「胃が無いから一つは柔らかくしてもらえますか」と娘がホウトウを注文してくれた5年前に会うためYの車に乗り込んだ、、
ところが実はYも好きじゃなかったホウトウの代わりに、身延山手前の、ゆばの里で「めん御膳」を食べることに、
皆のおかげで、こんなに腰のある「うどん」をズルズルできるようになったんだ、感謝の心持ちも 女房に注意されるスピードで腹に納まった、、
最急勾配33度のロープウェイは、ほぼ直角に感じ、絶壁の鉄骨基礎は、さぞかし難工事だったろうと息を呑む、山頂の奥之院は荘厳で寒さが骨に凍みる、どうして車にダウンの上着を置いてきたのかわからない、、あの時もこうして目の前の大パノラマを眺めたんだ、吸い込まれそうな森林の奥深さに心が洗われサッパリする、Kの分まで楽しむぞと口を結んで復路のロープウェイ乗場に駆け込んだ、
何と本堂の中を参拝出来たのはありがたい、薄暗さに金箔の装飾品の輝きで身が引き締まる、賽銭箱の前で手を合わせるあの時の若い二人には、まだ可愛い孫はいなかったな、、
歴史を踏みしめる床の僅かな凹凸が心地イイ、他愛ない夫婦の会話に、瞬間おおらかな人間になれた気がした、
見よ、この386段の急な石段を!
手摺に掴まらないとまっ逆さまを行く女共は大したもんだ、段数を数えてたらすぐ追い付き追い抜いた、健脚が自慢の俺だが、下りきってのガクつき加減にハッとしたのが気にくわない、、
朝霧高原のソフトクリームとヨーグルトは絶品だった、
「さわやか 」のハンバーグをほおばって昔話や家族の出来事に花が咲く、、
帰りもYが運転だ、霧雨を削ぎ落とすワイパーをボンヤリ見つめながら「目に見えないものってあるよな」、うなずくY夫婦に感謝、、。





