その39 (おっちゃん)


 時々、白いフワフワが降ってくる。

食べたらオシッコちびるやつ(恥)


空気がキーンって音出してるみたいや。

オレはトム。


フワフワが落ちて来んようになって、

お日さんが傾き始めた頃、オレは、垣根の下で

ケツを公園に向けて、日向ぼっこ鼻提灯してた。

ケツが温い‥


「トムっ❣️トムっ❣️」

後ろからオレをなでなでする。

おばちゃんが来た。

「んにゃぁ💕」

オレは返事をしておばちゃんの足元へ行く。


おばちゃんのおかぁちゃんが座って

オレをなでなでしてくれる。

おばこちゃん🙃

(おばちゃんのおかぁちゃんやから

おばこちゃん💕オレが名付け親💡)


おばこちゃんがお魚大好きやから、

時々、オレにお魚持ってきてくれるんやでなぁ

おばこちゃん、ありがとう。大好きやで❤️


3人(?)でいつものベンチへ移動する。

おばちゃんがポケットからカリカリの

入った袋を出して食べさせてくれる。🍙


オレのこと可愛い、可愛いって言って

おばちゃんとおばこちゃんは四角いもんを

オレに向ける。カシャ!カシャ!って音が鳴る。


2人は「トムこっち向いて〜」

「今度こっち〜」って交代で四角いもんを

カシャカシャ鳴らす。それは時々光る。

なんかめっちゃ楽しそうやったから、

オレもなんか楽しくなって、

おばちゃん達に言われるまま顔をむけて

カシャカシャ遊びをしとった♪♪♪

公園にはオレらしかいてない。

なんか幸せやった。


おばこちゃんが言った。小さい声で。

「誰か来たで‥」


おっちゃんが下から階段登ってきた。

オレらが楽しそうにしてるのを、ジロリと

見て公園の奥のベンチに座る。


おばちゃんは全く気にしてない様子やけど

おばこちゃんがめちゃくちゃ気にしてる。

おばちゃんに「あの人ジーッと見てるで、

帰ろう」とこっそり言う。


気にしないオレとおばちゃんは遊び続ける。


オレ‥知ってるねん。

あのおっちゃん、この頃こんな時間に来て

オヤツくれて頭なでなでしてくれるねん。


けど‥オレおっちゃんには悪いけど、

おばちゃんとおばこちゃんと遊んでるのが

幸せで知らん顔してたねん。

オレ‥悪いヤツやな‥💧

ごめんなおっちゃん。


名残惜しそうにオレらを眺めたおっちゃんは

帰って行った。


しばらくしておばちゃん達も

「トム車に気をつけるんやで」と

いつものセリフを言って帰って行った。


オレはポツンと独り、公園の真ん中に

座っている‥‥


すると、さっきのおっちゃんが戻ってきた。

神経質な顔を、ニッタリと崩して


「おっ!やっとおっちゃんの順番きたかぁ〜

お前人気もんやもんなぁ〜」

とオヤツをくれる。


おっちゃんは言う。

「さっきのお姉さん達に遠慮して、

ちょっとそこらへん一周してきたんや〜。

やっぱりあんたと喋らな1日終われへんからなぁ

トムって名前もろてんのか〜ええ名前や。

おっちゃんもトムって呼ぶわなぁ」


おっちゃんも怒り顔やからか〜

(キン肉マン兄ちゃんとおんなじやぁ)

おばこちゃん怖がっとったけど

ホンマは優しいのになぁ。

ありがとうな。おっちゃん。