4日ぶりの山は雨上がりのしっとりとした匂いで気持ちいい、
はて、小屋の軒下に置いたキャットフードがそのままで不味そうな黄土色にふやけてる、
何時も舐めつくしてテカテカなのにおかしい、、
試しにノラって呼んでみたが返事はない、まあそうだろう、いやな予感がこみあげた、
小屋の中に荷物を置き、ラジオを954にあわせたら、いつもの大沢ゆうりさんの声が飛び出した、暖炉前の切り株に腰掛け、何故餌が残ってるのか考えてたら足袋を履き終えてた、
頭を上げた先の水タンクの羽目板に、銀バエが2匹留まってる、、もしかして、、
慌てて羽目板の内側の水タンクの蓋の奥を覗いた、手前の物入れの陰からノラの動かない尻尾が見えた、何てことだ、やっぱり死んでる、、
俺はどうしたんだよと叫びながら、ノラを引き下ろすのに、夢中で邪魔な物を全て片付けた、、
その時最初に可哀想より汚れを気にした俺はヤッパリ薄情者だ、腐れ始めの死臭に、鼻と口に手拭いを巻いて軍手もはめた、
吐いた唾液は少しだが、絶命時に苦しんだろう葡萄のように突き出た二つの眼球が怖ろしい、、
まさかスモークチーズが原因じゃあるまいに、何か毒の物を食わされたのか、、
前の手と後ろ足を掴み引き寄せたらスルッとパイスケに収まった、そのノラを抱え海が見え俺がよく通る場所を探した、、
もう、こんりんざい、野良猫に餌はやらないと力一杯スコップを突き刺した、、勝手な情をかけたばっかりに野良の能力を弱くした、
ノラごめんな、来世が、また猫だったら、今度は絶対捨てない主人に飼われろよ、、。