歩道がないということは、歩く人などない場所だということか・・・。でも、突然なくなるなんて、あり得ない。でも、警告らしき標識も見た覚えがない。まあ、ぶつくさ言ったところで歩道が降って湧くわけはないので、歩くしかない。(ドライバーはヤク中だと思うかもネ。そんなものには縁がないから、警官に薬物検査されても平気だもんね~だ。)
しばらく我慢して歩いて行くと、やはり歩道が復活してほっとした。あちこちで「スター・ホームズ」という看板の無人スタンドがある。ハリウッド・スターの家、いや大邸宅を記した地図だ。お土産にもなるけれど、趣味ではないので無視。
地図で見ると一本道で分かりやすいから歩いて行こうと思ったものの、やはり遠い。3時間ほど歩いて、まだかなあ~、と思い始めた頃、ようやく大学の裏口らしきものを発見。いま着くか、いま着くか、と思いながら歩いていたので、休憩もしなかった。疲れたし、お腹も空いていたので、先ずは学食に直行だ。
ガイドブックでキャンパス内の配置を調べておいてよかった。迷わず目的のビルに辿り着き、ホットドッグを注文すると、調理係のお兄さんが「オニオン・リングも?」と訊くので、「イエス。」と答えたら、先ずはオニオン・リングを出してきた。ホットドッグが出てくるのを待っていたら、「他に何か?」と言うので、「ホットドッグを待ってるの。」と応えると、「なんだ、ホットドッグだったの?じゃ、オニオン・リングはいらない?」と来た。メンドクサイなあ、どっちも要るよ!私はお腹空いてるの!東洋人だからって、からかってる?・・・とは思ったけれど、どうだっていいことだし、早くレジに行きたかったので、余計な問答はやめた。
ホットドッグにオニオン・リング、牛乳で学生っぽいランチが載ったトレーを持って、テラスのテーブルで食事を始めた。ほどなくお爺さんが「ここ、いい?」と言うので、「どうぞ。」と応えた。作業服を着ていたので、大学のスタッフかな、と思った。専攻は何かと訊かれたので、ここの学生ではなく、観光客だと応えた。
「ダンスは好き?」展開しそうな質問だなあ。
「ええ。」
「俺も。東洋人って好みなんだよね~。」
「そうなの?」
「だって、肌が綺麗だし。」オッサン、なに考えてんの?どう見ても、私の祖父くらいなんだけど。
一緒にナイトクラブに行く話は断り、さっさと食べ終え、席を立つ。
「じゃあね~。よい一日を!」
「君もよい旅を~。」
一度はっきり断ると、追いすがらないのが潔い。こうでなくちゃね。
食事の後はキャンパス散策。逆説の泉とかいう逆流噴水(泉は水が湧き出ている一方、これはすり鉢状の池の中央に水が吸い込まれる設計)の縁に腰かけて、しばらく学生たちを観察。芝生の木陰などで、みんな、よく勉強している。それが当たり前なんだけれど、日本の大学生も見習わないとね。(自分のことを「よく勉強した」とは言わないが、少なくとも遊びまくることはしなかった。それがいいのか悪いのか、知らないけど。)
正門の方へ歩きながら、切手を買おうと思い立ち、通りすがりの学生に訊くと、自販機の場所を親切に教えてくれた。多分、彼女は私より若いと思うのだが、彼女は私を新入生だと思っているように感じた。いかにもお姉さんが妹に優しく教えるような温かさがあったのだ。
教えられたとおりに行くと、そこには先客がいた。≪つづく≫