さて、いよいよファンタジー小説の最高峰と言われている、J・R・R・トールキン「指輪物語」のご紹介です。
 「指輪物語」は「旅の仲間」「二つの塔」「王の帰還」の三部に分かれる長大な物語です。
 トールキン教授の作り上げた異世界「中つ国」は一人の人の創造だとはとても思えないほど、壮大で精緻です。
  太古から伝わる神話、伝承。そこで話される言葉も見事に作り上げられて、そこに住むさまざまな種族が繰り広げる叙事詩的な物語は熱狂的なファンがいるほどです。
 そしてこの物語は後のファンタジー作品に大きな影響を与えました。これに続く小説はもちろん、映画やゲーム、アニメなどにも。「ドラゴンクエスト」や、「ファイナルファンタジー」のシリーズをプレイしたことのある人は、きっとうなずくでしょう。
 
 物語はホビットの住む平和なホビット庄から始まります。
 まず、初めに前作のビルボやその他のホビットについて延々語られます。初めてこの物語を読む方の中にはこの第一章のゆっくりとしたテンポにあきて読むことを断念する人がいるということです。
 それはとても残念なことです。ならばそこを読み飛ばしてでも主人公フロドの冒険を読んでください。
 しかし、後になってこのゆったりとした「たいくつな」ホビット庄の描写が大きな意味を持ってきます。
 ホビットのフロドは叔父のビルボから指輪を託されます。それはビルボが「ホビットの冒険」で語られた旅の途中でゴクリという生き物から奪った魔法の指輪でした。

 その指輪こそ、伝説となった昔、冥王サウロンがすべての魔力をつぎ込んで作った「一つの指輪」だったのです!
 一度は封じられたサウロンが再び復活しようとする今、その指輪を葬り去るため、フロドは仲間たちとともに「滅びの山」へと旅たちます。

 魔法使いガンダルフに導かれ、ホビット、ドワーフ、エルフ、そして人間の種族を超えた仲間たちは幾多の困難を乗り越えてゆきます。冥王のわな、力の指輪に魅入られるもの。そして大戦争へ。
 
フロドは使命をとげ、なつかしいホビット庄に戻れるのでしょうか?


新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)/J.R.R. トールキン

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