サンタモニカに行った時のこと。流石にサンセット・ストリップからは遠いので(UCLAよりも遠いのでめげた)、初めて行ったときはシャトルと呼ばれる乗合タクシーを利用したが、結局タクシーと同じだったので、2回目はバス路線をしっかり調べ、RTDバスで海岸まで行くことにした。
・・・ところが、あろうことか、サンタモニカ通りの途中で、「このバスはここまで。先に行く人はトランスファー・チケットを使って。」と言われた。
え~!車庫入りバスだったのぉ?先に言ってよぉ~!・・・と思ったものの、行かないものは仕方がないので一応チケットはもらった。ただね、ここのバスはいつ来るか分からない。日本では当たり前の運行時刻表なんて、元々ない。
待つの、面倒。そう思ったら、脚が勝手に歩き出した。とりあえず真直ぐ行けば、そのうち海が見えてくるはずだから、迷いようがないでしょ?などと自分に言い聞かせたものの、そりゃあ、心細いわよね。でも、そういう顔をしていると、すぐ付け込まれるから、「地元に住んでいて、散歩中」の人を演じていた。まあ、気分だけでも、ね。
しばらく行くと、向こうから千鳥足のオジサンがやってきた。まだ午前10時なんですけど・・・関係ないか。私の前を行く女性二人の方へふらふらと寄ると、二人はよけて行った。
・・・わぁ、次はワタシよね・・・。とりあえず、真直ぐ前を見て、オジサンに気を留めていないフリをする。
「小銭くれる?」来たぁ!そりゃあ、見逃してくれる訳ないもの。
「持ってないわ。」最大限の努力で、すまなそうな顔を作った。
ふ~ん、とオジサンはこだわりなく行き去った。やれやれ、と思う間もなく、後ろから声がかかった。
「ヘィ!」
え、なんなの?振り返ると、あの酔っ払いオジサン。
「気をつけてな。」
あなたに言われるとは、かなりオドロキなんですけど・・・。まあ、こちらとしても安心したので、とりあえず感謝かな。
「ありがとう。あなたもね。よい一日を。」
オジサンは高く手を挙げて目で挨拶すると、歩き去って行った。
そう、これが極めて珍しいケースの二件目。これだけでもかなり観光価値があるわよね。≪つづく≫
