牡牛座の人89(Y−side) | ともりの気分

ともりの気分

東方神起大好きなともりです(^^)
チャミを溺愛し、ユノに癒される毎日。
二人を永遠に応援し、愛します。
小説に挑戦しています。
お見苦しい内容もありますが、
共感してくれると嬉しいです(^_^)v

「チャンミン、エサつけれる?」

できると言って強がってはいたものの、やっぱりビビっていたチャンミン。
自分の竿を垂らし、振り返ると、チャンミンの目の前に、一人の男が立っていた。

「ん?」
チャンミンもそれに気付いたのか、顔を上げた。

「やっぱり、君か。シム君」
「あ、えっと…」

その男はチャンミンを知っているようだったか、
チャンミンは戸惑った表情を見せた。

「ははは、名前知らなくて当然だ。すれ違うくらいだからね」
「確か同じフロアで…」

「そう、研究室と同じフロアにいるよ。」

チェ シウォンだ」

「チェ…さん。すみません、お名前を存じあげなくて」

「いや、当然だ。部署が違えば顔だけは見たことが…なんて人は沢山いるさ。

シム君、釣りするんだ?」

「い、いえ…2回目で」

「エサが気持ち悪いのか?

俺がつけてやるよ」

「いえ、自分で…」


「私がしますので大丈夫です」

俺がそう言うと、チェと言う男は

少し驚いた顔をして振り返った。

「失礼、連れがいたのですね。

私、シム君と同じ会社に勤めますチェと言います。と、言っても、話すのは初めてですが…」

「チャンミンがお世話になります」

苛立つのを我慢して、

冷静に冷静にと自分に言い聞かせる。

「チェさん、どうして私の名前を…」

「えっ?!ああ、まあ…キレイな顔立ちの人がいると、同じフロアの人たちが話していたからさ…」

「えっ…」

「チャンミン、竿貸して…」

チャンミンから竿をひったくるように受け取る。

これ以上、コイツと話していたら、

殴ってしまいそうだ。


間違いない…コイツはチャンミンを狙っている。

そう感じた。


「ありがとう、ユノ」

無邪気な笑顔でそう応えるチャンミンにも、隙がありすぎて苛立つ。

いや、俺が嫉妬しているだけなんだ。


「あ、君、竿が…引いてるよ」

「えっ?!あ、わあ!」

あっという間に、竿が持っていかれ、

生け簀に竿が落ちてしまった。

「残念だったね。

じゃあ、シム君、また会社で…」

「失礼します」


アイツは含み笑いをしながら、

去って行った。

「ユノ?竿、もう一度もらってこよう」

「…」

格好悪いやら悔しいやらで

しばらく立ち尽くしていた。