ハウスメーカーの闇の話、第2弾です。
最近流行りの大手ハウスメーカーの長期保証。
ALL for LONGLIFE を前面に売り出すヘーベルハウスもしかり。
初期保証30年、最長60年。
こちらが実際の保証書です。
「60年も保証してくれるなら安心だね」
とそんなに都合のいい話はないという話をしたいと思います。
まずは保証内容とその期間。
保証内容
30年:主要構造部、防水 ※60年まで延長可能
10年:キッチン、ユニットバス、床暖房などの設備
5年:外壁塗装
2年:建具、床、内壁などの下地材・仕上材
実際は全部が長期保証ではありません。
30~60年保証されるのは、基礎、鉄骨、へーベル版。
それと雨漏り。
当社が認めた場合
保証内容を確認してしてみます。
保証されるのはハウスメーカーが認めた場合とあります。
これはめちゃくちゃ重要。
施主が認めた場合でもなく、ホームインスペクターが認めた場合でもありません。
それをハウスメーカー自身に認めさせなければなりません。
前回の「マンションの闇」でもお話ししましたが、これがとても高いハードル。
ハウスメーカーは知識も経験もあるプロです。
素人の戯言は一蹴してきます。
言い負かされない交渉力が必要です。
そして、大事なこと。
情報はすべてハウスメーカー側にあるのです。
あなたは基礎や構造の図面はもらえましたか
僕の場合は「お渡しできない」と断れました。
瑕疵らしき事象があっても施主には正解が分からないんです。
欠陥住宅だと言うには欠陥であることを証明しないといけません。
「当時の基準を満たした通常の範囲です」と言われたら積みます。
自分に不利になる情報は施主には一切渡しません。
さすが大手、リスクマネジメントがしっかりしています。
保証しない理由はどうにでもなる
保証書には適用除外規定が書かれています。
代表的なものをご紹介します。
- 必要なメンテナンスを怠った場合
- 住宅の使い方が悪い場合
- 地震や暴風雨などの自然現象
- 地盤の変動や周辺の工事の振動
- 経年劣化
- 契約時の技術では防げない現象
- 補修費がかかり過ぎて割に合わないもの
点検と補修工事が必須
保証を受けるために施主側に条件が課されています。
- 定期点検(無償)を受けること
- 30年、40年、50年目に指定のメンテナンス工事をすること
30年目以降、保証は必要ない
実際に鉄骨が破断したりすることありますか。
いや、あるとは思います。
ですが仮にあったとして、どうやってにそれが分かるのでしょうか。
鉄骨は外からはまったく見えません。
そしてメーカーが瑕疵を認めてくれる割合は何%ですか。
さっきも言いましたが言い逃れが無限にできます。
30年経った建物で施工不良かどうか真実を誰が分かるのでしょうか。
そう考えていくと、30年過ぎてから保証対象になるケースが想像できません。
もし保証されたとしても、その改修費用はいくら分でしょうか。
そこに至るまで払ってきた高額メンテナンス費用に見合ったものでしょうか。
むしろ必要な補修を適正料金で行い、壊れたら直す対応で良いのではと思ってしまいます。
30年経ったら、71才。あと何年生きられるのだろう。
そして築30年の古ぼけた家に大金を注ぎ込む意味があるだろうか。
本当にその保証、いるんですかね。
結論
今、僕が考えている今後の方針です。
- 基本、保証延長で話を進める
- Bプランの選択肢は持っておく
これはただ単に僕が価格交渉が好きなだけかもしれませんが
保証という甘い言葉に惑わされず、冷静に判断していきたいと思います。
今回言いたかったこと
保証はハウスメーカーの誠意次第
つまり、あてにしてはいけないと言う話。
では、また