ヘーベルハウス。
この名前を聞くとワクワクします。
僕ほどヘーベルハウスが好きな人って
世の中にそんなにいないんじゃないかと
勝手にそう思っています
ある本を手に入れました。
旭化成ホームズの代表取締役だった方が
執筆された本です。
もう出版から10年経ちます。
興味深い内容が盛りだくさんでしたので
小話を紹介します。
後発・負け組へーベルハウス
事業の多角化のために畑違いの
建築業界に手を出しだ旭化成。
最初はソ連のALCを使うが、
欠陥品が見つかり販売中止に。
見事に失敗。
その後、ドイツにあるALC、
ヘーベルをついに見つける。
しかし、1970年頃の旭化成は
建築業界の中では弱小メーカー。
積水ハウス、大和ハウス、ミサワホーム
と比べ大きく水をあけられていました。
積水ハウスに教えてもらった
住宅のノウハウがなかった旭化成。
同業他社から教えを請うていました。
特に積水ハウス、積水化学工業。
日本窒素グループで一緒だった企業。
今のへーベルハウスはあるのは
積水ハウスやセキスイハイムのお陰
木造住宅スクラムハウス
1990年代、シェア拡大を目指して、
木造住宅の分野に進出。
その名もスクラムハウス。
日本で初めて構造計算のできる
木造住宅だったらしい。
が、売れなかった
スクラムハウスは5年で撤退。
今でも鉄骨にこだわるへーベルハウス。
この失敗がトラウマになっているのかも。
都市型住宅に特化
ヘーベルハウスは『家は資産』を提唱し、
耐震、耐火、耐久性能を売りにした
ロングライフ住宅を展開。
構造性能は抜群だが、他社よりも
2割強も価格が高い。
そんな高い家を誰が買ってくれるのか
調べてみたらしい。
- 住宅密集地での建て替え
- 高級住宅街の広い土地持ち
- 新たに造成された宅地の土地持ち
- 千葉、埼玉、神奈川の自家所有の田畑を造成
- ヘーベルハウスの性能が発揮できるのは都心の過密地域
- 他社より高いへーベルハウスを購入するのは土地持ちのお客さん

へーベル版をやめようとしていた
1990年のこと。
どうしたら売れるのか考えていて、
ヘーベルを捨てる覚悟もしたらしい。
ベーベルより優れた建材探し。
「血の小便が出るほど皆で苦闘した結果」、
ヘーベルより優れた建材は存在しない
という結論に至ったという。
1970年に始まったへーベルハウス。
53年経っても未だにへーベル版を使用。
たぶん、外壁がへーベル版じゃなかったら、
僕はへーベルハウスを選んでなかっただろう
と思うほど、へーベル版が好きです
ヘーベルハウスの神髄ここにあり
1995年、阪神・淡路大震災が発生。
死者約6,400人、全焼・焼損1万4600棟。
延焼を食い止めたと言われるへーベルハウス。
僕が行った展示場にも写真が貼られていた。
このとき、へーベルハウスは全社を挙げて、
施主の安否確認と家屋修繕に回った。
幸い、へーベルハウスは1棟も倒壊することなく、
近隣住民の避難所にもなっていたらしい。
その後、構造診断や補強工事も実施。
2か月ほどで復旧工事は完了したとのこと。
建物自体が強いこともあるが、
ピンチとあらば全社全力で対応する
企業文化が旭化成にはあるらしい。
施主に配るための備蓄倉庫も完備。
トータルレジリエンス(総合防災力)
ハードもソフトもへーベルハウスは
日本一と言っていいだろう。
まとめ
ヘーベル愛が強すぎて、長文になってしまった。
まだまだ言い足りないが、今日はこの辺で。
企業にも歴史あり。
この本を読んでいると分かるけど
今のへーベルハウスに通じることも多い。
考え方や文化は受け継がれているのだな。
個性の強いメーカー。
逆に言うと生き残るためには勝てる土俵で
勝負してこなければならなかったため。
あれもこれもではなく、選択と集中。
災害に強い都市型住宅。
これだけで戦い、生き残ってきた。
お洒落なデザイン、インテリア。
断熱性、気密性。
弱いところも多いんだけど、
自分たちの強み、勝てるところはどこか、
それを常に考えて生き残ってきた企業。
ま、そんな不器用で無骨で力強い
ヘーベルハウスが僕は好きです
では、また