こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。
遠くの台風の風に押されるように、少し秋を感じる風が吹いてきました。
温度計の上ではまだ暑いようですが、夏の終わりが近づいています。
瀬戸芸夏会期が開催中なので、もう少し見てみたいなという気持ちでいました。
いや、もちろんこの時期かがわはどこでも連日35度を超えているので、そんなに暑い中、頑張って見に行かなくても、という気持ちもよくわかります。
暑さを避けて、エアコンの効いた部屋の中でオリンピックや高校野球をテレビで観戦する、なんていう過ごし方も、そんなに悪くはありません。
しかしながら、瀬戸芸っていつまでもやっているものではなくて、ふと気がつくと「あらら、終わったんだ、夏会期」という雰囲気があるので、僕は行こうと思う時、行ける時には行こうと思います。
今回の男木島ですが、家族で行っても良かったのですが、子どもは親戚宅でお泊り会ということなので、大人二人(夫婦)で行ってみました。
男木島の作品は、場所が近くに集まっていて、数時間でひと通りするができるので、高松から半日で行って帰ることが出来ます。
瀬戸芸や男木島、ふらりと半日何して過ごそうか、なんていうことにご興味がありましたら、どうぞお読みください。
高松、女木島、男木島
僕の知る限り、男木島へはこの「めおん」というフェリーで行くのがとてもポピュラーな方法です。これは男木島だけではなくて、女木島に行く際も同様です。
あとは、海上タクシーや自分で船を用意して行く等の方法になりますが、大半の方はこのフェリーに乗るはずです。
この画像を見るとそうは感じないかもしれませんが、この時期のめおん号は平日でも超満員のフェリーとなっています。
どのくらいかというと、デッキから人が溢れてちょっと余裕がないよね、というくらいです。
12時高松港発の便でしたが、屋外デッキには大勢の方が乗っていました。
皆さん女木島へ海水浴に行くのか、若い方、家族連れで、レジャーシートや浮き輪、サンダルという感じ。
ポツリポツリと「この方は瀬戸芸…」という雰囲気の方もおられます。
当たり前のことのようですが、乗船するには乗船券が要りまして、瀬戸芸の期間中は「女木島、男木島のフェリーチケットはこちらです」なんて案内してくれるスタッフの方が4、5人はいました。
1回乗れば要領は理解できますが、とてもアナログなシステムになっていまして、係の方が長机で対面販売しています。
支払方法は現金のみで高松-男木島間が大人片道510円、往復1020円でした。
男木島行でと言うと、「女木島で一度降りられますか?」と尋ねられるので、そうしたい方はその旨伝えてください。
毎回この質問をされる度、女木島に行って、男木島へ、という方もたくさんいるのだろうな、と思います。
初めての方はチケット購入→乗船までがひと苦労だろうと毎回思いますが、親切そうなスタッフがいるので、聞いてみてください。
聞きそびれたら、海水浴らしき人々についていくのもお薦めです。
ちなみに行きの乗船券は降りる際に回収していますので、風にさらわれて海に落としたりしないようにしてください。
12時を少し過ぎたあたり、港を走ってきた最後の乗客を乗せたところで出航です。
では、ここで男木島の場所を見ておきます。
男木島は瀬戸内海のこのあたり。
いつもはもう少しかがわのどのあたり、という地図にするのですが、ちょっと範囲を広げてみました。
フェリーはこんな感じで進みます。
そして、20分ほどで女木島に到着しますが、8割方の乗客が女木島で降りていきます。
男木島に行く方は、島の方か瀬戸芸を見に行く方なので、船内は一気にちょっと海へ行く方とは違った落ち着いた雰囲気になりました。
めおん2女木港から男木港の船内
めおん2前方の展望シート
めおん2後部の足を伸ばせるエリア
女木島の海水浴場を見ると、多くの方が見えます。
フェリーに向かって手を振ってくれているので、こちらも手を振って返すべきか迷うところ。
ふと隣を見たら、小学生くらいの子が手を振っていたので、僕は遠慮しておきました。
まあ、振っても良いのだけれど。
ほどなく男木島が見えてきました。
特に何が、という訳でもないのですが、この南側の岩肌を見ると、男木島に行くんだなあ、という気持ちになってきます。
男木港の男木交流館の白い屋根が見えてくると、さらに男木島に来たなあ、という感じ。
2010年の瀬戸芸で出来た建物ですが、すっかり男木島に馴染んでいるようです。
当たり前と言えばそうですが、下船の際にチケットを渡して降ります。
その際に往復で乗船券を購入している場合には(往)のチケットを渡します。
色も形も似ていますので、(復)は帰りに乗るまでとっておいてください。
いよいよ男木島に到着です。
作品No. 053 男木島の魂 ジャウメ・プレンサ
Artwork No. 053 Ogjima’s Soul Jaume Plensa
これは全く個人的に思うことですが、「プ」なのか「ブ」なのかいつも迷います。
スペインのアーティストのようですが、日常生活で「ジャウメ・プレンサ」の名前を呼ぶことはあまりないものです。
そして文字にしても一瞬「あれ、あってる?」と思ってしまいます。
これは新たな「讃岐でんぶく問題」として気に留めておこうと思います。
さらに余談ですが、虎の門ヒルズの前にジャウメ・プレンサの作品があるそうなので、近くに行く用のある方は見比べてください。
男木島と虎の門ヒルズ…。
男木島のインフォメーションになっているので、初めて行く方は立ち寄ってみてください。
地図や本日のカフェの営業のことなんかがわかるかもしれません。
(僕は利用していないので、あくまでそんな雰囲気です。)
文字が屋根になっているので、館内は空調があるけれどやや室温が高めです。
ベンチもあるので、疲れたらここでひと休みできますね。
そして、このあたりにいくつか飲み物の自販機がありますが、他ではあまり見かけなかったので、一つくらいは買っておくのがよいかと思います。毎回まあ、あるかな、と思って歩くのですが、ありません、自販機。
Lighthouse Keeper、青空を夢見て、歩く方舟
今回は大人二人なので、結構丁寧に作品を見てきました。
いや、別に一人だと雑に見ているというわけではないのですが、二人だと作品を見る視点が違うというか、奥さんは写真は撮らないけれど意外とじっくり見ているので、僕もそれに付き合うようにゆっくり観ていきました。
まずはこちらの建物です。
作品No. 055 Lighthouse Keeper イム・ミヌク
Artwork No. 055 Lighthouse Keeper Minouk Lim
家屋の壁面のウロコのような模様、気になりますよね、なんだろうって。
壁に近づいてみても、やっぱり何だろうって思います。
プラスチックのような樹脂でできたフリスビーのような円形でした。
屋根の上にはミラーボール、ぽっかり壁に穴が開いたように見えるのは鏡になっているようです。
外ばかり見ていても仕方がないので、中に入ってみます。
入口に幕があるので、これは暗い中を見て回るのだな、と予想します。
暗い中に人がいたら驚いてしまうので(お互いに)、係の方に「何人かいますか?」と尋ねると「1人」とのこと。
作品の内容はともかく、暗い中を行く時には人がいるかどうかはとても大事です。
靴を脱いで部屋に上がって見ることができるのですが、暗くてよく見えません。
カメラに撮った画像を見て、なるほど、こうなっていたのかと確認するほどです。
ちなみに、写真についてお聞きすると今回の瀬戸芸では男木島、女木島の作品は「全て撮影可能」なのだそうです。
そのスタッフによると「可能にした」のだそうです。
いろいろなご意見はあるかと思いますが、僕はとても賛成です。
作品を目で見て感じたことを文字だけでというのは限界があって、ぱっと写真を見て、そう、そうなんて思うこともありますよね。
ここでもフラッシュを使わなければOKだと言われました。
この急な階段にも、何となく見覚え、上がった覚えがあります。
実際にはもう少し暗いので、人が降りてこないのを確認して上ります。
ウムム、2階も暗いのでどうしたものか、と思っていたらピカピカと光りました。
目の前に一人作品を観ている方がいたので、その影に一瞬驚きます。
ああ、やはり先に人がいると聞いておいてよかった、と心底思います。
出てきた後に、二人で行くと作品の感想を言いたくなるようで、「暗かった…」とか「人がいて驚いた」なんて話してしまいます。
大した内容ではないのですが、感じたことや思ったことなんかを作品を通して共有したいという気持ちがあるのでしょうね。
これも瀬戸芸の楽しみ方の一つだなあ、と思います。
ここを出たあとに気がついたのですが、ここは前回(2013年)では傘なんかを置いていた場所ですね。
続いての作品ですが、少し南へ歩いていきますと、こちらも前回は小中学校の中に作品が展示されていた場所です。
なかなか2013年の瀬戸芸と比べてどうだったか、なんてやっているといつまでたっても記事が終わらないのですが、ここだけはちょっと触れておきたいところです。
と、まあ、このように休校の学校を利用して、その中にたくさんの作品が展示されていました。
正直なところ、この学校はもうこのままなんじゃないか、なんて思いながら見ていたのを思い出します。
しかしながら、その後、 瀬戸芸をきっかけに若い方が男木島に戻ってきたようで、こちらの小中学校は再開しております。
瀬戸内国際芸術祭で会場となった男木島で、休校中であった男木小・中学校が再開しました。(2015.04.07)
(瀬戸内国際芸術祭のブログより)
これは、結構かがわでは大きなニュースになったので、見たり聞いたりはしていましたが、実際にそこへ行くのは2013年以来です。
なるほど、校舎の壁面が綺麗なブルーで塗られています。
作品No. 066 青空を夢見て レジーナ・シルベイラ
Artwork No. 066 Dreaming of Blue Regina Silveira
もちろん学校施設なので立入禁止とあります。
かつての瀬戸芸メイン会場の一つであり、校舎自体が作品の一つだというのはやっぱり少し羨ましいところです。
そして、この日は気温が36度くらいあったので、島を歩いているととても暑いです。
島の南側、漁港の辺りに行くと少しにゃんこちゃんたちがいました。
男木島のネコちゃんたちも暑さでぐったり、といった様子です。
これも少し前にニュースで話題になりましたが、男木島が猫の島として有名になるにつれ、観光の方が餌を与えるので増えすぎてしまった為、200匹ほどいる猫の不妊手術を行っています、という内容でした。
ウムム、確かに島内に野良猫200匹となると、大変だろうな、と思います。
数年前にはそんなに男木島が猫の島という感じではなかったような気もします。
人も猫も、男木島は瀬戸芸の会場となることでいろいろ変化しているのがわかるので、そこもとても魅力の一つかもしれません。
続けて海岸を歩いていきます。
ええとですね、もちろん良いところもあれば、そうでもないところかもしれない、ということをリアリティをもってお伝えしようというのが、記事を書く上で一つ重視していることです。
この海岸の道はよく見ると、大量のミミズが渇いておりまして、そこを岸壁のフナムシさんがかさこそと動き回るという状況になっております。
奥さんは足早に無言で通っていましたが、「2回目はたぶん行かない」とのこと。
僕はミミズもフナムシも全く気にしないのですが、まあ、サンダルなどでお出かけになった方はこの道を通る際十分にお気を付け下さい。
次の作品は海のブルーにホワイトが良く映えるので、遠くからでもよく見えました。
作品No. 065 歩く方舟 山口啓介
Artwork No. 065 Walking Ark Keisuke Yamaguchi
注意が切れていますが、足元がごつごつしていて、滑りやすいので気を付けてください、という内容が書かれていたように思います。
2013年にはあったようなのですが、見ていませんでした。
初めてみましたが、なかなかこれは瀬戸内の風景とマッチした美しい作品です。
海外から来たと思われるグループの方も、熱心に写真を撮っていました。
人の列が途切れることがないのは、直島のかぼちゃと似ているな、と思います。
暑さやミミズ、フナムシに負けずに是非行って見てください。
今度は作品が密集しているエリアに戻って行くのですが、僕らは少し通るルートを失敗したかもしれません。
地図の中の赤い道を行ったのですが、登り坂がずっと続きます。僕はそうでもなかったのですが、奥さんは2度ほど立ち止まっていました。
「この道、間違ったやろ?」と奥さんが言うように、後から考えると元の黒い線を戻って行った方が楽でした。
近いと思ったのですが、そうでもなかったようです。
僕一人だと全く気になりませんが、二人で行くとこういうところに気を遣わなければなりません。なるべく最短距離で、平坦な道とか。
途中で島の方が利用しているトラクターのような、荷台の付いた三輪車とすれ違いました。
とてもゆっくり進むのですが、確かにこの坂道ではこんな電動の乗り物にに乗りたくなるものです。
直島、女木島、豊島なんかではレンタサイクルも大活躍しますが、男木島は大体がこんな感じなので、全て歩きです。
見たことのある急な石段を登っていきます。
作品No. 063 漆の家 漆の家プロジェクト
Artwork No. 063 Maison de Urushi Maison de Urushi Project
黒い部屋(上)と白い部屋(下2つ)。ここはエアコンがあるので、とても涼しいです。ちょっといつまでもそこにじっとしていたい感じです。
カフェの入口の所には赤の部屋と緑の部屋がありました。
漆の家Cafeがあったので、休憩していこうかと思いましたが、もう少し作品を見てから、ということになりました。
(後で考えると、本当はここでゆったり休憩しておく方がよかったような…)
何となくゆっくりと、丁寧に見て行っているので、何だか長くなってしまいました。
この後はテンポよく?見て行ったような気もするので、よろしければまた後篇もお読みください。
それでは、今日はこの辺で。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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