このところ何故か人の表情や口調が荒々しく感じたり、
自分の気づかない言動で嫌われたのかと考えすぎたり、、どうやら疑心暗鬼にかかったようだ、、

女房にでさえ、怒らしたのか顔色を伺う俺は、昔の無敵だった頃が嘘のように、にわかに気が弱くなってる、、おかしい、、

歳を重ね、なお、山の中に浸かってると、つまらないメッキが剥がれ、本来の地金の性格が現れる、、
だから余計、剥がれないムラが我慢できず不安になってるんだ、、


ふと、堤防の下の高水敷きに目をやれば、一人のおじさんが、1.5mくらいの大きな凧の端を片手で掴み、目の高さに挙げ、気まぐれな風を待ってる、、

先は急がないけど、その穏やかな表情に、手伝う気持ちが消え、ゆっくりペダルを踏んだ、、

ところが、しばらく行く間も、見捨てた気持ちが続いてた、、いままで一人でやってただろうと、、

でも、やっぱり持ってくれる人がいたら、と思ってる、、それに、凧が揚がればお互いニコニコできるし、低迷してる俺の人間が軽くなれるかも、、

そう思ったら、まだ揚がってないことを願いながら慌てて戻った、 さっきのままだ、よかった、、
転ばないよう砂利道の坂を降り、スタンドを上げた、
                凧

「おじさん、持てば直ぐ揚がるかな、ここ持てばいい?」、、と、馴れてるみたいに、凧の両端を掴んだ、

「あっ、じゃあ、そのまま先に進んで」に、凧にぶら下がる二本の縄を踏まないよう、ヨロつきながら、おじさんから離れた、、
「はい、そのまま離してください、」
俺は躊躇した、風にムラがある、不安がよぎったが、、心の中でソレッと空に突き放した、、

一瞬、斜めに落ちかけて持ち直し、「玉将」凧が、おじさんの感謝の言葉と一緒にズンと高く揚った、

戻ってよかったぁ、、。