さて、いよいよシャーロック・ホームズの話をしましょう。
 最近、映画やテレビドラマになったり、NHKの人形劇にもなってホームズの名前がよく出るようになってきました。
 名探偵の代名詞ともなっているホームズがコナン・ドイルが書いた小説の主人公であることはみなさんよく御存じだと思います。
 しかし、100年以上前に生まれた架空の探偵が未だに人気を保っていることは驚くべきことだと思います。
 彼が住んでいたとされるロンドンのベイカー街にはホームズの博物館ができてホームズのファンが多く訪れています。
 余談ですが、ベイカー街221Bがホームズの下宿の住所となっています。しかし、ベイカー街には221番地は無いそうです。以前はアベイナショナルという会社の建物が221番地とされていて、世界中のホームズファンから送られてくる手紙を処理する「ホームズの秘書」という人がいました。(実はわたくしめも前に手紙を送って返事をもらいました(^_^;))
 でも、今はその会社は移転してしまって、ベイカー街のそれらしい家を無理やり221Bとして博物館にしています。
 熱心なファンはシャーロッキアンと呼ばれます。アメリカのベイカーストリートイレギュラーズやロンドンホームズ協会、日本シャーロックホームズクラブなど世界中にシャーロッキアンの集まりがあります。
 そんなホームズのことを私ごときが今更何を紹介しましょうか。でも、中には映画やテレビしか知らず、「ホームズって小説なんですか?」という方もいます。(実際、わたしはそう聞かれました)
 で、おこがましくもここでコナン・ドイルの書いたホームズの話をしたいと思います。

 ドイルが最初のホームズ物を書いたのは眼科の医師として開業したものの、さっぱり患者が来ないため、暇を持て余したためだ、と言われています。
 「緋色の研究」は1887年「ビートンのクリスマス年鑑」という雑誌に掲載されました。
 ロンドンで起きた事件とアメリカでの因縁話との二部になっていて、ミステリとしての評価はどうかと言われる作品ですが、なんといっても冒頭にホームズと相棒の医師ワトスンとの出会いが描かれているのが魅力です。
 セントバーソロミュー病院(ロンドンに実在します)の研究室でホームズがワトスンにあいさつ代わりに言った言葉「アフガニスタンに行かれましたね。」ここから世界一有名な探偵とその相棒の冒険が始まります。

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