8今年も共通テストが終わり、いよいよ志望校への出願準備をし始めている頃かと思う。以前の「共通一次・センター試験」から「共通テスト」に代わり、今年で早4回目。ようやく試験問題の傾向も落ち着いてきたように様々な受験情報のサイトで語られていたのを読んだ。

 

わが家恒例の共通テストの問題について、次男ガジュマルと話をしてみた。

「今年の問題、どうする?」と私が聞くと、

「共通テストの季節だねぇ。もちろん今年も解いてみるよ」と、なんと積極的なコメント。「家庭教師をやっている身としては解くことをしないとね」となんとも逞しい発言。

「じゃあ、これね」と、ネットで掲載されている試験問題、数学Ⅰ・数学Aと数学Ⅱ・数学Bの問題を渡した。

「マル付けはお願いね」と、いつもの調子でガジュマルが部屋に戻っていった。

 

今年の共通テストの概況を河合塾が発信していた内容の中で、興味がある部分をピックアップしてみた。まずはその概況から今年の共通テストを振り返ってみることとしたい。

 

<河合塾・共通テスト概況(抜粋)>

l  共通テストの志願者数は、491,914人と前年から約2万人減少しました(前年比96%)。大学入試センターが発表した現卒別の内訳をみると、志願者数全体に占める現役生の割合は85%を占めている。

l  志願者数の減少は18歳人口がここ数年で最大の減少幅となった影響によるものですが、この春の高校卒業予定者における共通テスト志願者の割合(現役志願率)は45.2%と高い水準を維持している。

l  今年の共通テストの出題傾向をみると、昨年から大きな変化はなく、「思考力、判断力、表現力」を問おうとする各教科・科目の出題方針に則った出題。

l  「数学Ⅰ・数学A」で電柱の高さと影の長さを測定する問題が出題されたほか、「現代社会」ではSDGsに関する問題などが出題された。

l  これらの問題傾向は、新課程入試となる来年の共通テスト以降でも継続することが想定される。日頃より、知識を暗記するだけでなく、知識を活用する力や資料を読み解く力を身につけることを意識するとともに、日常生活や社会の出来事にも目を向けておくとよい。

l  国公立大志望者を中心とする5教科7科目(900点満点)の受験者平均点は、文系が547.5点(+5.3点)、理系が568.9点(+7.2点)と文理ともに上昇。理系の上り幅が大きいのは、文系生と比べて数学の平均点が高かったことや、地理Bの平均点上昇などが主な要因。

 

また、点数についても、各受験塾からデータが配信されていた。去年もデータの比較をみたので、今年も一応掲載しておきたい。理系5-7型、文系5-7型の2つの総得点の平均点を昨年度と比較する。

<理系5-7型>

    23年  24年  変化

東進   549   564   +15

駿台   551   559   +8

河合塾 561.7 568.9  +7.2

<文系5-7型>

    23年  24年  変化

東進   533   539    +6

駿台   532   536   +4

河合塾 542.2 547.5 +5.3

 

いつもながらではあるが、どこの塾も登録された情報を基に大きな差異もなく発表されることに感心させられていたが、今年は各塾での平均点の差が生じている感触であった。今年は平均点でみると上がったことから平易的なとらえ方をしているが、個々の科目、特に英語ではかなりの分量を読ませる問題もあり、またその文章の内容も過去の共通テストと異なる感触を得たような情報も出ていた。またいつもながらではあるが、数学の難化、易化が交互に現れやすく、今年は平均点を下げたのが「数学Ⅰ・数学A」、「数学Ⅱ・数学B」であった。受験生は、自己採点の結果をこのデータと突き合わせで進路を考えるわけだが、上手くいった者はこの結果を見て自信をつけ、試験に失敗したものはこのデータを羨みつつ次の戦略を模索しているのだろう。

 

さて、そうこうしている間にガジュマルが、快調に数学Ⅰを解く一方で数学ⅡBは少々時間がかかっていた模様だった。

「どうだった?数ⅡB」と聞くと

「いや、そうでもないよ」と、ガジュマル。

「去年の問題と違うと…いうか」と、ちょっと考え込んで「ひねりがこれまでの年と違うよね」

これまでの共通テストの数学は、ある程度型にはまったのような感じだったものが4年目となると

「いい問題だと思うけど、初めて本番でこの問題に出会った受験者はたまったもんじゃないよね」と、ちょっと嬉しそうに語っていた。

「面食らった、ってことはあんたもちょっと引いたの?」と聞いてみた。

まあ、冷静に考えて「これは共通テストだよな、と思って冷静に問題文を読み返したら、やはり基本的な問題だった」と我に返ったようだった。

 

数ⅡBの3番の問題、日曜日が晴れの日になる問題(確率、統計)は、選択肢の式も複雑で「えっ、これでいいはずだけど、こっちも該当するかも・・・と悩ませる感じがいやな感じだよね」と、ガジュマル。確かに問題文を見ると、表3なんて行列式にも見えてくる感じが違った問題を解いているような気分にさせる。単純に4番、5番を選らばべこんな感じにならないのに、興味本位でこの3番を見てしまうと何となくこの後の問題も複雑な問題かも、と誘われてしまう感じがするのが不思議な感触。

 

最後に、「マル付けしておいてね。今年は見直ししたから」と、いつものように部屋に戻っていった。

共通テストの問題を含め、大学入試で受験生の「思考力、判断力、表現力」や理解の質を問うだけの問題だけでなく、限られた時間で多くの情報を処理する能力も評価しなければいけない、というのが共通テスト。

 

ちなみに、ガジュマルのテストの点数は、数学Ⅰ・数学A 100点、数学Ⅱ・数学B 97点、合計で数学197点だった。

本人に伝えると、「むむっ」と、言ってあとは沈黙だった。間違えた問題は数列の問題。気を抜いた瞬間であったのだろう。

 

これからが入試本番。くれぐれも体調を万全にして自分の実力を発揮できるよう入学試験に臨んでいただきたい。