こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。

 

これはもうそろそろ梅雨が明けそうだ、なんて思っていたら梅雨明けです。これから本格的な夏になるのですが何となく少し前の方が暑かった気がするのは気のせいでしょうか。

さて、当ブログとなりのかがわさんを長い期間お読みいただいてくださる方は、僕がそら豆(ソラマメ)を自宅のベランダで作っていたことを覚えておられるでしょうか。

 

 

 

 

僕自身も驚いているのですが、ベランダのプランターでもきちんとそら豆はできますし、とても美味しくいただきました。

しかし、僕自身がこの栽培(?)を始めたのには、もう一つの目的がありまして、それが今回の「しょうゆ豆づくり」です。

 

よく御存じない方もいるかも知れませんので、簡単に説明すると、

「乾燥したそら豆を炒って、砂糖としょうゆ、唐辛子の調味液に浸す」

というかがわを代表する郷土料理です。

 

そして、このしょうゆ豆、かがわさんたちにとってはとても愛着のある食べ物のようで、かがわではとても広く、一般的に食べられています。

僕は昨年、結構苦労しながら乾燥そら豆を手に入れ、焙烙で実際にしょうゆ豆を作る、というところまでは行いましたが、今回は、自分で乾燥そら豆も作ってみました。

 

 

ブログの良いところの一つは、そんな時間なんかをあまり感じずに、その結果だけを見られるところなのですが、約1年位の乾燥そら豆づくり、しょうゆ豆づくりをダイジェストのようにして記事にしました。

 

もしそら豆、特に完熟そら豆や乾燥そら豆、しょうゆ豆づくりにご興味がありましたら、どうぞお読みください。

 

それは4粒から…。

もともとはと言うと、昨年9月に乾燥そら豆を知人からもらった際、「種用に」と少しくれた4粒がしょうゆ豆づくりのスタートです。

11月頃撒いても芽なんか出ないんじゃないのか、とか、どうせ途中でダメになってしまうのでは、なんて思いながらも、植えてみると…、

 

 

出ました、芽。いやいや、これくらいでは、なんて思っていると結構すくすく伸びていき、

 

プランタのそら豆2か月半後

 

やがて花をつけ、

 

 

ずんずんと大きなって、そら豆になっていくのでした。

 

 

しかしながら、ここからは結構大変でした。

まずは、「綺麗なそら豆の実が生っているのに食べられない…」ということです。

 

半分くらいは収穫して料理したり、塩茹でで食べたりしましたが、残りは「完熟用」に収穫せずにそのままにしておかなければなりません。

目の前に美味しそうな(いや、実際に美味しい)そら豆があるのに、それをじっと見ているだけ、というのは、何となく精神的に苦しいものです。そして、さらに5月の連休中、少し強い風が吹いた後、アブラムシ達がそら豆を襲います…。

アブラムシと言えば、その天敵はテントウムシ。僕も数匹のテントウムシを捕獲し、対抗してみます。

 

テントウムシ VS アブラムシ

 

いやあ、いつか確かめてみたかったことの一つが、テントウムシはアブラムシを捕獲するか、ということでしたが、ここで確かめることができました。テントウムシは確かにアブラムシを捕獲していました。しかし、アブラムシの驚異的な増殖スピードには追いつかず、次々とそら豆の新芽が食べられてしまいました…。これはもうダメかな、と思いかけていましたが、よくよくみると実の方にはアブラムシは寄りつかず、柔らかな新芽の部分に集中していることがわかります。つまり、一度生った実は鞘によって外敵から守られる状態になっていたようです。

そしてそのまま放置しておくと、身の色が徐々に変わっていきました。

 

完熟そら豆

 

完熟そら豆

 

完熟そら豆

 

鞘の感触は「ぱりぱり」と「ふにゃり」というのか、その間くらいの感じでしたが、2、3週間して触ってみると、乾いたな、というのがわかります。

もし1、2年前であれば、これは腐っているから捨ててしまおう、と思ったに違いないそら豆です。

 

※追記

知人の農家では、むしろ(と言うのかな?)に乾燥そら豆を置き、天気の良い日に干していました。
たまたまして干しているところを見かけたので、撮らせてもらいました。乾燥そら豆、こうやって干すんだね。

 

完熟そら豆を干してさらに乾燥させる

 

完熟そら豆を干してさらに乾燥させる

※追記終わり

 

「完熟」というとイメージが違いますが、生ったままにしておく、というのもなかなか精神力が必要なものだな、と思います。
全部で10本ほど収穫しました。

 

完熟そら豆

 

この中身が果たして本当に乾燥そら豆なのか、とても自信がありません。
中を開けたら、とんでもないことになっていたらどうしよう、と言う気もしますが、いつまでも眺めていても仕方がありませんので、開けてみます。

 

完熟そら豆

 

パリッとかパチィとかいう音で、少し硬くなった鞘が割れまして、中からは可愛らしい乾燥そら豆が見えました。

 

豆自体も相当乾いているので、硬いのですが、さらにここから乾かします。
知人から聞いた話では、鞘の中においておく時間もある程度は必要だ、と聞いていたので、鞘に色がつきはじめてから2週間ほど、そして、中身の豆は取りだしてから2週間から3週間ほど乾かしました。

当初は青々しい緑色だったのですが、徐々に色が変わり、お馴染みのちょっと茶色がかった乾燥そら豆に変身です。

 

1ヶ月ほど乾燥させたそら豆

 

手にしてみると、とても固く、僕の知っている「乾燥そら豆」の形になりました。思わず粒数も数えてしまいましたが、38粒。少ないながらも、しょうゆ豆にするには、ちょうど良い分量です。

焙烙で煎って土鍋で煮てみる

ここからは昨年同様にしょうゆ豆を作っていきます。
僕は勝手にしょうゆ豆レシピ(いやかがわの郷土料理全般)の師匠と尊敬しているブルーポピーさん。クックパッドにしょうゆ豆のレシピを掲載されていて、「しょうゆ豆 レシピ」で検索すると、この方がレシピが一番に表示されます。

 

 

毎回拝見する度にレシピが更新されていて、おお、しょうゆ豆をよく研究されているなあ、と毎回感心するわけですが、もしこの記事をお読みの方がはじめてしょうゆ豆を作るならば、ブルーポピーさんのレシピも参考にしてみてください。

とてもわかりやすいです。

 

僕も昨年、何回も試したのですが、なかなか好みの味や食感になるには時間がかかっていて、昨年のレシピを見ていて、これは僕の好みの味にはなるけれど万人受けしないかも、とも思っています。
まあ、基本的な作り方は同じなので、火の加減や調味液の配合は味を見ながら、好きにやってみてください。

それでは、まずは焙烙(ほうろく、ホーロク)で乾燥そら豆を煎っていきます。


(なかなか見かけなくなってしまった、このタイプのイブシホーロクをお探しの方は美術工芸おがわさんに問い合わせてみてください。)

 

 

 

 

 

もちろん焙烙がない方はフライパンでもOKです。

どの作り方をみても、ここはじっくり30~40分とありまして、僕も1時間ほどじっくり煎ります。しょうゆ豆の独特の食感である「中がほろっ」とする感じはここで煎ることによって生じるのではないか、と個人的には思います。

 

 

ごくごく弱火ですが、焙烙を熱するととても温められ、この時期キッチンはとても暑くなることをお伝えしておこうと思います。
昔はこれを炭や七輪でしたのだそうですが、そうやっても美味しそうだなあ、と毎回思います。そして、毎回楽しみにしている、「そら豆は焙烙で煎ると弾けるのか?」ですが、今回は思ったように弾けませんでした。
プチ、パチとは音はするものの、パーン、と音がするほどではありませんでした。

乾燥の具合なんかによるのでしょうかね。いつか、激しく弾けるところを見てみたいものです…。

 

 

本当に焦げ目がつく時には一瞬で、こうして写真を撮っている間なんかにも、焦げていきます。

 

 

なるべく焦げないように、と思ってしているのですが、じっくりやってもなかなかそうもいかないことがわかってきたので、途中から少しくらい焦げてもいいや、という気になります。
僕は正直なところ、この作業が得意ではありませんので、早く終わらないかな、という気持ちで煎ってしまいます。しかし、まあ、気長に、という感じの方が美味しく出来るのでしょうね。

そして、続いて、これを砂糖、水、唐辛子の調味液に浸し、少し火にかけて行きますが、今回は土鍋を使ってみようと思います。

同じようにしょうゆ豆を作ってみた、という親戚が「土鍋はどうかいの?少し柔らかくなるんかいの」と言うので、今回は土鍋に入れてみます。

 

しかし、38粒という少数精鋭のそら豆なので、1人用の土鍋に入れてみます。(本当はもっと量が多くても構わないと思います。僕は自分で作った、というところが今回のポイントなので少なめです。)

 

 

毎回、これで本当にしょうゆ豆になるんだろうか、という感じですが、蓋をしたまま火にかけ、沸騰しかけたら火を弱め、2、3分ぐらぐら、という感じで煮ます。

 

 

そして、そのまま放置すること1日…。調味液の「かさ」が半分くらいになります。(写真は撮り忘れ…)

乾燥そらまめが、ぐんぐんと調味液を吸収して膨らみ、その分水分が減っているのだなあ、とその変化が面白いところです。このまま火にかけると焦げるので、少し調味液を追加して、再び沸騰しない程度、2、3分火にかけます。

 

 

全体に調味液とそら豆が混じり合って、色なんかが変わってきているのがよくわかります。
そして、何となく 浮いてしまっている 左下の小さな豆は、煮ても置いても固いままなので、残念ながら食べられませんでした。調味液が滲みこまないそら豆はダメなんだろうと思います。

さらに、1日おいておくと、こんな感じに馴染んでいます。

 

 

ちょっと味見してみると、ふむふむ、やや薄味ながら、とても僕の好みの味に仕上がったようです。

自分で作った乾燥そら豆のしょうゆ豆、完成!

 

 

僕はしょうゆ豆のこの色合いは全て醤油かと思っていましたが、どうも乾燥そら豆からでる成分(焦げとか)も多分に含まれているんじゃないかと感じます。
僕はあまり辛すぎるのを好まないので、唐辛子は輪切りのをパラパラと入れました。

まあ、これも好みですね。

それでは、食べてみますね。

 

ふむふむ、しっかりしょうゆ豆の味がします。正直なところ、今回のはちょっと中身を煮すぎたのかとてもそら豆が柔らかくなっていました。もう少しほろっとした感じがあると良かったのですが、これはなかなか難しいところですね。

 

しかし、毎回思うのですが、自分で作ったしょうゆ豆は好みの味付けができるので、とても好きな味に仕上がっています。

おかずの一品に、酒の肴に、お弁当に(僕の調査ではかがわさんの弁当の約一割に入っている)、と結構どこにでも合いそうな気がしますが、僕は個人的に、この時期しょうゆ豆には「ざるうどん」が一番合うような気がします。

 

外で蝉が鳴いていて、アスファルトに陽炎ができるような暑い日の昼。きりっと冷やしたもちもちのさぬきうどんを少し濃い目の出汁にずるずるとうどんを啜ります。
二口、三口と夢中で食べて、ひと息つくと、ふと横に目をやると、そこには変わった色をしたそら豆、しょうゆ豆が。
うどんと出汁の塩気が残る口の中に、塩味や辛みにやや甘さが勝ったしょうゆ豆を食べると、ほろりとした食感の奥に、じんわりとそら豆の味が滲んできます。

なるほど、これがかがわさんたちが愛する郷土の味、しょうゆ豆かな、と思うのでした。

 

 

それでは、最後にレシピです。

 

自分で作るしょうゆ豆

(材料)

  • 乾燥そら豆:100g位(もう少し多くても大丈夫です)

<最初に浸す調味液>

  • 水:400cc
  • 醤油:20cc~少し足していく
  • 砂糖:大さじ2~少し足 していく
  • 唐辛子

<追加の調味液>

  • 水:200cc
  • 醤油:大さじ1~少し足 していく
  • 砂糖:大さじ1~少し足 していく

(作り方)

  1. 乾燥そら豆の表面についた汚れを軽く取り除き、焙烙又はフライパンにごく弱火で1時間かける。焦げすぎないように、時々やさしく裏返す、かきまわすように丁寧にじっくり煎る。
    (結局頑張って気を付けていても焦げますので、まあ、ほどほどに焦げても大丈夫です。)
  2. 最初に浸す調味液も混ぜて火にかけ、煎ったそら豆を熱い調味液に浸す。
    (土鍋でも、そうでなくても結局あまり変わらないと僕は思います。)
  3. 沸騰しない状態で、蓋をしたまま2、3分火にかけ、1日置く。
    (半日とかでもよいのですが、はっきり一日置いた方が味が馴染みます。)
  4. 追加の調味液を加え、再び2、3分火にかけ、また1日置く。
    (ついつい味見するとこの時点で出来たように感じてしまいますが、また微妙に味が変わります。)

 

まあ、もちろん一般的にはほとんどの方が「乾燥そら豆」なんて自分でつくらないだろうから、どこかで購入することになるのだと思います。

ところが、なかなかこれは販売しているものではなくて、探すのに苦労しますよね。
僕の見る限り、かがわでは、6月の中旬から下旬頃~JAの産直のお店で見かけました。

 

高松市林町 高松南部いきいき産直(ここはとても人気がある)

 

林の産直では結構乾燥そら豆はポピュラーなようで、特設コーナー?のようなところに4つの生産者さんがカゴが置いて販売していました(6月下旬)。
僕は毎年時期になると探しに行くけれど、JAさんもネットで販売すれば良いのに、と毎年思います。
乾燥そら豆、かがわの独占販売ですよ。

 

高松市林町 高松南部いきいき産直(ここはとても人気がある)

 

高松市林町 高松南部いきいき産直(ここはとても人気がある)

 

「そら豆」とあるけれど、中身は乾燥そら豆(完熟そら豆)で、醤油豆用のものです。そして、しばらくすると無くなりますので、見かけたらどうぞお早めに。

 

ずっとWEBで乾燥そら豆ないかな、と探していたのですが、amazonで見かけました。
かがわでも中国でもなくオーストラリアですが、1kgも入っています…。しょうゆ豆とファーベをそれぞれ3回位できそうな感じ。

 

 

 

 

※追記(2017年12月)

人生には色んな機会があって、「学校の給食の献立でしょうゆ豆が出る」というお話を聞き、写真を撮らせてもらうことができました。

かがわの子どもたちはご飯の上にしょうゆ豆をのせて食べていました。
「好きじゃない」「いらない」等の声も多数聞きましたが、「かがわだけだよ、しょうゆ豆の給食」と声掛けてあげました。
きっと大人になったらわかるよ、しょうゆ豆の美味しさ。

 

高松市の給食の献立「郷土料理しょうゆ豆」

※追記終わり

 

※追記(2018年4月)何だか見ていたら、ポルトガル産や中国産の乾燥そら豆もWEBで見かけるようになりました。流行っているのか、世界中から乾燥そら豆を買えますね。

 

 

 

 

 

 

※追記終わり

<今回の反省>

  • 土鍋でなくても良かった
  • 柔らかすぎた
  • もう少しじっくり煎ってもよかった
  • やや甘味が足りなかった

 

それでは、今日はこの辺で。

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。