靴の話4
今日も靴のお話。と言うか今夜の靴は「白蛇伝」に登場する小青(青蛇)が立ち回りの時に履く靴です。
この小青、誠に健気な役どころで色男で駄目男の許仙に尽くす白蛇を陰日向に支えるし有名な断橋の場面では縁りを戻した二人に気兼ねして去ろうとするし倒塔では修行を積んで白蛇を助けると言う主役顔負けの活躍をするんですなあ。
で、この靴は昔梅蘭芳師が白蛇伝を演じた時青蛇を演じた息子梅バオジュー師のレプリカってことで作ったものです。でも資料が少なくて自分のイメージとは違う出来栄えです。
こぼれ話ですけど物語では小青は侍女と言うことになってますが本当は男で負けたら手下になる条件で白蛇に決闘を挑みお約束?どおり負けて白蛇のお供になったが男の姿では拙いと言うので女に化けたと言うのが真相らしいです。うーむ青蛇はオカマだったんかい?(笑)
靴の話3
京劇を学ぶ友人で立ち回りが得意な娘がいる。その彼女が集めているのが靴。お気に入りの靴で練習をすると気合が入るそうだ。
靴を集めると言えば故マルコス大統領のイメルダ夫人が有名だが男性と比べて女性の靴の所有数は圧倒的に多い。私も一応男なんで普段の靴は4、5足しか持って無い。それで十分だ。
しかし京劇の靴はある。現在9足持っている。しかも普段どころか履く機会はまず無い。(苦笑)
野郎の靴なんて眺めていても面白くも何とも無いが京劇の靴は違う。色、形、刺繍など見ているだけでストーリーが浮かんでそれに合わせた衣装や小物などのイメージが広がる。
今日の靴は穆桂英の衣装に合わせた薄底靴で花の刺繍が綺麗です。自分じゃ立ち回りなんて無理ですがこの靴を履いて完全装備した姿を想像するだけでワクワクします。(重症だね)
靴のお話2
今日も靴のお話です。初めて劇照した時に鉄鏡公主の衣装でも写した。他の衣装と違い長袖のチャイナドレス風の旗装は許容範囲が狭く早い話ツンツルテンだった。(涙)袖丈も短かけりゃ着丈も短い。で私の足に合う花盆靴なんてのは無い。仕方が無く普通の彩靴での劇照撮影となったがなんとも絞まらない姿で当然のように膝から上の撮影になった。
悔しいので自前の衣装を作ったが問題があった。鉄鏡公主と言う扮装は異民族の為例の花盆底を履くのだ。頭飾りも旗装頭と言う大きな物を乗せるので身の丈2mの大女が出来上がってしまう。少しでも小さく美しく写りたい女形心が訴える。「背が高くならない靴が欲しい」と軍師チャンさんに相談した。シークレットシューズ(背が高く見える上げ底靴)成らぬ下げ底靴?が欲しかった。
「これでも間違えでは無いですよ」と薦められたのが船底靴と言うそれでも5センチぐらいの高さのある靴をお揃いで作った。で何とか全身写真を撮ることに成功。しかし京劇ファンに見せると靴が違うと指摘を受けるがその度に説明しても疲れるのよ。
以上の理由でハンディキャップを承知で花盆靴を作ったのだす。聞くも涙、語るも涙のお話だ(笑)
これで再度、北京リベンジ劇照を目論む敦蛾衣でした。
今日の靴は「温如華レプリカ」に合わせて作った花盆底です。船じゃないよ。ホットドッグでも無いです。(笑)
こんな稚拙なブログにでも毎日7、8人の方が訪れて頂ける事に感謝します。
靴のお話
現在、京劇で旦を演じるのは殆どが女性で当然体格など男性よりも一回り小さいです。なので劇照店などの衣装や靴も女性サイズが多い。オイラは血統書付きの農耕民族体型なんで骨太で手足がデカク出来てる。だから出来合いでは入らないことが多い。(因みに27センチの4E)
仕方ないのでオーダーで作るのだが悪い事ばかりじゃないんだよ。(負け惜しみ)
オーダーってことは服に合わせた靴が出来ると言う事さ。つまりお洒落は足元からってこと。(笑)
立ち回りの衣装以外は靴が直接見えることはあまり無いんだけど時々チラッと見えるの。
見えないところに拘るのが本当のお洒落だ!と言ったとか言わなかったとか?
今日の画像は赤の蝶乱舞旗装とお揃いの花盆底の靴です。(船じゃないぞ)
比較対象物が無いので判り辛いと思うが重いしデカイ!それにこの靴底で歩くには慣れが必要か?
まるで花魁のポックリでありんす!でも綺麗でしょ?
新しい衣装
昨日、届いた衣装のことを考えて一日ニヤついていた敦蛾衣です。(不気味)
今日の紹介は白の旗装で大きな赤い牡丹が刺繍された美しい衣装です。
この衣装は「温如華」と言う男旦が1988年の10月に南京で演じた「鉄鏡公主」で着ていた物のレプリカで赤い牡丹は6色の糸を使い深みを出し金糸で枝葉を描いてあります。
この役者さんの名前を聞いて「さらばわが愛 覇王別姫」を思い出した方は相当のファンですね(笑)
そう、彼は故レスリーチャンの吹き替えをした方なんです。去年北京で偶然見つけたパンフレットに彼の名前を見た時運命を感じましたね(笑) で、その中の写真で着ていた衣装なんです。
レスリーの美しさに驚き京劇の世界に足を踏み入れてそのレスリーの吹き替えをした役者さんの衣装ですからこれは作らないと!と勝手に思い込んだ1枚です。(爆笑)
首が長くなった。
去年の暮れに北京で衣装をオーダーしてきた。そうそう行けるところでも無いのである程度まとめて注文した。4月には出来ると言われ取りに行けないので送ってもらうことに。
本日、めでたく我が家に配達となりました。万歳三唱です。はい、皆さんご一緒に!(笑)
で、内訳は穆桂英(梅蘭芳レプリカ)、黄皇巾+皮(杜近芳レプリカ)、旗装(蝶乱舞)、旗装(温如華レプリカ)、青蛇(梅バオジューレプリカ)で鳳還巣の6枚は3月に到着してたんでこれで全部。総重量17kgだ。
靴も4足、七星額子など小物も多数。
今日から画像をUPして行きますのでお楽しみに。
今日の紹介は「梅蘭芳師」の高弟「杜近芳師」が台湾公演で孫尚香役で着ていた衣装のレプリカです。
通常の鳳凰牡丹皇巾+皮に全体に金糸で草模様をあしらってあります。