こんにちは。
ハイ・パイン・サンキュー!です。
いつもとなりのかがわさんをお読みくださり、ありがとうございます。

なかなか暖かくて良い天気が続いています。
芸術祭が行われている豊島に行った様子を記事にしているのですが、もしよろしければ前編、中編とあわせてお読みくださると、何となく「豊島三部作」になるはずです。
②瀬戸芸の春が来た!豊島・中篇 「唐櫃港~豊島美術館」
まあ、興味があるところだけ読んでいただいても全く構わないのですが、今回の記事はタイトルにあるように「島キッチン」のお誕生会、心臓音のアーカイブなどについてです。

何とか字数を超えないようにするりと書きますので、よろしければ、お読みください。
 

島キッチン

本当は地図を広げて、こう行きました、というルートを出したいところですが、最初の画像は記事のサムネイルに使われるので、いきなりですが、島キッチンの画像にしておきます。
(どうでもいいんだけれど、と言いながらも一応こういうのは考えています)
 

 

どうやって行ったのか、というと豊島美術館を出てから、またやはり徒歩で移動しました。
 

豊島美術館から島キッチンへ
 

のんびりと歩きながら行くのですが、先ほどよりもなだらかな登り坂です。
おにぎりなんかを食べていたのですが、子どもは「お腹すいたー」等と言っていました。
もうちょっとでスタンプがあるよ、なんて言いながら励まし、歩きます。
ちょっと細い道に入るのですが、矢印が出ているので、たぶん迷うことはありません。

 

作品No. 028 島キッチン 安部良
Artwork No. 028 Shima Kitchen Ryo Abe


 

出来れば、中で食事をしてみたいのですが、入口には「整理券の配布は終了」の立札がありまして、店員さんに「すみません、今日の整理券は終了しました。カフェなら利用できます」と説明されました。
大丈夫ですよ、僕はそうだろうと予想していますから。

帰ってきても、ちょっと思うことなのですが、何となく船や食事は、「早いもの順」「早く来た方が優先」という非常に単純かつある意味冷淡な仕組みとなっていて、これはどこの島でも同じようです。
小豆島でも、女木でも男木でも、息吹でも、そして豊島でも。
後から行く者、ゆっくり行く者には座って食べるご飯はありません。
まあ、そうでない日もあるのかもしれませんが、これは行く前にきちんと理解しておかないと、「お昼になっても食べ物がない」という悲しい事態になってしまいます。
しかしながら、僕らはそういうことにも慣れている(たぶん)ので、大丈夫ですが、県外・海外からはじめて来た方は、島に行くとそういうこともある、くらいに思っておいた方がよいと思います。
混雑する時だけ、ご飯を増やすような優しい対応は、瀬戸芸では未だお目にかかったことはありません。

しかしながら、折角だし、少し歩き疲れたので「カフェはできる」という項目に参加です。
店内で甘夏と檸檬(だったと思う)のシャーベット(ジェラート?)、僕はアイスコーヒーを頼みます。
甘夏のアイス税込340円、アイスコーヒー税込540円と、なかなか島キッチン価格ですが、観賞代と思うことにします。

テラスにどうぞ、と言われて、下に降りていくと、何人かの方がおられました。
 


 

「受付」とあるので、これ以上何か受付が必要なのか?と思いましたが、今日は「お誕生会」というイベントがあるようで、3月生まれの方の受付だったようです。
家族の中には3月生まれはいませんので、座ろうとすると、
「ごつん!」
イタタタ、低い天井に頭をぶつけてしまいました。
食事が出来なかったことを恨めしく記事にしようなんて考えたから、反撃にあったのでしょうか。
いや、やはり天井は低いので、皆さま十分お気を付け下さい。
 


 

さて、まずは、コーヒーでも、と思ったら、座ったその横に何か書いてあるではありませんか。
「今月の… かきまぜ 300円」
おお!これはもしかして「かきまぜずし」のことでしょうかね。

去年だったか、サラメシという番組に、小豆島で退職する校長先生のエピソードが紹介されていて、その時に出た最後の給食の献立が「かきまぜ」でした。
僕は見たことも聞いたこともなかったのですが、あとからかがわの島の郷土料理だと知りました。

かきまぜ(おまぜ) - 地産地消(香川県 讃岐の食のサイト)

なるほど、豊島でもかきまぜは食べられているのでしょうかね。

しかし、特に買い求める者も売る気配もないので、お誕生日の方に配るのだろうか、なんて思っていたのですが、折角なので食べられるのであれば、食べてみたいところです。

「かきまぜは売っているのですか?」
「はい、売っています」
「じゃあ、3つ」

と、買いました。

するとですね、その辺りにいた方々も「お!何か食い物買えるのか!」という感じで、次々に僕の後ろに並んで買い求めていました。

まあ4、5グループでしたが、島キッチンに入れなかったグループ、いや「よくわからないけれど、何でもいいからかきまぜという食べ物を食べてみる」グループが、ここにはあったようです。
 


 

さっきの方も「下にはかきまぜというご飯がありますよ」とか、声かけてくれれば、それを食べようかな、なんて思ったのですが、そういう会話はありませんでした。

もう少し言うと、「どこかで皆さんお食事はお済だろう…」という推測と、「あれは売り物だろうか?」という遠慮という、奇妙なバランスが、この空間には漂っていました。
そういうのは、誰か打ち破らなくてはいけませんね、そういうのは好きですが。
 


 

イメージ的には、仁尾八朔人形祭りで食べた「ばらずし」に似ています。

ふむふむ、なかなか美味しい食べ物です。
椎茸、れんこん、小エビ、ニンジン、チクワ、菜の花。
炊き込みご飯よりもあっさりしていて、ばらずしほど甘酸っぱくない味です。
これは、自分でも作れるかもしれない、と思いました。
 
※追記
結局秋に自分で作ってみましたら、それはそれは美味しかった!というご馳走でした。
もしよろしければご覧になってください。
※追記終わり
 
食べていると、テーブルには、同じようにかきまぜを購入した男性二人組が隣に座りました。
「ココイイデスカ?」と言った感じの身振りでして、どうぞと僕も身振りで示します。

会話の内容から(随分仲良しな方々です)、海外の方のようですが、どこからか尋ねると、「Hong Kong!」とのことでした。
あらあら、これまた大都会から、豊島によくお越しになりましたな、という感じ。
 Hong Kongの方に、かきまぜの味は口に合うでしょうか、なんて余計な心配をしていたら、僕の子どもが食べません。

「何?」と尋ねると「ごま…」だって。
ああ、そうでした、ゴマが嫌いなんだった…。
残念ながら万遍なくかかっているので、取り除けません。

仕方がないので、アイスを…。
 

 
一口食べて、「もういいや」だって。
何となく僕も食べてみると、知っている味でした。
奥さんが「オッティモ」というので、ラベルを見たら、確かに「オッティモ」とありました。
これは僕らは豊島でなくても食べられるのですが、「甘夏」というのは、たぶん二択でないと選ばないな、と思いました。
ああ、味はいいですよ、普通です。
 

 

お誕生会までは、少し時間があり、子どもも飽きているので(よく考えたら、おにぎりとサンドイッチ、お菓子などを食べてお腹がいっぱいなんだと思う)、近くでスタンプを押しに行きます。
 


 

すぐ脇に作品がありました。
 
作品No. 027 あなたの最初の色(私の頭の中の解-私の胃の中の溶液) ピピロッティ・リスト
Artwork No. 027 Your First Color(Solution In My Head-Solution In My Stomach) Pipilotti Rist


 

ピピロッティさんのだよ、と言ってはみますが、よく知りません。
この白い蔵の中にはいるのですが、先にまた海外の方(アメリカかな)が入って、その後に入りました。
中はとても暗いです。
 


 

なかなか言葉で表現しづらいのですが、ま、自分で確かめに行ってみてください。
 


 

再度戻ると、そろそろはじまりな雰囲気です。
この日は津軽三味線「あべや」というご兄弟の演奏でした。
 


 

なかなか悪くない席なのですが、弟さん(銀三郎)が隠れ、お兄さん(金三郎)の三味線が隠れてしまって、何が何だかわからない写真になりました。演奏は素晴らしかったですし、芸人さんなのか、とてもトークもとてもお上手でした。
 

唐櫃の清水やストーム・ハウス

普通のルートであれば、この後、このまま家浦という別の港に歩いて行って、多くの作品を見る、ということになるのでしょうけれど、僕らは何となく唐櫃港へ戻ります。
今日の家に帰りたいし、違う港に歩いて行ける気もしないので。
しかし、もう少し時間もあるから、作品を見られるだけ見よう、ということにしました。
 

唐櫃の清水への道のり
 

島キッチンで尋ねたら、「唐櫃の清水、空の粒子まで2、3分です」というので、まずは行ってみます。
作品名を口で言うのって、なかなか恥ずかしいですね。
「空の粒子」って、なかなか言いませんので、作者名で行ったら良いだろうか…。
 

 
こんな感じの道でしたが、転ばないように…。
 


 

甘夏、夏みかんでしょうかね。
唐櫃の清水に到着です。
 


 

ここはガイドブックやテレビでも時折目にするので、初めてきましたが、初めてでないような感覚になりました。
写真で見た通りのイメージです。

 


 


 

 

看板の矢印があるので、ちょっとわかりにくいのですが、作品はその右側にありました。
(ちなみに矢印はこの神社の奥を差しているわけではないと思います。念のため)
 
作品No. 026 空の粒子/唐櫃 青木野枝
Artwork No. 026 Particles in the Air / Karato Noe Aoki
 


 

後から気が付くのですが、奥の方から見ればよかったようです。
 

 

久しぶりに??という感じになりましたが、まあ、そういうものです。

続いて、ストーム・ハウスへ。
 


細い道ですが、看板があるので、迷うことなく行けました。
まあ、全体として地図を見るよりも、看板を頼りに行った方が僕は早いです。
実際に歩く時間は3~4分なので。
 
作品No. 029 ストーム・ハウス ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー
Artwork No. 029 Storm House Janet Cardiff & George Bures Miller

 

縁側からおばあさんが「なんかいの?」と顔を出してきそうですが、実際には芸術祭の作品です。
 


 

中に入る楽しみがあるだろうから、どんな様子か言わないでおきますが、子どもは一番これが気に入ったようです。
僕と奥さんは「ファブリーズがあればよかったのに」という感想でした。
その後、さらに下へ歩いていると、牛さんがいました。
 

 


 

「オリーブ牛」ののぼりがあったので、オリーブ牛になるのかもしれません。
海を見ながら、豊島でのんびりと育った牛は、きっと美味しいに違いありません。
 

 

唐櫃港から心臓音のアーカイブへ

行きと違って、帰りは下りなので、楽です。
この辺りは人気のスポットになっているのか、テレビカメラや写真を撮っている方が大勢いました。
 


 

棚田も海もやはり美しい感じです。
 

 

何となく唐櫃港の様子(船に乗れているのか、など)を見ながら、さらに歩きます。
 

 

唐櫃港の前には、レンタサイクル、アイス、たこ焼きののぼりが見えていて、子どもはアイスを買って食べていました。
豊島とは何の関係もない(たぶん)チョコとバニラのアイスでしたが、「美味しい」と言っていました。
それは、よかった。
 

 

牛さんから、30分ほどかけて、食べながら歩きました。
売店の方が「バスケットがある」と教えてくれたのは、きっと、これですね。

 
作品No. 032 勝者はいない─マルチ・バスケットボール イオベット&ポンズ
Artwork No. 032 No one wins – Multibasket Llobet & Pons


 


 

 

きっと、この後、長くここに残るだろうと思うのですが、やってみると意外とボールが入りません。
え、入りやすいだろうって?
まあ、やってみればわかります。
僕がこれをしているうちに、今度は奥さんは「ピザ」を買っていました。
移動販売のような車のピザ屋さんでしたが、カレーパンのような生地のピザでした。
どちらも特に豊島でなくても、という食べ物でしたが、まあ、何となく食べ物があると二人とも落ち着くようで、うまい、うまいと喜んでいました。

一休みしたところで、再び歩きます。
 

心臓音へのアーカイブへの道

 
また10分ほど歩くと、少し景色が変わってきました。
「王子が浜海水浴場」というのだと思いますが、とてもきれいな砂浜です。
 

 

 

僕の中では、海辺のカフカに出てくる砂浜のイメージというのは、こうした感じです。
(*いや、やはり後から考えると「松林」が要るな、と思い津田の松原の記事を書きました。)
 


 

海に鳥なんかがいると、もう少しカメラが上手に撮れたらいいな、とは思うのですが、子どもも疲れてしまったようで、「おんぶ」なんて言っています。
確かに、疲れる頃ですね。
 


 

あと70mだよ、と励まします。
 


 

やがて、着きました。

 
作品No. 034 心臓音のアーカイブ クリスチャン・ボルタンスキー
Artwork No. 034 Les Archives du Coeur Christian Boltanski


 

中は撮影禁止だそうですが、番号札だけ撮らせてもらいました。
 


 

ええとですね、これは家族三人暗闇の恐怖に怯えながら進みました。
真っ暗だから、一応「誰かいますかー」とか「どこまで行けるのだろう」と声に出しながら。
印象には残りましたが、子どもは怖かったようです。
この作品は大人向け。
 


 

もしこの写真だけ見せて、ここは世界的にステキなビーチです、と言っても多くの方は信じるだろうな、という美しい砂浜です。
ふと思うと、僕がこれまでかがわで見た中で、最もきれいな砂浜でした。
 

唐櫃港で船を待つ

まあ、その日のうちに船で帰らなくても良いような方は慌てることはないのですが、僕は帰りたいです、その日のうちに。
高松港で船に乗れなくっても、「残念」と言いながら家に帰るだけですが、豊島で乗れないと、その後を考えなければなりません。
唐櫃港から高松港への最終の船は17:30(2016年3月現在)ですから、17:00には乗船券が発売されるはずです。
 



 

子どもと奥さんは天気が良いので、別のところで座ってお絵描きなんかしていましたが、僕はチケットを買いに行きます。
ふらりと中を覗くと、若いカップルが3組(計6名)。
何をするわけでもなく、疲れた表情でスマホを見ています。
座席は彼らで埋まっているので(そんな中に入っていく勇気は流石にない…)、外に立っていると、しばらくして、何と僕の後ろに人が並び始めるではないですか。
いやあ、僕は列を作るつもりはなかったのですが、呼び水になってしまったようで(だって誰も並んでないんだもの)、皆さんぞろぞろと並び始めます。
仕方がないので、係の方に「乗船券を買うのには、並んだらいいのかな?」と尋ねると、「あ、はい」だって。

そうですね、今後もし僕と同じように豊島に行って最終便でどうしても帰りたい場合には、少し時間に余裕を持って様子を見ておいた方が良いのかもしれません。
結局唐櫃港からの船には全員乗れましたが、後で見たらその前の時間、家浦のフェリーには乗れなかった方もいたようです。
(その後はよく知らない)
まあ、船、食事は先着順、というが暗黙のルールのようですので、なかなか家族連れには厳しい仕様ですが、まあ、いつもどうにかなるのでしょうね。
 

 

再び登場したまりんなつ2号。
乗り込むと、ひと安心したのか、奥さんと子どもはまたしてもあっさり眠りました。
僕はカメラのレンズを外に向けます。
 

 

大船団ではありません、瀬戸内海を普通に行き来する船です。
イノシシが海を渡る、というけれど、こう見ているとやはりすごいな、という気がします。
庵治、八栗、屋島もここから見るとまた違った景色に見えます。
 


先日行った竜王山も見えました。
 


 

中央左に鉄塔のようなものがあって、その右の山だと思います。
向こうから見たら海の船ですが、こちらから見ると、ただの山。
しかし、当たり前ですが、それぞれに当然名前や行き先があるのですね。
 


 

麦わら帽子のような八栗さん。
何かのアニメに出てもおかしくないような形です。
最後に屋島ですが、これも変わっています。
 

 

いやあ、本当に昔は「島」だったんだろうな、という屋島の形です。
丁度北嶺側から見るとこんな感じなのですね。

そして、無事に高松港に帰ってきましたが、何だか港に着くととても安心します。
行って帰ってきたな、という感じ。
しかし、これもまた不思議なことなのですが、豊島に行っているその間より、帰ってきてからの方が、
「ああ、そういえば、あんな景色他にはないな」
と強く思うようになりました。
(今となっては行きの船に積み残されたことさえ)

今回は唐櫃港、唐櫃岡、唐櫃浜周辺の作品を見ただけでしたが、また別の機会に行って、他の作品も見てみたいと思いました。
奥さんは「もっと美味しい食べ物が食べたい」と言っていますので、今度はそちら方面も準備していくかも。

もし、この記事を読んで、これから豊島に行こうと考えている方は、どうぞお気をつけて。
いや、どれも、とても楽しかったですよ。

それでは、今日はこの辺で。

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

動画も作成しましたので、よろしければどうぞ。