色んな書類など手続きが大変だったが、
お店のお客様に頼んだようだった。
1ヶ月後…
僕がユノヒョンの家に引っ越しする日。
僕の荷物なんか少ないから、ユノヒョンの車で二回往復すれば運べてしまった。
ユノヒョンの部屋の隣にあった客間の壁を抜いて、僕らのためにユノヒョンの部屋は二倍以上の広さになった。
僕の荷物を入れても余裕で広い。
僕はそこに小さなお仏壇を買った。
お父さんが僕のために貯めていてくれたお金の一部で買えてしまうほど、小さな小さなお仏壇。
そこに、お父さんとお母さんの位牌を入れた。
ちょっと狭いけど…我慢してね。心の中で呟いた。
「よし…これで今夜から暮らせるよな?」
「うん、アパートはもう空っぽだし…あとは大家さんに鍵を返してご挨拶するだけ…」
「じゃあ、先に行ってきちゃえば?
俺、母さん手伝ってるから!」
「うん、ありがとう。行ってくる!」
今夜はおじさん達がお祝いしようと言ってくれて、豪華な食事にしてくれるみたい。
さっきからいい匂いが家中漂っていた。
大家さんに最後のご挨拶をし、
帰ってくると、リビングのテーブルは沢山の美味しそうなお料理でいっぱいだった。
「さあ!始めようか!」
おじさんの一声でみんな席についた。
「今日はお仕事お休みにさせてしまってすみません…」
「今日は日がいいし、明日は休みだ!ゆっくりできるだろう?」
「お父さんはゆっくり飲みたいんでしょ?」
女将さんがそう言って、みんなで笑う。
「さあ、乾杯だ!
チャンミン、ようこそ我が家へ!」
「乾杯!」
あれ…?今、おじさん、「チャンミン」って…。
いつもは「チャンミン君」なのに…。
「今日から親父たちは、チャンミン君って言わない。だから、チャンミンもおじさん、女将さんはやめろよ?親子なんだから…」
「あ…うん…」
そうか、親子なんだ。
何だか照れくさい…。
でもそんな照れくささは、食事やお酒が進むうちに忘れてしまった。
「お父さーん、はい!」
お父さんのグラスにビールを注ぐ。
「親父、飲み過ぎじゃないか?」
「今日くらい、いいじゃんっ!」
「チャンミンもっ!」
「いいじゃんっ!」
ユノヒョンが呆れるほど、沢山飲んでしまった。
楽しくて楽しくてたまらない。
温かくて温かくて…何かに包まれているみたい。
お父さんとお母さんの大きな愛と、
ユノヒョンの無限大の愛と…。
家族だけじゃない。
カンタヒョンも、シスターも。
イトゥクさんもミンホ君も職場のみんなも。
みんなの大きな愛で、
僕は本当に…沢山の愛をもらって生きてきた。
そしてきっとそれはこれからも…。
fin