明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

既に1月に入り1週間が経過しました。ラグビーマニアとしては、大学選手権、高校花園大会、そしてリーグワンなど大好きな試合が目白押しの季節でもあり、誠に勝手ながら充実した正月一週間でした。

 

先週末金曜日、所用で夕方4時ごろに東京・新宿駅より電車に乗っていたところ、4人の紺詰襟制服を着た学生が並んで座席に座って、スマホを見ている学生、うたた寝をする学生とまちまちな様子でした。

「そうかぁ、もう学校が始まったのね」と思った矢先、まだ「1月5日じゃないか」と思いました。そうです、学校で恐らく補講等の授業があったのでしょう。彼らは高校3年生でまさに来週に控えている共通テストに備えた補講なのかもしれませんね。あと少しで入試本番が始まります。

 

さて、今回のお話しは10月末に出ていましたダイヤモンド10/28号の「わが子が成長する中高一貫校&塾」についての続編です。

中学受験からしばらく時間が経っており、最近の事情に疎くなっていたので、前回同様今回の記事を読んであらためて気づいた点、意外だった点、初めて知った情報など体験記を含めてまとめておきたいと思います。

 

中高一貫校に関する記事と同様に塾選びの記事が今回の目玉となっています。

ノンフィクションライターの杉浦由美子女史が今回の記事を担当しています。杉浦さんといえば教育コンテンツを中心に様々な雑誌やWeb記事を提供されている方でお正月にはM1優勝の令和ロマンの経歴についても記事を提供されている方です。客観的な情報と女性の視点での感想が大変面白いところでもありましたので、そこも含めご紹介したいと思います。

「塾選び」は関東編と関西編がございますが、関西の塾事情は分かりませんので、今回は関東編をメインに実体験とともにご紹介したいと思います。

 

記事の内容は、関東の四大塾、早稲田アカデミー、四谷大塚、SAPIX、日能研を中心に簡潔にその特徴と感想が書かれています。主な内容を抜粋して紹介します。

・「早稲田アカデミー」は志望校別コースのNN志望校別コースで知られる。開成、麻布、早稲田、桜蔭、女子学院、渋幕などの難関校の対策講座で、外部生も受講可能。早稲田アカデミーは校舎数を増やす戦略であり、校舎によっては生徒数が20人程度と生徒一人ひとりの名前、性格、得意不得意が把握でき、的確な指導できる。かつての早稲アカは「体育会系」のイメージがあるが、今は理不尽に厳しい教師はいないのでかつてのイメージとは大きく異なる。

・「四谷大塚」と「早稲アカ」は同じ教材/テキストを使用している。2塾のテキストの使用の違いは、四谷大塚は予習に、早稲アカは当日授業で使用するところ。四谷大塚は授業の前に「予習」し、例題を解くことで授業の効率を高め、その分宿題の量を少なくする。かつ授業後に補講の時間を設けて大半の勉強を塾で済まされるようにしている。時代の流れを汲み、共働き家庭への配慮が行き届いている。「難関校も狙いたいが、親が子どもの横について宿題をさせなければいけない塾は無理だな」と思う親の層を取り込みたい狙いがあるようだ。

・「SAPIX」は、テキストの質では前の「四谷大塚」、「早稲アカ」の上を行く。テキストには基礎的な問題から難問まで載っているが、高学年になるほど基礎的な問題も難関校対策に必要な思考力を求める内容となっている。思考力を高めるより基本的な事項を固めることを優先すべき生徒にとっては使かいづらいテキストとなっている。また、SAPIXへ通塾する家庭はなぜ「親が大変だ」と言われるのか、それは授業のスタンスが「導入部分」だけを授業でやり、授業で理解したものを自分の力で問題を解くようにする。一人で宿題が解ける子どもは良いが、そうでないと親の負担が発生することになるからだ。充実している点としては、「学習計画法」という学習の手引きが配布され、どう勉強すればよいのか、過去のテキストのどこを復習すればよいのか書かれている。

・「日能研」は、近年難関校の合格実績を下げている。なぜならば、進度もテキストものんびりしているからだ。現在は中堅校に強いイメージがあり、「中学受験は塾におまかせ」というスタイルを広めつつある。四谷大塚や早稲アカのように保護者に連絡を入れるようなことはしない一方で保護者が相談したらきちんと対応する。保護者からの評判は高く、コンプライアンス意識も高く子どもを預ける安心感がある塾といえる。

・その他に、「臨海セミナー」(四谷大塚のテキストを使用し、補助テキストとしてオリジナルテキストを導入。公立一貫校対策講座も週末に開催。)や「栄光ゼミナール」同じ系列で難関校に強い「Z会エクタス」の紹介もある。また、算数の名門塾「エルカミノ」、文系科目に強い「グノーブル」など難関校に強みを発揮する塾もある。また、関西名門塾「希学園」が首都圏に進出し、授業がない日も自習時間などがあり、「バリキャリママ」たちの間で評判の塾でもある。

 

というのが記事の概ねの内容であります。

関東でも四大塾の勢力は変わらないとしても、独自のカラーが良く出ていることがこの記事の内容からも伝わってきます。各塾もそれぞれターゲットとしている生徒さんやご家庭の事情などを考慮していることがよくわかりますね。しかしながら、四谷大塚と早稲アカが同じ教材を使用している、というお話は存じておりませんでした。確かに学校の教科書は学校によって同じケースが多々あると思います。もっともその教材を使用してどのように教えるのか、指導するのかは各学校の方針や教師のみなさんの腕にかかっているわけで何もテキストが同じだから、というところでは大きな差にはなりませんね。

 

わが家は男子二人共にSAPIXへの通塾だったので他の塾のことは良くはわかりませんが、ことSAPIXで親として苦労したのが、教材の整理、テストの整理の部分だったことを記憶しています。小学校で配られるプリントの整理も子どもができないところに加えて塾の教材の整理が加わるととてもじゃないですが、大変だったように記憶しています。加えて宿題がでたところの丸付けをすることもあり、確かに親も一緒に中学受験をしている気分になったものです。

 

私自身は中学受験を今の「日能研」の前身の「日本能率進学研究会」という塾での中学受験でした。60歳を超えた私も中学受験組でしたので、そう考えると日本の中学受験の歴史も本当に長くなりましたね。かつての塾選びはまず地元に多くの塾校舎がなかったので、必然的に通えるところの塾を選択せざるを得ませんでした。しかし、今は親の都合、家庭の都合で塾を選べる時代となり、経済的な負担が可能な家は塾に加えて個別塾などが選択肢に入ってくるとのことだそうです。杉浦女史も言っているように共働き家庭で中学受験をするためには必ずしもSAPIXが鉄板というわけではなく、志望校や入試問題の質なども考慮に入れた塾選びが今の流れなのかもしれません。かつて転塾はご法度と言われた時代から子どもに合った塾への転塾もありの世の中になったのかもしれませんね。

 

中学受験を終えて10年が経ちましたが、時勢に合った中学受験の事情を改めて「塾選び」の観点からのお話でした。