セピア色の風景の向こうから

私の方に誰かが歩いてくる。

人々がざわついているどこかの並木道のようなところで。


その人が近づくにつれ

私の心がビクついた。


30キロにも満たない四肢麻痺の父ではなく

私が中学生の頃の、髪の毛が黒々として

分厚い肩の父であった。


父の顔は、私を正面から見据えるでもなく

久しぶりに娘に出会えたという笑顔もなかった。


お金さえ積めば地球の裏にいる父に会えるというなら

私は、500万円でも、1000万円でも

用意するかなと思うことがある。


こんな形でも父に会えた。


乾いた表情であったけれど

父に会えた。


夢ってありがたい。