通航量値上げ、安定供給の課題山積

パナマ運河の渇水が深刻化しており、「過去100年で最悪の干ばつ」と評されている。米有力紙ブルームバーグによると「水不足により距離50マイル(約80キロメートル)の運河を通航できる船舶数が限定され、数日あるいは数週間にわたって列を成して待機する状況が発生している。こうした船舶には自動車や消費財、果実、燃料などが積載されている」と報じた。パナマ運河は淡水で運営された人工湖であるため、枯渇した水を海水で補うなどの方法をとると設備の不具合にもつながるという。

パナマ運河の通航量は値上げされており、早期通行のためにドライバルグ船が通常は40万㌦であるところをオークション実施などで90万㌦までの値上げも確認されている。

懸念すべき点はLNG船だろう。米シェールガスを輸入するにはパナマ運河を通航する必要がる。地政学リスクを分析し、産ガス田における分坂の重要性が浮き彫りとなっただろう。さらに、ウクライナ戦争に加え、パレスチナ問題など安定供給確保には不安が残る。