「ジェジュンの様子はどうだ?」

「今、ようやく落ち着いて眠ったところだ」

水を汲んできたユンホに男は言った。

男はユンホの汲んできた水をポットに注いで火をつけると、部屋の中央にある椅子に腰掛けた。

「恐らく頭に強い衝撃を受けた影響で脳震盪を起こしたんだろう、少し休めばじきに良くなるはずだ」

男は言ってユンホの方に視線を向けた。

「…それにしてもいったい何があったっていうんだ」

ユンホはベッドに横たわっているジェジュンを見た。

あの時、ユンホがジェジュンに質問をしていた時

「ここまではなんとなくわかった。俺がいた地球と今いる地球は別次元に存在している所までは…だけど、わからないのは…何で俺はこの世界に来れたんだ?」

「それは恐らく…」

ドゴォォン(物凄い破壊音)

「なんだいったい!!」

突然物凄い破壊音が部屋中に響き渡る。
同時に、外からは村の住人達の叫び声が聞こえてくる。

「ユンホはここで少し待っていてくれ」

ジェジュンは言ってユンホに部屋へ留まるように促した。

そしてユンホが頷くのを確認すると、一人部屋を出ていった。

いったい何が起きたというのだろうか。

ユンホは窓から外の様子を伺ってみた。

あれは…

外では村の住人達が右往左往して逃げ回っている。
そして、なんと逃げ回る住人達を捕まえようと獣人が何人も村の中へ入りこんでいた。

さっきの破壊音は獣人が門を破壊した音だったのか。

ユンホが村の隅の方へ視線をうつすと、もう既に沢山の住人が獣人達の手によって捕らえられていた。

続々と新たに住人達が捕らえられていく。

しかも、ユンホの目の前。

窓を挟んだ先で捕らえられそうになっているのは、あの時案内をしてくれた子供達だった。

子供達の怯えた表情の目と鼻の先には獣人達の手がすぐそこまで伸びている。

助けないと…

ユンホが窓に手をかけた時だった。

子供達を捕らえようと手を伸ばす獣人達の体が一瞬よろけた。

ジェジュンだ。

子供達を助けるためにジェジュンが獣人に体当たりをしたのだ。

獣人がよろけた隙に子供達は逃げだすことに成功した。
しかし次の瞬間獣人達の手は、ジェジュンのもとに伸びてきた。

ジェジュンは伸びてきた手を払い除けようと力いっぱい抵抗を試みたが、体格で勝る獣人から逃れる事は簡単ではなかった。