キヨさんは、夕食の箸をとめて
 
「あなたは、ごはんまだなんですやろ?」と
 
記録を書いている私の方を向きました。
 
「いえ、さっきお菓子をつまんできましたから大丈夫です。」
 
「まあ、そうですか?
 
しかし、早く帰らないと、ご家族が待っておられるんやないですか?」
 
「主人は、遠くに勤めていまして、まだまだ帰れません。
 
犬がいるだけで、夫と二人暮らしです。大丈夫ですよ。」
 
「犬を飼ってはるんですか?じゃ散歩は帰ってからさせはるの?」
 
「そうなんです。」
 
「ご主人待ってはるでしょ。」
 
「いつもこの時間はまだ帰ってないんですよ。」
 
「あらそう・・・・・。わんちゃんは、おしっこは?」
 
「私が帰るまで待ってます。」
 
「まあ、待ってるんですか。賢いですね。
 
あなたが、帰ってから離さはるんですか?」
 
(今は、離せないんですが・・・・。)
 
「そうです。帰ってから離します。」
 
「お子さんが待ってはるんとちがいますか?」
 
「子供は関東や九州なんで。」
 
「遠いですねえ・・・・。それはそうと、ご主人がお待ちやろから
 
そろそろ帰ってあげてください。
 
わんちゃん、おしっこはどうされるんですか。」
 
 
昔、昔の壊れたレコードのように
 
針がおなじところを何度も何度も回っています。
 
 
 
「ご主人が