村山槐多の『尿する裸僧』が見れるのがこの信濃デッサン館。
長野県の上田市、信州の鎌倉と言われる地域にあります。かな~り山の中をグイグイ車で登っていくことになりますが、のどかでよい所にひっそり佇んでいます。周りはほぼ山か畑か民家、ですね。
村山槐多は22才と5カ月の若さでこの世を去った夭折の画家、であります。折しも自分がちょうど彼が生きそして死んだ年齢にいて、ふと思い立ってこの作品を見に行ってきました。少し前ですが、ゴールデンウィークに行きました。
『尿する裸僧』はタイトル通り、裸の僧が托鉢に向かって小便をしている絵です。合掌しつつ、祈るように小便を注ぐ、赤くて力強い絵です。 一度見たらものすごい衝撃を与えてくれる絵で、高校生の頃偶この画家を知ってから、ずっと見てみたいと思っていました。
彼は世界は青でも黄色でもなく赤だ!と言い世界の全てをガランスで描こうとしたそうです。ガランスは、血、の色です。
小さな美術館ですが入って順路があるとしたら、おそらく一番目に『尿する裸僧』は展示されています。
やはり強烈な印象の作品で、真摯な情熱が伝わる作品でした。
強烈な色彩の赤と、黄色と。尿をしながら彼の思う事は何なのだろうと考えて、彼の視線を追いたいと思うのだけれど、その表情は達観しているようでもあり諦観のようでもあり。しかし、伝わる雰囲気はただものじゃないのです。
ちょっと時間が経過して冷静に考えると、絵を見た時のあの奇妙な印象は、なんというか真摯に熱く訴えかけてくる姿勢が美しく、力強くむき出しの感情がすぎて少し痛ましくもあることにあると思い到りました。
そしてそこに自分は少し後ろめたさを感じたのです。
一点目でついつい見入ってしまいますが、その他にも展示物はたくさんあります。他の槐多の作品からも彼のまっすぐな性格がうかがえます。
槐多は小説なんかも書いているようで、青空文庫で公開されているので無料で読むことができます。
詩集があるのは知っていたのですが、小説がまたこれ素晴らしく面白かったです。
……作品集とか詩集欲しいなぁ。
信濃デッサン館は銘打つ通り展示物はラフスケッチが多く展示されています。
驚いたのは館内にドア付きの小さな部屋があって、その中にウィリアム・ブレイクとエゴン・シーレの作品が何点かあったことでした。
自分は一応英文科に所属していたので詩の授業で読んだウィリアム・ブレイクにこんな所で出会うとは考えもしませんでした。
Tiger!Tiger!
最近では怖い絵2にウィリアム・ブレイクの悪魔の絵が載ってましたね(立ち読みでうろ覚えです、すみません)
と、いいつつ、気に入ったのはエゴン・シーレのデッサンでした。
少し離れた所に槐多庵という別館もあって、こちらも色々な作品があって楽しかったです。
信濃デッサン館に入場すると無料で入れる(共通チケット)ので、ちょこちょこ歩いてみてまいりました。
建物自体が面白い作りで、絵を見ながら、天気が良い日なら外から差し込む日差しに照らされた室内を周るのはとても良い気分でした。
ここでは吉岡憲という画家の絵が好きでした。なんか、検索したら2003年あたりにささやかな展覧会をしていたみたいで……行きたかった。
あの色の使い方が好きです。茶色なのに茶色じゃない、みたいな。
なんか展覧会逃しがちなんだよなぁ。若冲とかブレッソンとか。ちくしょう。
さりげなく、カフェの割引券がついてくるので帰りがけに少し寄って余韻に浸るのも良いかと思います。
別館・無言館は必見の美術館でありますが、地元住民である自分は行ったことがあるので今回は信濃デッサン館のみ行きました。ちなみに県民は9割方高校までにこの美術館に親に連れてこられます。確かに、色々考えさせる機会を与えてくれる美術館です。
通り道には生島足島神社もあったり、その他地味な観光地が点在しているので車で一日遊びまわるのも面白いと思います。
と、いう自分の旅行する金がないから帰省先でちょっと変わったところに行って旅行気分を味わおうの会でした。



















