両立支援 | いきょくのまねーじゃーのブログ

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市立砺波総合病院の整形外科医です

就労支援と両立支援

 

 一昨日は、院内の臨床倫理の講習会、昨日は砺波市内で腰痛セミナー、そして今日は、富山でのセミナーに行こうと思っていた。新しい知識をキャッチアップすることは、業務の性質上必要である。しかし、私の業務の中心は目の前の患者さんの治療をすることである。「先生、予約時間を守ってよね」と言われて、お詫びをしながらの外来診療の後、手術をして、病棟患者さんの回診をすると、時間的にも体力的にもきつくなった。

 

 セミナーに出かける前に、医局ラウンジへ行くと、外科のT先生に「この話聴きに行くぞ」と院内講習会に誘われた。テーマは「がん患者の就労支援」である。富山に行くのを断念して、今日は、これを勉強することにした。


 

 「働き方改革」で就労支援が注目されているという。厚労省が発行している「事業場に置ける治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000113365.html

という資料を中心に説明された。

 

 「就労支援」という立ち位置は、私たち医療人が行う支援である。言い換えれば、医療が中心の言葉である。一方、「両立支援」は患者視点の治療と就労の両立ということである。同じことを指すが、見る方向から言葉が変わることが面白いと思った。実際に行う就労支援は、ケースバイケースで患者さんも様々、会社も様々であり、「両立」は難しいことが多いようである。二兎を追うもの…なんてことわざは嫌いではないが。

 

 今日は富山に行くのを諦めたが、別の知識を得ることができた。限られた時間で、業務をこなし、新しい知識を得る。これも「両立」が難しい。それは時間的にも体力的にも…でもいろんな知識を得ながら業務ができる環境がありがたい。ただこれだけ続くと、私の性能の悪い脳と身体は、「両立」を拒もうとする…「両立支援」むずかしいなあ。