
帰り道は、行くときより
時間を短く感じるものなのに
険しい山を下るときは
「えーーーーっ、まだここ?」
って感じで平坦な道との違いを思い知らされた。
私の2本の足は
悲鳴をあげはじめた。
岩場を守るための階段を
普通に降りられなくなった。
体を斜めにして
一段一段降りていった。
そのとき思った。
この歩き方
どこかで見た。
そうだ!
毎日すれ違っているあの廊下だ。
あの方の足もこの方の足も常にこんな感じなのだ。
平坦な廊下をゆっくり優雅に進んでいるように見えていたのに
彼らの足は悲鳴をあげていたのだ。
それでもなお
一歩も動けなくならないようにと
老体に鞭を打ち
一生懸命に歩くことを続けておられたのだ。
歩けなくならないように・・・。
立てなくならないように・・・・。
動けなくならないように・・・・。
一日でも苦しまないように・・・・。