劇照一家北京珍道中2 | 蛾衣の京劇衣箱

劇照一家北京珍道中2

さあ、2日目の朝だ。北京の空は今日も曇りだが早朝からスケジュールが詰まってる。頑張るぞ!!

今日はママが開拓した新しいお店で劇照だ。毎度の事ながら新しい店は緊張するんだ。一般の観光客向けの劇照(単に京劇役者の扮装して写真を撮る)レベルでは我々の欲望は満足出来ない。安い!上手い!美しいの三拍子揃ったお店を探しているんざます(笑)


しかし、ママの情報収集能力には毎度感心しちゃうよ。遠く日本に居ながら北京の劇照店を探し当てる技は誰にも負けないであろう。これぞ匠の技だな。(爆笑)ワシはひたすら小判鮫。なんせ京劇の海は広くて深いので自力では溺れてしまうのじゃ。


通訳に連れていかれたのは天橋楽茶園。つまり大衆演芸場だね。入ると目の前に広がる空間には湖広会館に似た作りの舞台と客席。うーん、嫌な予感。色々あったけど中身は割愛します。で、良かった事のみ書きますかね。


北京で初めて舞台に上がったよ。勿論客席には誰も居ないし音楽も無し。でも舞台の広さにちょっと感動。これで自分の衣装だったらもっと感動したんだろうけどね。それとお店のおじちゃん。これがとっても良い味を出してるおじちゃんで喋れないオイラの側に来て親指を立てて「ハオ!」と褒めてくれた。ヒョコヒョコと側に来てはお茶を継ぎ足してくれる。お髭がセクシーだ(笑)胡桃を握っているのかコリコリ小さな音を立てたり瓢箪で作ったコオロギ入れを大事に磨いて見せてくれたりと人懐っこい笑顔が印象的でした。また、逢いたいものです。


遅いお昼を食べた我々が向かったのは我が心の故郷劇装街。車窓から見える場違いな黄色いホテル。おおっ!8ヶ月振りに帰ってきたぞ!しかし、タクシーの運ちゃんは100mほど通り過ぎる。まあ、無理もないか?それほどメジャーじゃないもんね。(苦笑)


大通りから狭い路地が劇装街。ここも来る度に変化する。初めて来た時は如何にも中国ってな路地裏だったんだ。汚れた道に洗濯物が風に吹かれてるし荷物を積んだ自転車が行きかい狭いお店が並ぶ通りだった。それが今じゃホテルが出来て向かいの公衆トイレも外観が綺麗になったりと雰囲気が一辺。


でも変らないのはお店の人の笑顔。劉店主さまが満面の笑みで迎えてくれた。若社長もオデコが光ってる(笑)お姉さんも相変わらず。うん?知らないスタッフが一人増えている。で、店内に入ると猫耳さまご夫妻が待っていた。そこに劇照一家が乗り込んだもんだから店内は一気に狭くなる。(笑)


それからが大変!!パパは新しい衣装のオーダー、ママは刺繍の発注、娘は劇団の衣装受け取りと3人が一斉に動き出したからもう大混乱。そこへチャンさんが日本から電話で通訳をしてくれる。狭い店内で入れ替わり立ち代り電話に出て状況と希望を説明、そして劉店主さまが電話に出る、その間でも若社長とオーダーの話、我々一家3人プラス劉店主、若社長、チャンさんと話が錯綜しグチャグチャ!!


猫耳さまのご主人に助けて貰いつつオーダー終了。若社長が出して来た白い女蟒がとても素敵だったので即ゲット(笑)初めて見る型だったので我慢出来ませんでした。(恥)その他に鳳凰女蟒をオーダー。これはどうやら葬式の場面で着るものらしいがオイラは役者じゃないのでアレンジしてシックな色の鳳凰を天然色に換えて作ることに。それと万字錦地女蟒も作った。


だが今回の一番の目的はリンズ、翎子でやんす!前回一組手に入れたんだけど根元の色違いがどうしても欲しくなって良いリンズを頼んだのだ。「高いですよ~」とチャンさんに聞いていたけどマジで高かった(涙)

二組で3000元だったよ。(汗)刺繍をした腰包(スカート)が1枚1500元だから一組のリンズと同じお値段だ。


娘も練習用のmyリンズが欲しいと言い出してご購入!で、お値段は400元。何処が違うんだ?娘曰く「パパのリンズは長くて太い厳選されたものなので高い」知らなかったよ。娘のお師匠さんもリンズを塩ビパイプに入れて大事に保管してるそうだ。そう言えば劇照店でも大切そうに筒に入れて保管してたなあ。オイラは剥き出しで部屋に吊るしてる。(汗)帰ったら大事にするべ。


他にも槍と女太刀、青蛇の双剣と荷物が増えた私はオーダーが終わり店を出て一端ホテルに戻ることを提案。まあ、この格好では荷物が邪魔でゆっくり晩飯も食えない。それに明日は最大のイベントが待ってるから今夜はゆっくりしようと一家で意見が一致。ホテルの側で食事することにした。


明日に続く。