
もうちょっとやから、叩くのやめてください。」
それでも彼女は、こぶしの届く範囲で
ポコポコ、ポコポコ。
私の頭や、肩にポコポコポコポコ。
「ババア帰れ!」
ポコポコ、ポコポコ。
「ババアにババアって言うのやめてください。」
彼女の手が宙で止まる。
「お く さ ん」
「おくさん?ピンと来ません。」
彼女目を伏せて「フフフ」と笑う。
少しすると
「もうしんどいから帰る。こんなとこ嫌や。」と
ポコポコポコポコ攻撃開始!
「どこに帰るのですか?」
「うちや。」
ポコポコが少し弱まる。
「うちはどこですか?」
「大阪や。」
ポコポコポコポコ・・・・。
「私の車で一緒に行きましょか。」
彼女の手がまた止まる。
「んーーーー。ごめんなさい。
私、すごい方向音痴やから、大阪に行くつもりが鹿児島まで行くかもしれません。
どうしましょ。」
彼女の顔の皺が全部弧を描いた。
彼女の肩が揺れている。
私の目尻にも3本皺が増えた。
また、「ばばあ」と言われそう。