バスケットボール・ジャパン女子代表チーム、パリ・オリンピック出場権獲得、またひとつ嬉しいニュースでした。

 

先週末に繰り広げられていた最後の3席(3か国)の枠をかけて予選が繰り広げられた枠にいち早く決めたジャパン代表、本当にお疲れさまでした。結果は、上位3チームスペイン、カナダ、そして日本と終わってみれば世界順位の高い順に決まったように見えますが、先週金曜日にジャパンはまさかのハンガリーに敗れ、4者4つ巴になったところでの最後の試合で決着した感じでしたね。最終戦の緊迫した試合は本当にハラハラドキドキでした。

 

「お疲れさまでした!」ともうひとつ申し上げなければいけないのは、2月の1週目に終えた中学受験の皆様ですよね。今となっては合格発表がはるか昔のように感じられるのではないでしょうか。ここ数年にわたる中学受験の荒波を乗り越え、これまで積み上げてきた力を存分に発揮されたことと思います。2月の3連休、多くの学校で「合格者説明会」が開催されたことでしょう。と同時に補欠合格、繰り上げ合格の連絡もあり困惑されている方もいることでしょう。合格者説明会で、これから同じ学校に進む同級生の皆さんの様子をご覧になっていかがでしたか。同じ塾の人と会えてホッとした人もいるでしょう。でも不思議ですよね、みんななんとなく賢そうに見えるんですよね。

 

入学者説明会では今後の予定のお話、通学定期券の買い方や制服の採寸とか学校によっては辞書やiPadの購入に関する説明など、受験勉強とはちょっと違う内容の行動で少々疲れたことでしょう。お母さま、お父さまも多分緊張しますよね。でも、入試の時の緊張とはちょっと緊張ですよね。4月からは新しい学校での学びが始まります。学校によっては入学式までに宿題や感想文などの課題を課されるような学校もあるでしょう。これからしっかり4月に向けた準備と活動をこれから進めていかれてください。

 

とは、言ってもちょっとだけのんびりしたいのもこの頃。

わが家の男子2人の受験後の2人の過ごしていた様子を思い出しつつ、エピソードをちょっとだけまとめてみました。

 

長男トムは、2月の入試終了後は本当にゆっくりした日々を過ごしていました。

例年麻布中は、2月11日建国記念日に入学者説明会が開催されます。この日はママとトムは一緒に麻布学園に行きました。当日私は同行しませんでしたので、以下ママからの情報です。4月入学式のスケジュールと持ち物一式、提出書類の一式説明が中心で、その後制服の採寸や柔道着のサイズ合わせ、参考書類の説明資料をもらって帰ってきたと思います。麻布で制服の採寸?と思った方もいらっしゃるでしょうが、実はれっきとした詰襟金ボタンの黒の制服があります。おまけに帽子まで。入学式に着るのと、中学1年生の5月に麻布学園創設者江原素六氏の命日に沼津のお墓参りの時に着るためにこの制服を作る人が多いそうです。わが家もその慣例に従って制服を作ることに。小学校の時も制服だったので、あまり違和感なく、「記念だし、作ろうね」と。実際の入学式では制服を着ている人が多かったですが、紺ブレにネクタイ、私服(普段着)の子もいたことを記憶しています。まさしく多様性を地でゆくような入学式の様子でした。

 

兄のトムの中学受験後にまずやりたかったことは、スマホを購入することでした。何をおいてもスマホの購入で、真っ先に家電量販店に行ったことをことが思い出します。アップル社のiPhoneが彼にとっての宝物となり、以降すべての世代を買い替えて今に至る生活となっています。中学受験を終えてもう13年が経ちます。そのスマホを手にしつつ、3月の小学校卒業式を控えているところで東日本大震災の3月11日となりました。少々浮かれ気分でいたところ、バケツで水をかけられたような気分で4月の入学式を迎えた記憶が鮮明に蘇ります。

 

次男、ガジュマルの中学受験は、以前「下北沢会談」(2017年6月8日)の回にも書きましたがちょっとブルーな気持ちで中学受験を終えました。受験成績は3勝2敗で2敗が第1希望:筑駒、第2希望:開成の敗戦でした。筑駒はチャレンジングな学校でしたが、SAPIXで開成合格の50~80%のレンジをキープしていたのですが、時の運に負けてしまいました。

 

中学受験を終えた後の彼の生活は、小学校と家を往復し、家ではひたすらYouTubeとゲームの日々を過ごしていました。YouTubeのゲーム実況を見ながら、大きな声で笑っていた様子が今思うと天真爛漫な性格。目標の中学に合格しなかった、という挫折感よりも目の前の時間を謳歌している姿がなんともわが子ながら大物感が漂っていました。その時は調べていなかったのですが、典型的なB型の血液型の性格そのものだけだったのかもしれません。

 

彼も兄にならってスマホを購入することとなり、お兄ちゃんのお古ではいやだと同じ機種を購入することとなり二人してお揃いのスマホを持つようになりました。ただ一つの心配は、兄は大切にモノを扱う性格でまずスマホを無くす、壊すことはないので問題はなかったですが、次男ガジュマルはまず手にしたおもちゃを壊すことは頻繁で、高価なスマホを無事に所有できるのかが心配でした。というのも、ベッドで寝る時もスマホでゲームをやりながら、いつの間にか寝てしまい、ベッドの隙間に落として、翌朝「無いない」の日々が続いていました。これは家の外に持ち出して果たして無くさずに所有できるものか少々心配でした。幸い、海陽に通うようになると寮に入るときに必ずHM(ハウスマスター)の部屋に預けることになるので、学校内で無くす、盗まれるなどの心配がなくその後は彼の高価なおもちゃは存命しております。

 

さて、この時期もうひとつあったエピソードで、学校の中の友だちで同じく中学受験をした子たちが、4月からどこの学校に行くのか問題があったように記憶しています。親たちは自分の子にどこどこに行く的な話は自分からしないように、と厳命していましたが、それは子どもたちのことですから自然発生的に広まっていました。先生も誰がどこに進学するのか、知っていても決して皆の前では口にせず、しっかり情報管理をしてくださっていました。でも、不思議と誰だれがどこの中学に行くらしい、的な噂が広まり、親の間でもその話題が卒業式前のひとつのイベントになっていました。子どもたちももう小学校6年生ですから、ちゃんと人を見てその情報をシェアしていたようで大きな問題には至りませんでした。

 

ちょうど今週でしたか、やはり中学受験を終えた後の偏差値の上の学校に進む子が、偏差値が下の学校に進む子を馬鹿にするなどの光景を目にする学校の先生や塾の先生のコメントがネットで掲載されていました。いろいろな子がいるので何とも言えませんが、やはりそうした発言や行動について全く出ない世の中とは今後もいかないでしょう。自分の子がそこに巻き込まれなければ、と祈る気持ちと、うちの子がそのような発言をしていないはずだ、とわが子を信ずる気持ちとどちらにおいても疑心暗鬼になってしまいます。

 

偏差値至上主義と言われたかつての中学受験から多様性を認める「わが子に合った学校を」的な受験指導が今の塾のスタイルになっている。昔とは大違いです。そもそも第一希望の学校に合格するのは受験生の1/3と言われる時代、2/3は第一志望以外の学校に進学することとなる世界です。しかしながら、今年は筑駒合格して入学辞退者数名いるとニュースになっていました。どちらの学校に進学するかは別として偏差値の高さだけがすべてではないことを実践されているご家庭もあるということでしょう。実際に次男の進学した海陽にも筑駒を辞退した人、開成を辞退した人、灘を辞退した人などなど数名いました。まさに価値観の違いを体現している人たちでした。皆大学はそれぞれの目標としているところに進んでいきました。兄弟と2つの異なる歴史を持った学校に進み、必ずしも伝統校だけがすべてではないことを、身を持って体感して参りました。

 

これから新たに中学生として第一歩を4月に踏み出す皆さん、是非とも中学生、その先の高校生の生活を充実したものにしてください。少なくともこれからの世の中は学校の成績だけで測れない能力や評価が大学受験やその先の就職のときに響いてきます。中高生の日々でしか体験できないこと、何かに打ち込む姿を想像しつつ、4月の入学式を迎えてください。

 

中学受験を終えた受験生の皆様、親御さんの皆様、本当にお疲れさまでした。