
ある観光地に七夕のイベント会場があった。
にぎやかな短冊や飾りの吊り下げられた笹の下に
筆ペンとカラフルな短冊。
通り過ぎようとした私に
「何か書いてぶらさげり。」と彼。
母を失って日も浅い私に
そんな気持ちのゆとりはなく
「なんて書こう・・・・。」と
短冊とペンと持ってうつむいていると
「幸せになれますようにって書かんかい。」と言う。
他に思い当たる言葉もない私は
そのまま書き連ねながら
しあわせにななるなんて考えたこともないことにはたと気付いた。
何がしあわせかわからないけれど
そんな言葉をかけてくれる人がいる。
知らぬ間に両目が少し湿った。
うつむいて気持ちを切り替えていると
変なのという気持ちと
この人といたら楽しいかも知れないという予感が
ぷかぷかと浮遊し始めた。
あの日依頼
七夕の笹を見るたびに
しあわせという4文字を思い出す。