ることがありますか?
僕は子どもの頃、生まれ育った場所には船はありませんでしたが、橋がつながる前の芸予諸島に夏冬帰省していまして、その旅に船に乗りました。
あまり、というかほとんど船酔いしないので、子どもの頃はワクワクしながらフェリーや高速船に乗っていました。
やがて大人になって、四国に来てからは仕事や旅行では飛行機や新幹線に乗ることが多かったのですが、割と最近になってから、やっぱり四国にいるからには船に乗ってみたいなあと思うようになりました。
子どもも少し大きくなったこともあって、車で5、6時間位ならお出かけできるようになったこともフェリーにのるきっかけでもあります。
早速地図を広げてみますね。(もう行った後なのに、どうやって行こうか、というこの件はとても好きです。)
 
 
随分昔には、阪神から高松を経由して別府に行く船があったそうで、そういえば僕もそんな話を聞いたことがありますが、今は全くそんな航路はありません。
僕は何度か九州を訪れたことがありますが、いずれも目的地は福岡でした。
昔は高松空港から福岡空港までの便がありましたが、その後廃止され、バスや岡山経由の新幹線が主流のようです。
しかし、別府となると、ちょっと南東へ戻るような感じになるため、隣の愛媛県からフェリーの方が直線的でスイッと行けるような気持ちになりませんか。僕はなります。
もちろん車の運転がお好きな方は、ぐるりと瀬戸大橋、広島や山口、関門海峡を渡って行くのもよいのでしょうけれど、僕は海を船で渡ってみたいです。
時間と料金を計算したら、時間はそんなに変わらず、料金はフェリーの方が少し割高になるようでした。
奥さんと子どもに相談したら、車の中でいるよりかは、フェリーがよい、というのでフェリーに決定!
さらに、そのまま目的地の別府に着くのは八幡浜港からのフェリーだけだよ、と伝え、八幡浜から別府の航路に乗ることになりました。
もちろん四国の最西端・三崎港から九州・佐賀関の九四国道フェリーのルートも安くて早くて便が多く、とても良いのだけれど、これに僕は一度乗ったことがあるし、乗船時間も短いので、今回は宇和島運輸フェリーに乗って見ることにしました。
 
いろいろ調べてみると、何やら割安なパック料金などが発売されていて、結構複雑な「フェリーと一緒に申し込むと割引がありますよ」という料金体系になっていました。
あんまり調べすぎると嫌になるので、今回は行くことが決まっている「ハーモニーパック」にしました。
今回は宿とは組み合わせられなかったので、行き先によっていろいろ考えてみてください。(何時間もかかるけれど…)
 
ハーモニーパックですが、前日までの予約が必要で、事前に電話で申し込みをしなければいけません。
電話、とてもフェリーは好きなのですが、他の交通機関で電話などは使ったことがありません…。
もう平成が終わろうとしているのですが、昭和の頃と特に変わりはないようで、電話して希望の日時を伝えると、予約番号を教えてくれました。
そして、「混む時期なので40分前に港に来てください、あとどこから来ますか、わかっていたら自動車の長さ、ナンバーを教えてください」ということでした。
電話すると、もちろん人間と会話するから情報量は多いのだけれど、普通は自分の車の長さとかナンバーとかスラスラ言えない気がします。
僕ははじめてだけれど何となく聞かれることを予想して車検証持ってたけれど、普通はそんなものは自宅で電話する際には持っていません。
WEBサイトはあるのだけれど、申込や予約のフォームがないのはとても不便です。
そして、最後にフェリーのお約束「パックの場合クレジットカードは使えませんので、現金をご用意ください」だそうです。
僕が40年も前に乗っていた船の感じそのまんま。
もちろん、高齢の方など、それが良いという方もおられるのでしょうけれど、車を運転して四国と九州を車で往来するほとんどの方が、そうとは思えませんので、この辺はそろそろフェリー業界全体で変えていくところじゃないでしょうかね。
 
10:15に出航する船を選んだので、40分前の9:35に八幡浜港に着いていなければなりません。なので高松を6:30に出発。
まだ高松は暗かったですが、ラッシュの前だったので順調に走ります。
道に慣れている、というところも大事な点で、高松から松山方面は走りやすいです。
 
 
まあ、別に休んでも休まなくても良いのだけれど、伊予灘SAで、一度休憩します。
 
 
松山市内とその向こうに広がる伊予灘が見えました。
 
 
さすが俳句の街、子規の句が設置されていました。
 
正月や 橙投げる 屋敷町
 
ちょうど今くらいの時期の句ですね。
 
ここから八幡浜港までは対面通行の道が続きます。大洲道路という区間があって、大洲南という出口で一般道へ出ました。
結構ここからまた一つ山を越える感じがあったので、最終的にはぎりぎりで9:35に到着。
 
 
何となく看板も出ているから、それに従って走ると行けましたが、結局前後の車も全部フェリーに乗る車でした。
フェリーに乗る為の道路、と言う感じになっているのでしょうね。慌てず、どうぞお時間に余裕を持って行ってください。
 
 
港に着くと係の方がいて、「別府ですか、予約してますか、何番に停めて、車検証とお金を持って乗船券を買ってください」と言われますので、その通りにします。

八幡浜港フェリーターミナル

 
八幡浜港
 
僕はここで、とても大事なことを知りました。「八幡浜」と書いて「やたはま」と読むようです。
僕は「やたはま」だと、ここに来るまでずっと思っていました。
港の建物って良いですよね、初めて入る時、何があるんだろうと思います。
 
 
まあ、特に変わったところではないのだけれど、昔ながらの港の建物、という感じ。
ひと昔前なら、お酒を召し上がったおじさんたちが大きな声で「こっち!こっちじゃ!」と言いそうな雰囲気ですが、今はそんなこともなく、皆さんスマホ片手に静かに乗船を待っています。大きなスーツケースを持った海外の方の姿もありました。
 
ここで乗船申込書を書く、鉛筆で
 
12月に鉛筆を使用したのはこの1度きり。
文字を書く機会もとても少なくなっているので、書けるか不安でしたが、無事に書けました…。
 
乗船券売り場の窓口
 
きっぷ売り場もアナログな感じで、職人さんみたいな手さばきで(いや職人さんなんじゃないかと思う)、車検証と申込書、チケットをくれます。
「20分前には車に戻ってください」だそうです。
僕はそれ自体が悪いとは言わないけれど、結局自己申告みたいなことになるのだから、もっと事前にお客さんに任せる方向で、スムーズに乗船の手続きができるとよいなと思いますし、それで料金が少し高くなっても、それは受け入れる気持ちがあると思いますよ。
フェリーの乗り方が便利になることに対して、何の抵抗もありません。
ETCとかスマホとか組み合わせて、この辺いろいろ工夫は出来ると思うんだけれど…。
 
 
売店があって、お土産やお弁当、お菓子なんかを販売していました。
もちろん、我慢できなければここで買ってもよいのだけれど、できればフェリーで買ってみたいです。
 
 
僕はこの看板を見て、どの船でもこうした食事ができる仕様になっているのかと思いましたが、違いました。
 
徒歩で乗船する方はここから乗るようです。もしできるなら、徒歩でも一度乗ってみたいものです。(そのためにはJRやバスに乗らねばならないが…)
 
八幡浜港乗船口
 
このまま乗船してしまうと、車と奥さん、子どもがそのままになってしまうので、車に戻ります。
しばらくすると隣の車列が動きはじめ、フェリーに入りはじめました。
いやあ、こんな時もし前の車に人が乗っていなくて、動かなかったらどうしよう、と思いますよね。
いよいよ僕の列も動き出し、ああ、前の車が動かない…。
仕方がないので、かわして進みますが、是非乗船の際には車には戻ってくださいね。
 
子どもに頼んでフェリー入口の雰囲気を撮ってもらいました。
入口の幅が1台分なので、何となく緊張しますね。
 
 
係の方が誘導してくれるので、車を停めて客室に上がります。確かに、車は結構いっぱいでした。
 

えひめ丸の船内

船内に入って見て行きますね。
 
 
きっとこんなタラップで徒歩の場合には乗車するのでしょうね。奥には「おれんじ丸」とあるフェリーがあって、大分の臼杵へ行くようです。
 
 
僕が宇和島運輸のフェリーに乗船して最も驚いたのが、2等客室のほとんどが「床」になっているところです。
さすがに多くの方が横になって休まれていたので、写真は控えましたが、シート席がとても少なかく、靴を脱いで床にべったり座り込むようなスタイルの客室でした。
最初は奥さんも子どもも戸惑っていましたが、結局横になって楽だったと言っていましたので、これがよいのかもしれません。
 
 
しかし、全体を見ていると、客室だけで3階構造になっているようです。
 
 
 
このフロアの椅子席はここだけ。
上階には1等客室があるのですが、こちらも床スタイル?
前方が見える配置のようです。
 
 
もう一つ広い2等客室があって、そこも床スタイル。かろうじて通路に病院の待合室のようなシートが並べてありました。
 
 
さらに上には、逆に「ここ入っても大丈夫なところ?」と思うような椅子がありました。
 
 
僕はフェリーの時間の大半(というかほとんど)座らないので、わかりませんが、好みの椅子に座ってください。
 
売店も見てみますね。
 
 
ビールを含めた飲み物に雑誌、お弁当、お菓子、お土産類が多くありました。うどん、この船にはなかったです、残念。
 
 
自販機コーナーには、アイスがあって、子どもは買って食べていました。
そしてゲームコーナー、無くてもよいけれど屋外には喫煙スペース。こう考えると、船は喫煙ができるのですね。
 
 
僕はお腹が空いていなかったけれど、奥さんはお弁当を買って食べていました、炊き込み弁当。
 
 
僕はあまり詳しく見なかったけれど、個人的には駅弁のように郷土色溢れる美味しいお弁当を1000円から1500円くらいで売ったらよいとおもうのだけれど。ちょうどお昼の時間にかかる船なので。

綺麗だったフェリーからの景色

何だか少し新年から文句ばっかりになりかけてしまいましたが、ここからは違います。
船の客室からデッキに出てみました。
 
 
窓のところが、先ほどの貴賓室のような部屋で、その前には結構広いスペースの屋上となっていました。
ここが一番面白かったところです。
 
 
まず何がよかったかというと、この航路は佐田岬半島を右に見ながら進みます。
八幡浜港にいる時から、雲の影が時折揺れる小高い丘と青空が素敵だな、と思っていましたが、それが延々と続きます。
 
 
最初八幡浜港でフェリーは陸地を前方に向けていたけれど、少し下がってUターン。
八幡浜港を出航します。
いつも車が前で、後ろになって、どうやって到着するのだろうと思うから、図にしてみました。
 
 
この屋上デッキからは前方は見えなくて、後方は煙突があるので、前と真後ろが見えるのはほんの一瞬。
 
 
少しだけ四国を離れます。フフフ、船で港を出る時って、一つのクライマックスですね。
 
 
日向は暖かくて、親子で屋外へ出ておられました。室内よりもこちらの方が楽しいですね。
 
 
前方に長い半島が見えます。地図で見るのと同じように先が長い形に見えます。
車だと違う景色になるので、これは見る事ができてよかったです。
 
 
進み始めると、あっという間に港が小さくなっていきました。
 
 
 
両サイドに八幡浜の山並みが続きます。
小さな船もあれば、港へ間もなく到着しようとするフェリーもあり、すれ違う時の船は速いなあと思います。
 
 
伊方町に入った頃に、山の頂上には風力発電の白い風車が見えてきます。
伊方と言えば、原子力発電所もありますが、それは山の向こう側にあるようです。
 
 
子どもも外に出てきたので、四国の社会の仕組みや地理なんかを伝えるのに、ここはちょうどとても良い場所です。
佐田岬半島がいかに長くて、どういう地形になっているのか、九州と四国の間にはどんな海が広がっているのかなどについて、とても簡単に説明したのだけれど、「ふうん」と全く興味がない様子。
ま、ここに来たことがある、ということだけでも覚えておいてくれるとよいと思います。
 
 
もう間もなく佐田岬、というところで僕はもう一つ驚くことを知りました。
佐田岬って「さみさき」と読むようで、僕はてっきり「さたみさき」だと思っていました。
九州・鹿児島にあるのが「佐多岬」で、こちらは「さたみさき」と読むのだそうです。
佐多岬、ここもいつかは行ってみたいものです。
 
 
もしかしたら、何度も通って見慣れている方には、普通の景色に見えるのかもしれませんが、僕は水平線が見えると毎回つぶやきます。
「これが水平線か…」
 
しばらくすると半島の先端まで来ました。
見えてきました、四国最西端佐田岬灯台。
 
 
僕はこの時まで、こんな感じのゆったりとした船旅が別府まで続くと思っていましたが、間違いでした。
この佐田岬を超えた瞬間、強風というか、すごい風が船に向かって吹いてきました。
屋外デッキに飛沫が舞い、台風のような風、あれほど安定していた大きな船が右に左に揺れます。
 
 
穏やかな写真に見えますが、実はバシャバシャと風に飛ばされた飛沫がかかりまして、メガネやスマホにはたくさんの水滴がついていました。
 
 
1等室のベンチだけれど、特に必要があるのだろうか、という気もします。まあ季節の良い時には人気なのかな。
 
 
何人か屋外デッキに来られていましたが、風が強くてすぐに引き返されていました。結構重そうな鉄製の鐘もごんごん揺れています。
 
 
再び九州側の別府湾まで来ますと、またピタッと揺れはおさまりました。
インフォメーションの方に尋ねたら、今日明日は風が強いので少し揺れていますね、いつもはもう少し穏やかですよ、とのこと。
なるほど、ちょうど大陸からの北風を海上でそのまま受け止めるような位置にあるのですね。
 
 
大分の工業地帯なのか、大きな煙突が見えてきました。
 
 
※追記
動画も作成しましたので、よろしければご覧ください。

 

 

※追記終わり

 
反対側には別府湾に囲まれた別府の街が見えてきます。わー、湯煙が出ているのが、ここからもよくわかります。
 
そのまま別府を観光した話を書きたいのですが、字数制限となりましたので、そのお話はまた次回。
今回はフェリーに乗った話だけになってしまいましたが、はじめて乗ったので、とても楽しく景色も素晴らしく感じました。
利用されるのは四国と九州の方が多いと思うので、そんなに多くの方が利用する航路ではないのだと思いますが、機会がありましたら乗ってみてください。
 
それでは、今日はこの辺で。
 
いつもお読みいただきありがとうございます。
 
 

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