こんにちは。

 

なんかね、最近ジャニーズ事務所の話ばっかりで申し訳ないと思うんですけど、長年会社勤めをしていて、社業に関しても知識がついてきた私としては、今回のジャニー喜多川氏による極悪犯罪に対するジャニーズ事務所の対応があまりにおかしいので、つい書いてしまうんです。

 

今回は、最近ちょっと気になった、ジャニーズ事務所の9月13日付プレスリリースについてです。

 

 

このプレスリリースの一番最後に書かれていることが気になりました。以下一部を引用させて頂きます。

そして、皆様にご迷惑をお掛けしている事柄につきましては加害者である故ジャニー喜多川と弊社の体制に原因がございます。
弊社は失った信頼を回復できるように全力を注ぐととともに、今後1年間、広告出演並びに番組出演等で頂く出演料は全てタレント本人に支払い、芸能プロダクションとしての報酬は頂きません。

記者会見の後、各大手企業のスポンサーが一斉にジャニーズ事務所所属のタレント起用を見送る旨の発表をしており、ジャニーズ事務所も相当焦っているものと思います。

 

恐らく、ここまでの事態になるとは想定していなかったのでしょう。

私などは想定してないことすら「甘い」と思ってしまうのですが。

 

そんな訳で「今後1年間、我々ジャニーズ事務所は決して儲けませんから、引き続きタレントを使ってください」というメッセージだと思われます。

 

確かに、この期に及んでジャニーズ事務所の所属タレントを使うということは、あんな事件があっても特に体制を大きく変えることもないジャニーズ事務所を儲けさせることだから、ジャニーズ事務所と契約を続ける企業の感覚が理解できない、と私も思っています。

 

だけど、問題はそこじゃないんですよね。

 

今回、各企業が急に動き出したのは、先日の記者会見において、ジャニーズ事務所が改革するとは思えないと結論づけたからです。

ジャニーズ事務所が自らのガバナンスを改革するならば、まずは会社の代表者は責任を取り、大株主であるその代表者は株式を手放し、その売却益で被害者の方たちにきっちりと賠償をする、そして忌まわしい加害者の名前を社名から消す。

これによって解体的な改革の準備ができると思うんです。

 

ところが、ジャニーズ事務所(東山紀之氏を始めとした経営陣)は、よほど現状を変えたくないのか、責任も取らず、株式も売却せず、社名も変えていない。

 

今回の発表は、「金は儲けないから引き続きよろしく」というメッセージにすぎず、私にとっては「結局金で解決するのか?」という新たな不信感を生む結果になりました。

 

更に、いろいろと考えてみました。

 

例えば、現在CMやテレビ出演などでジャニーズ事務所が得ているジャニタレの契約料を100とします。この契約料は、タレントに支払われるギャランティ(仮に50とします)、ジャニーズ事務所で企業として発生する諸費用(人件費、経費など)(仮に20とします)、そしてジャニーズ事務所の利益(厳密には「残ったお金」)で構成されています。

事務所に残ったお金は、この前提では100のうち30になります。

 

今回のジャニーズ事務所のプレスリリースでは、

広告出演並びに番組出演等で頂く出演料は全てタレント本人に支払い、芸能プロダクションとしての報酬は頂きません。

とあるんですが、タレント本人にはいくら渡ることになるんでしょうか?

いくつか可能性を考えてみました。

  1. ジャニーズ事務所から本人に100渡す。そうしたら本人の手取りが50から倍増になります。
  2. ジャニーズ事務所が100の中から諸費用20を差し引いて、残り80を本人への出演料にプラスして渡す。これでもタレントの手取りは大幅アップですね。
  3. 企業・広告代理店やマスメディアが支払う金額を50に減らす。ジャニーズ事務所はその50を本人に渡す。ただしこれだと契約料と支払う金額に齟齬がでます。

いずれも、どうも非現実的な気がします。

 

そこで気になったのは、「芸能プロダクションとしての報酬」とは何を意味するのか?という点です。

「報酬」はあくまで何かを行ったことに対する対価と考えるのが一般的ではないかと思うので、ジャニーズが契約している金額(すなわち上の例では100)ではないかと思います。

しかしきっと違うと思います。文面からすると「残ったお金」、すなわち上の例では30を指すように思います。

 

じゃその「残ったお金」はどこに行くのか?入金がされない限り、タレントに渡さなければどこかに残ってしまいます。

 

で、いろいろ考えてみた結果、実際はこんなことだろうというのが私の結論です。

 

「ジャニーズ事務所は企業・広告代理店やマスメディアから、出演料と別の名目を分けてお金をもらう。出演料の方はタレントにそのまま渡すが別の名目の方は必要な費用等を支払い、残りは儲けにする」

 

あるいは、

 

「出演料はそのまま渡し、それ以外(ファンクラブ会費など)で儲ける」

 

のどちらかかなと。

でもファンクラブの会費だけで会社を継続させるのは難しくない?という気もしますので、おそらく前者ではないかという気がします。

 

現実的とは言え、「出演料は全部所属タレントに渡してます。でも実は別の名目でお金をもらってます。出演料を全部渡しているのは嘘じゃないでしょ?」では、人を騙した発表と言わざるを得ませんね。

 

もしジャニーズ事務所の直近、そして1年後の決算書類を見れば分かってくると思いますが、公表なんて絶対しないでしょうね。でも見たいなあ。

 

実際どのようなことをしていくのか?注目していく必要があると思います。