「ちょっと、このメガネ掛けてみ伊豆の青い空たら」と冗談で女房の一番度の弱いメガネを掛けてビックリ、ボヤけてた字に、ビタッとピントが合った、
その驚きに、外して掛けてを繰り返えす、、

クッソー、やっぱ老眼だぁー、、

この歳で凄いだろうと視力の良さが自慢だったのに、、

急に字がぼやけて、眉をしかめ出したのは、バソコンや寝不足が原因だと思ってたが、とうとう来るものが来たようである、、

でも、若くても、なるからしょうがないと簡単に諦めるのは忍びない、、

つい、こないだまでの視界を取り戻したいだけなのにと、ブツブツ思いながら金テコをかついで裏山の獣道を登ってた、、

ハッとして見上げる先20mくらいに、ハッキリ、猪を見た、それも2頭だ、

お互いの、まさかと、枯れ葉を踏む音の相殺で、こんな近くまで寄れたんだ、
一瞬、襲われる恐怖が先だったが、すぐ、金テコをそっと地面に置き、写メを撮ろうとした俺は勇ましい、、

もっと近寄りたいと思った瞬間、ほんとに豚ソックリの一匹の鼻がこっちを向いた、、
慌てて携帯を伸ばしたが、その先にはもう奴等の姿は無かった、、

それにしても野生のわりには丸々してたなー、

金テコで、道をふさぐ倒木を動かしながら自分を不思議に思ったのは、憎むどころか、
奴等も生きてるんだなと、ボソッと呟きそうになったことだ、、

この文章を打っていて眉をしかめだした俺は、ひとまず携帯を閉じ、眼球の筋肉を活性化するエクササイズを
始めた、、ところが、、無心に何回も繰り返す異常な顔や目の動きが原因だろう、、

駅到着はまだ先なのに、斜め前の女性がスッと立ち上がり、隣の車両に移動したのだ、、
その後ろ姿を見送った俺は、なんとしても老眼を克服するしかない、、、。